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はくあうり

そういえば「うたの日」のデータが一年分消えてしまったので、出詠した中で覚えてるものとか手元にメモが残ってるものをいくらか。似たような感じのばっかり出してますね。 ジングル・ベル 片方だけの靴下を並べて壁をにぎやかにする 飛ぶように売れたあなたが落ちてくるときの速さは一定である 生活はそれでも続くサボテンを枯らした部屋にタオルを干して 届かないほうの手紙がそうめんになって流れてくるターミナル わたしからわたをこぼしてきた道がだれかの足にやわらかくあれ ひらかれてトランクは羽 対偶のようにどこかで生きていくから 目を閉じてもういいんだね抱きぐせのついた世界をあきらめたなら 抱擁はすべてやさしくふつふつと煮汁のなかで生かされている からだなんてひとつでよかった殻だけのあなたのことはもう探さない 加油と打つとき燃やされるきみの顔そのことだけを考えていた ゆりの花みんなでつくる偶像をみんなで壊すような正しさ 化野ゆ風来るらむ汚さるるためのあなたを晩節は待つ 失活の呪文をわざと間違える間違え方に気品があった こいびとをたたいてのばす こいびとはたたいてのびるものじゃないのに 鏡片の雨そそげども切り結ぶべき半身を遂に見ざりき 硝子体なる金魚鉢とぢられて影とこしへに追はるるは影 共食いの鳩の動画を見せながら綺麗な比喩をあなたは使う 落ちていくときだけが星 わたしたちきっと捨て合うために出逢った 愛つて呼べば終ひになつた生卵たまごはとほくへゆけないかたち 灯を落とし十一本の肋骨を順に撫でゐるイヴのゆびさき 落ちるほど透明な空こうやって開き直りを覚悟と呼んだ やわらかいなにかをずっと踏みながらこんな一本道でしたっけ

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