最近のはくあうりの「うたの日」
背中の痣を辿ってゆけば海、標識だからあなたを待っている
2023年03月10日『自由律』
盃に桜一輪ほころんで呑まるるほどに香の満つる宵
2023年03月09日『桜』
動点PとQつひに邂逅せざるまま燃焼室の単色の灰
2023年03月08日『P』
羽だって落ちていくのにあさましく肩甲骨から剥がれない泡
2023年03月07日『だって』
泡ひとつなき寒天に囚はれて呼吸を忘れぬる魚の群
2023年03月06日『寒』
あいたいよ、あいされていたぼくたちをもしもきれいに忘れあえたら
2023年03月05日『もし』
とばせないCM あれが本編で、そういう風に生かされている
2023年03月04日『CM』
契りつつ千切られてある春宵に散りぢり流れ落ちる花びら
2023年03月03日『千』
なのにまた芽吹いてしまう手折っても枯れてもきみは肺腑の底に
2023年03月02日『なのに』
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