ログイン
前略 見城先生
トーク情報
  • 吉田真悟
    見城徹見城徹

    アンドリュー・ヘイ監督の[異人たち]を観た。何という映画!僕の胸に全てのシーンが染み渡った。生きることの切なさと絶望、孤独と疎外を濃く滲ませる脚本と演出、そして、俳優たちの圧倒的な存在感。センスのいい映像と音楽。チンケなファンタジーに堕してもおかしくない設定を根源的な生の営みの物語として甦らせ、世間と個体、理解と無理解のせめぎ合いをここまで静謐に深く表現した映画に胸を鷲掴みにされた。フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドに鳥肌が立ち、ラスト・シーンに号泣した。これは自分を描いた映画だ。そんな感覚になった。誰も理解してくれないけれど僕はいつも個体の絶望と歓喜の淵に佇んでいる。と書くと笑われるだろうけどね。とにかく、それでも僕は生きて行く。死ぬまでは生きる。誤解に塗れて生きるしか道はない。今日からはあのラストを胸に。もう一度観たい。