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かまいたち君

最初、何の話をしているのか全くわからなかった。 第一発見者の友達が指差した先をゆっくり見てみると俺の左手の甲から指先に掛けて真っ赤に染まっているのが見えた。 『血だ!』 誰かがそう叫んだ時にやっと自分でも状況が少しのみ込めた。 『俺、お母ちゃん呼んでくる!』 そう言って遊び場の息子が母親を呼びに行き程なくしてやっと大人の意見を聞く事が出来た。 それまではあまりに滴り落ちる血液に子供たちはどうして良いのかわからずオロオロするばかりだったのだ。 友達の母親は言った。 『りょうちゃん、痛くないの?』 俺、 『痛くない…』 事実、相当な血液が流れ出た傷口だったが痛みは全く無い。 だからして傷を負った当人は他から指摘されるまで怪我に気が付かなかったのだ。 母親は怪我をしながらも痛がらず呆然としている俺に続けて言った。 『かまいたちの仕業だね。』

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かまいたち君の逆転オセロニアトーク たまにどうでも良い日常
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