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SKE版マジすか学園0.7~尾張神風篇/外伝 其の弐
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  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    マジすか学園0.7~尾張新風篇~
    外伝 其の弐「ここがでら女だ、ここで跳べ!」

    第2話:五色の星


    …………


    6月の

    12日…


    出羅馬路女学園 中等部に
    転校してきた5人の少女


    何やかんなあって…


    今ここは中等部にある
    食堂と購買が一緒になった特別食堂

    その名も「第1コメダ食堂」


    通称:1コメダ



    そこに居るのが
    転校生のひとり…

    一色嶺奈…


    嶺奈:すいませ~ん!

    (貼り紙を指差し)ここに「中等部の生徒は全品無料」って書いてあるんだけど… 本当ですか?


    「本当だよ」

    そう答えたのは、
    この食堂の支配人…


    嶺奈:食堂っておばちゃんのイメージだけど、
    この学園はおじちゃんなんですね!!

    支配人:えぇ、そうです。もうひとり若いのも居るんだけど、最近は高等部の食堂にいるかな。


    ……髭が似合う
    …そんな食堂支配人


    支配人:ご注文は?

    嶺奈:無料ってことは… 要するに…

    タベホー!!ってことですよね??
    ヒューヒュー!!!


    支配人:は、はい。そうですね(戸惑い気味)

    嶺奈:えっ~と… 本当に色んなメニューがありますね!

    じゃあ…

    ピザとグラタンとパスタと…
    デザートでケーキとチョコ

    あと口直しの飴と…
    締めにうどんとラーメンと…


    支配人:おいおい(ちょっと焦り気味)
    何人かでPartyが始まるのかい??

    嶺奈:いえ。嶺奈 一食で食べちゃいます(笑)


    支配人:…………(苦笑い)



    そんなやりとりを
    遠くから見つめる視線が…


    …………


    一方、中庭…

    4人の少女…


    転校生 亜柚香&茉椰
    vs
    三色団子 なるぴー&ゆうかたん



    背を合わせ戦う凸凹コンビが
    転校生…

    その周りを舞うように
    回りながら攻めているのが
    三色団子のふたり…


    そのコンビネーションに押され気味な
    亜柚香と茉椰…


    ゆうかたん:いつまで避けられるかね(笑)

    …ギリギリの所で攻撃をかわすも
    攻撃に転じられないふたり…


    ゆうかたん:ほら!少しずつかすめるようになってきてるよ!


    茉椰:ちょこまかちょこまかと…

    亜柚香:すばしっこいね。


    茉椰:ホントこれだから… 小さい子の相手は嫌なんだよ…

    亜柚香:あ~ やっぱり小さい子が嫌いなんじゃん!!


    茉椰:そんなことないよ~


    亜柚香:いや、その目は嘘ついてる!
    嘘つきはダチョウの始まりって言うんだぞ!!

    茉椰:いやいや、泥棒だから!


    亜柚香:えっ!? 菅原泥棒なの!?
    何盗んだの?


    茉椰:盗んでないから!


    亜柚香:そんなことより菅原!
    この状況を打開する方法考えてよ!!

    茉椰:そんなこと… て。
    亜柚香が言い出しておいて。
    だから小さい子は…


    亜柚香:やっぱり小さい子が嫌いなんじゃん!
    でも、うちら一応同じ年の設定なんだからね!!


    茉椰:“設定” とか言っちゃダメだから!!


    亜柚香:菅原がガキ扱いするからだろ!!

    茉椰:菅原は… 菅原は、そんなことしてるつもりないよ~!!

    (…と変顔で言い返す茉椰)


    ………完全に蚊帳の外になっている
    三色団子なるぴーとゆうかたん



    ゆうかたん:ふん(鼻で笑いながら)
    仲間割れかね?? ちょろいね(笑)


    なるぴー:小さいからってナメてるね。
    もっと動きを大きく攻めようか!笑


    ……さらに攻撃の手を強めるふたり
    …何とかかわす亜柚香と茉椰

    ギリギリの所でかわした茉椰の肘が
    亜柚香の背中に…


    亜柚香:痛ッ! ちょっと菅原!!

    菅原:ごめん。


    …その瞬間

    なるぴー:もらった!!

    ……隙の出来た亜柚香に向かい
    渾身のパンチを繰り出す


    茉椰:あぶない!!

    亜柚香:えっ!?


    …咄嗟の動きで避けた亜柚香だったが
    その時 跳ねた髪が茉椰の顔面に…


    茉椰:痛ッ!! ちょっと!!
    もっとちゃんと避けてよ!

    亜柚香:菅原が近くに居るのが悪い!!

    茉椰:え~(困惑)


    亜柚香:もう。もっとちゃんとしてよ菅原!!
    年上なんだから!

    茉椰:思ったことをすぐ口にしない!!


    …亜柚香に向かってそう言うと
    再び亜柚香の背後から襲いかかるなるぴー…

    茉椰:あぶない!


    (…そう思うと今度は咄嗟に攻撃へ転じた茉椰)

    亜柚香の顔をかすめるスレスレで
    亜柚香の背後にいるなるぴーを殴りつける…


    ……思いもよらない攻撃が
    カウンターとなり倒れるなるぴー


    亜柚香:何するんだよ菅原!!

    茉椰:助けたんだよ。


    亜柚香:でも、あーちゃんにも少し当たってるし!!

    茉椰:えっ… でも… 助けたんだからいいじゃん。

    亜柚香:よくない!!


    ゆうかたん:(倒れたなるぴーを抱えながら)お前ら大概に…


    ……声を荒らげふたりに目を向ける
    ゆうかたんだった が…


    亜柚香:頭きたッ!!もう!ちょっとしっかりしてよ!
    年下のあーちゃんの方がしっかりしてるじゃん!!

    茉椰:だから!同い年だから!
    一応ね!!役柄的には。

    亜柚香:あっ、自分だって役柄とか言ってるし!!笑
    同じ年の設定でも、あーちゃんの方が誕生日あとだから年下だし!!笑



    ……自由すぎる

    ………既にゆうかたんの声が
    まったく届いていない模様


    ゆうかたん:おいおい(笑)

    ……怒りを通り越して
    若干あきれ気味


    亜柚香:今日こそはどっちが大人か決めよ!!

    茉椰:まったく…(これだから小さい子は… と内心)


    ゆうかたん:……… (いやいや… こっちが「まったく」と言いたい気分だと内心)


    少し大きめの声で話しかける…


    ゆうかたん:おい!!


    茉椰:ん??

    亜柚香:何??


    ゆうかたん:あのさ!あんたらここ(中等部)の真ん中を目指して来たんだろ?


    亜柚香:はい。そのつもりです。


    ゆうかたん:そして、真ん中になる為にうちらを越えようとしてたんだよね?

    茉椰:う~ん… そうなのかな?


    ゆうかたん:でも、今はどっちが大人か決めようとしてるんだよね!? ふたりで。

    亜柚香:そうですね、はい。


    ゆうかたん:真ん中を目指すのと、どっちが大人か決めるのと… どっちが重要な…

    亜柚香:(食い気味)どっちが大人か!

    茉椰:そういうことです。

    亜柚香:どっちが大人だと思います?


    (……完全に呆れてるゆうかたん)


    ゆうかたん:どっちが大人かって…
    まず間違いなく私だと思うわ。

    亜柚香:そんなことないよー
    あーちゃんの方が大人だし!!

    茉椰:それこそそんなことないよ!


    ゆうかたん:何でもいいよ(笑)
    とりあえずうちらとの勝負はどうするんだ?

    亜柚香:それは後でお願いします。


    ゆうかたん:(笑いながら) わかったわかった… もういいよ。うちらの負けで(笑)
    何だかあんたらと マジ でやりあうのが、アホらしくなってきた(笑)

    何だろうね?? あんたらの空気感は。


    (……倒れていたなるぴーも
    体を起こしながら口を開く)


    なるぴー:まったくだね。うちらの負けだよ。
    目を覚ましたら、ほののにも言っておく。今日からうちらはあんたらの下に付くよ。


    亜柚香:ちょっとちょっと!!
    上も下もないから!!うちらには。


    茉椰:そうですよ!
    上も下も関係なく、自分達のいる場所を真ん中に!
    これがうちらの目指すとこなので(笑)


    亜柚香:それに… ライバルって必要だと思います。
    ライバルがいるから今の自分がいる。
    私とは年も近いですしね!

    まぁ、一応皆同じ年の設定ですけど(笑)

    茉椰:だから!!設定とか言わない!!まったく…



    亜柚香&茉椰
    vs
    三色団子


    三色団子 戦意喪失により
    亜柚香&茉椰の勝利(たぶん)




    …………


  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    …………


    一方、場面は中等部食堂
    「第1コメダ食堂」

    注文したメニューを全て食べ尽くし
    お腹を満たした嶺奈の姿…


    嶺奈:お腹が満たされたよ!ヒューヒュー!!


    ……そう口にすると、

    少しずつ雰囲気が変わってゆく…
    黒目が少し赤みがかり、口調にも変化が…


    嶺奈:さぁ、狩るか(笑)


    …そう言って席を立つ嶺奈
    目の前の席に一人の人物の姿が


    「何だか、さっきまでとはまるで人が変わったかのようですね…」


    そう口にしたのは…

    中等部3年…


    和田愛菜…



    嶺奈:どこかで見た気がする… あんたのこと。


    愛菜:(席を立ちながら答える)和田愛菜です。
    初めましてですが… うちのとは違う制服?
    ということは転校生ですかね?


    嶺奈:思い出した。チョコのヤツが言っていたひとりかな?

    これは運がいい!
    早速狩らせてもらおうかな。


    ……戸惑いながら愛菜が応える

    愛菜:私には、あなたと戦う理由がまったく無いのですが。


    嶺奈:理由なんて後から付ければいいさ(笑)

    愛菜:無意味な争いは、憎しみを生むだけです。
    そして、憎しみが憎しみを生み、悲しみが連鎖する。


    嶺奈:ごたごたうるさいよ。私はね… 真ん中を目指してここに来たんだ。
    相反する想いなら、私のマジを認めさせるだけ。


    ……すると二人のやりとりを見て
    食堂支配人が割って入る


    支配人:スイマセン、ここで争い事はちょっと…

    嶺奈:黙れヒゲ! 神の言葉を借りるなら…

    誰でもいい気分なんだ… 別にお前でもな。


    支配人:争いをするな とは言わない。
    ただ、ここ食堂では…

    嶺奈:とにかく黙れよ!!


    ……そう言うと支配人の腕と体を掴み
    一瞬の内に投げ飛ばす嶺奈

    嶺奈:お前はただ周りが納得する仕事をきちんやってくれれば、それでいいから!!


    …そのやりとりを見ていた愛菜
    ため息まじりで語りかける


    愛菜:他人の過ちを見てはいけない。
    ただし、自身の過ちは見て見ぬふりをしない。
    それが 私の マジ かもしれません。

    あなたが真ん中に向かうなら、そっと手を取り、共に歩もう。
    しかし、今ここであなたの中にあるその闇を見過ごし… 放っておくことは私の過ちになるでしょう。

    それだけは出来ません。

    止めさせてもらいます!


    嶺奈:そうこなくっちゃ(笑)


    嶺奈vs愛菜…


    嶺奈:あんたも相当な強さらしいね!わくわくするよ(笑)


    愛菜:強さとは… 力でねじ伏せることではなく、正しい道へ導くこと。
    負けてしまうこともある。ただ、その覚悟がなければ導けない。


    嶺奈:敗北は恐くない。神の言葉を借りるなら…

    恐いのは、真ん中への想いがいずれ風化してしまわないかということだ!


    愛菜:覚悟の量が力を上げる。しかし、それは高いリスクをともなう。ということですね。


    嶺奈:えっ!?


    愛菜:でもその前に… 確認したいのですが…

    あんなに食べた直後に激しい動きは、
    大丈夫なんですか?? 体によくはない。


    嶺奈:…………


    愛菜:食堂に入る所からずっと見ていましたが、あなたが食べた量も異常ですし。

    明らかにあなたの体積より食べた量の方が多い。


    嶺奈:えっ!!?え~~ッ!!?


    (……深紅の瞳が少しずつ黒みを帯びてくる嶺奈)


    愛菜:どうかしましたか??

    嶺奈:え… え~と…(何かを思い出そうとしている)

    愛菜:ん?何がでしょう?

    嶺奈:名前…

    愛菜:名前? 和田愛菜です。

    嶺奈:そう!!!
    まさかあなたもなんですね!!!


    愛菜:何がでしょうか??


    嶺奈:えっ!!まさか!!自然とそれらのセリフを!!!!

    愛菜:何の話かまったく見えてきませんが。

    嶺奈:ナチュラルボーンで同じ発想とか!!


    ……よく分からない喜びで
    戦意が薄らいでゆく嶺奈


    嶺奈:わたしは、えっと… (何かを思い出そうとしている)

    愛菜:……和田愛菜です。

    嶺奈:そうそう! 和田様に付いていきます!!!


    愛菜:えっ??なぜ??


    (……戸惑いを隠せない愛菜)


    愛菜:わたしは… 別に今すぐには、真ん中へ向かおうとはしていませんよ。

    でも、理由はわかりませんが、争うことなく共に歩むことを受け入れてもらえたのなら、これ以上の幸せはないでしょう。

    むしろ、あなたが進む道の先が真ん中へ繋がることを祈ります。


    …何故か終始笑顔の嶺奈


    愛菜:でも、ひとつだけお願いします。

    嶺奈:何ですか?

    愛菜:先程の無益な争いを生むあなたの中にある闇の力は、冥府に繋いで置かねばならないようなモノです。

    もし万が一解き放つなら、自身の為ではなく仲間の為であってください。


    嶺奈:和田様~~!!!(そう言うと愛菜に抱きつく嶺奈)


    愛菜:ウゲッ…


    嶺奈vs愛菜…

    戦わずして終了



    ……


    一方、校舎屋上
    互いに傷だらけのふたりの姿…


    琴望vs“雷神”愛佳…



    琴望:この学園に来たからには、こっちゃんには…


    負けてはいけない運命[さだめ]があるんです。


  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    ……………


    出羅馬路女学園中等部


    時は数分遡り

    校舎屋上…

    そこに転校生のひとり
    こっちゃんこと…

    白井琴望の姿…


    そして、もうひとり

    出羅馬路女学園中等部
    真ん中に最も近い人物


    杉山愛佳…


    愛佳:あんたが白井琴望?
    その名は噂に聞いていたよ…


    琴望:ありがとうございます。


    愛佳:どこかの学園に… 私と同じ…
    光の当たりにくい学園の端で、光を求めながら
    その名を轟かせている存在

    白井琴望… あんただったんだね。

    “風神”の異名を持つ奴は。


    琴望:そんな風に呼ばれてるって噂は聞いたことあります。ありがたいことに。


    愛佳:でも、どうやら検討が違いだね。残念だ…。

    琴望:そうですか… 何だかごめんなさい。


    愛佳:集団で群れて… 馴れ合いなんかじゃ光が霞むだけ!
    そんなんじゃここの真ん中は獲れないよ!!


    琴望:こっちゃんだって自分の光を見失ったらおしまいだと思いますよ。

    でも… 手をとりあう仲間がいて、初めて真ん中が生まれると思うんです。
    仲間と一緒にいることで光が増してこそ、本当の神だと思いませんか?


    愛佳:………


    琴望:光を求めるよりも、その光を分け与える存在こそ神だと思いますし(笑)


    愛佳:真ん中に立つ神は二人もいらない!


    琴望:思うんです… 一方から見たら端っこでも、
    見る角度や場所で真ん中なんて変わるって。

    誰かも言っていました。瞳のな…


    愛佳:うるさい!!


    琴望:それに… 光のあたる場所に立つことよりも、与えられた場所を自分の色に輝かせた方が格好いいと思いませんか?

    たくさんの仲間に支えられ、己の立つ場所を真ん中に変えてこそ、

    この地の真の中心だと思います!!

    端に見えても、そこがこの世の中心だ!
    って思ったもん勝ちなとこもあると思いますし(笑)


    愛佳:根本的な考えが違うみたいだね。

    私は光の届かない場所でくすぶっていたくない!!
    私は自分の力で光の届く場所へ向かう!
    この学園の絶対的な存在 珠理奈さんのようにね!


    琴望:相反する想いなら、認めてもらうのがこっちゃんたちのマジ。

    愛佳:どっちが神に相応しいか…

    決めようじゃないか。


    琴望vs愛佳…





    …………


    一方、とある教室…
    ひとり、チョコレートパーティを開く
    まっち(町:中等部3年)の姿…


    まっち:やっぱりチョコパは最高!!
    おかげで毎日が楽しいよ。
    毎日幸せな気持ちにしてくれて、チョコさんありがと!!私は一生チョコの奴隷です。

    (机の写真を見て、チョコを食べ喋り続ける…)

    それにしても… 何でこの学園は学期の途中ばかりに転校生がくるんだろ??

    あの転校生たちは大丈夫かな??
    話の途中で出て行っちゃったけど、ちゃんと目的の相手に会えたかな…?

    あっ!そう言えば名前聞き忘れちゃった!うっかり。

    そして、チョコもなくなっちゃった。ショック。

    よし、1コメダ(=中等部の食堂)行ってチョコ補充しよ!!


    ……そう言うと空になったバックを持って
    教室を出て行くまっちだった



    …………


    一方、屋上

    琴望vs愛佳…

    ほぼ互角の戦い
    均衡した実力に
    互いに傷と疲労が増していく


    愛佳:訂正するよ。どうやら本物みたいだ、風神の異名は。
    それでも真ん中に立つことだけは譲れない!!


    琴望:こっちゃんだって… こっちゃんにだって…
    譲れないモノがある!!

    この学園に来たからには、負けられない運命[さだめ]が、こっちゃんにはあるんです。


    愛佳:さだめ?


    琴望:この学園の絶対的な存在「珠理奈さん」の名前は、転校生のこっちゃんでも知っている。この学園の王!
    ただ… この中等部には、もうひとり伝説の存在。もうひとりの「王」がいたんですよ。

    愛佳:もうひとり??


    琴望:珠理奈さんが 明るく光る“太陽” なら… もうひとりの王は“月”

    太陽の側に立ち、月のような優しい光で全ての闇を拭い去り、周りを温かく包み込みながら正しい道へ導いてくれる存在。


    愛佳:そういう人が居たことと今のあんたと何の関係がある!?



    琴望:その人は、いつも珠理奈さんの隣にいた。つまりは真ん中ではないんです、その人は。決して。


    愛佳:それがどうしたって言うんだい!?


    琴望:心に刻むべきは… その存在が今はもうこの学園に居ないということ。

    愛佳:だからあんたは真ん中じゃなく珠理奈さんの横を目指すってことかい??


    琴望:少し違います。

    その人の本当の凄さは、珠理奈さんの隣に居ながら自身の光を誰よりも放ち続けたということ。


    その存在 “月” を亡くした今…

    こっちゃんがこの学園の新しい「王」になる!!


    決して譲れない運命[さだめ]。

    立つ場所は関係ない!
    その運命が、こっちゃんが何処に居ても輝かしてくれるから!!

    その運命の為にも想いを曲げることだけは
    絶対に出来ない!!


    愛佳:光が当たる場所を目指して何が悪い!!


    琴望:悪くないですよ。きっと。




    ……再度交じり合う拳
    …実力はほぼ互角
    ……傷と疲労が増し
    …戦いは終局へ


    最後まで立っていた者は…


    いなかった…



    共に傷つき倒れたままのふたり


    しかし、先に立ち上がったのは…



    こっちゃん こと…
    転校生の白井琴望…




    倒れたまま愛佳が口を開く…


    愛佳:私の負けみたいだね… やっぱり私の考えは間違っていたのかな?


    琴望:勝った方が正しくて、負けた方が間違いとか… そんなことではないはずです!この学園も。

    それに… こっちゃんも考えを押し付けたりはしないです! ただ認めてもらいたいだけ、こんな想いもあるってことを。

    愛理ちゃんがよく言っていた言葉が、いつからか5人の合言葉になっていたんです。

    「誰よりも自由に!」


    だから、杉山さんも自由な想いで生きて下さい。
    互いの自由の先に、またぶつかることがあるならその時は、今度こと決着をつけましょ!

    だから今回は引き分けってことで。


    愛佳:真ん中へのライバルに成れそうだね…。
    これからも退屈しなくて済みそうだ(笑)

    琴望:いつか杉山さんが真ん中に立つ時…
    その時はこっちゃんが隣に立って杉山さんより輝いてみせますよ!



    琴望vs愛佳…

    勝負は次回に
    持ち越しってことで…



    琴望:どうやら中庭も騒がしくなってきてますね。
    一緒に行きますか? 仲間に紹介しますよ!

    愛佳:うぅん。今はもう少し風の余韻に浸
    ってるよ。今日の風は何だか心地いい。


    琴望:風(笑) ありがとうございます。
    わたしもかなり刺激をビリビリっと頂きました。


    愛佳:(笑)


    琴望:じゃあ、行きますね。

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.



    一方、中庭にて…

    三色団子との戦いを終えた
    亜柚香と茉椰のふたり


    亜柚香:菅原… どうする??

    茉椰:とりあえず… 一色を探そうか。


    亜柚香:でも、満腹になった一色は危ないし。

    茉椰:確かに。絶対時間だと見境なかいからね。




    すると突然背後から聞き慣れた声が…


    「あそこのでこぼこコンビです!!!」


    そこには嶺奈の姿…


    嶺奈:和田様… あの子リスっぽいのが上村です。
    で、あの東北出身が菅原です!!


    …愛菜の腕に引っ付きながらの登場


    愛菜:ゴメン。さすがに見ただけで東北出身かまではわからないです。


    亜柚香:一色!!どうしたの??その人は確か…

    茉椰:和田愛菜…?


    嶺奈:おい!菅原!!呼び捨てすんなよ!!和田様だから!!

    茉椰:ゴメン。でも何なのこの急接近は??
    しかも… 瞳が赤いままなのに。


    愛菜:はじめまして。和田愛菜です。

    亜柚香:はじめまして。上村亜柚香です。
    あーちゃんって呼んで下さい!!


    ゆうかたん:愛菜にこんなになつく子いたんだね。

    なるぴー:確かに。


    愛菜:三色団子のお三方も居たのですね。
    ほののは… 寝てるいるのですか?

    ゆうかたん:寝ねぇよ!さすがにこんなところでわ。

    嶺奈:おい!言葉遣い気を付けろ!

    愛菜:一色ちゃん、あなたこそ言葉遣いを気を付けないと。ダメですよ。


    嶺奈:ごめんなさい。和田様…(へこむ嶺奈)


    するとまた聞き慣れた声が…

    「あれ~!!皆、こんなところに集まって!!
    何だか凄く楽しそう!!」


    声の主は、まっち…


    まっち:あれ? 三色団子に愛菜ちゃんも。
    気付いたらすっかり皆仲良しに!
    これで毎日がより楽しくなりそうだね!!


    嶺奈:あっ、チョコの人!!

    愛菜:町音葉ちゃんだよ(笑)


    亜柚香:あとは… こっちゃんと愛理ちゃん


    ゆうかたん:こっちゃん??
    こっちゃんって… あの??


    亜柚香:どの??
    こっちゃんは、こっちゃんだよ。
    白井琴望ちゃん。


    なるぴー:本当に!? 風神があんた達の仲間!?


    茉椰:風神?? こっちゃんが??



    「呼んだ!?」


    そう言って現れたのは

    こっちゃんこと

    “風神” 白井琴望…



    琴望:何だかにぎやかだね。
    屋上まで声が聞こえてたよ(笑)


    茉椰:こっちゃんって風の神なの?

    琴望:何だかそうみたい(笑)


    亜柚香:屋上で何してたの??


    琴望:杉山さんと…


    まっち&三色団子:えっ!!


    ゆうかたん:一人でここに来たってことは、
    あいあいを倒したってこと!?


    なるぴー:本当に!?


    琴望:今は確かに横になっているけど…


    まっち:マジ!?


    琴望:倒してないないよ。勝負は次回持ち越し。
    でも、多分わかり合えたとは思う。


    嶺奈:あとは… 愛理ちゃんだね。


    愛菜:愛理ちゃんってのは… もしかしてショートカットの子??

    亜柚香:そうだよ!


    愛菜:だったら見掛けましたよ。
    食堂に入る前、皆さんと同じ格好をした赤い子が一人校庭に向かうのを。


    亜柚香:それだ!!じゃあ、行ってみよう!!!


    ……そう言うと校庭へ向かう亜柚香と琴望
    …あとを追う嶺奈、愛菜、まっちの3人



    茉椰:ちょっとちょっと!!勝手に行かない!!

    (三色団子の方を向いて) 2人はどうします??


    なるぴー:まだほののが寝てるし…。

    ゆうかたん:目を覚ますまでここで待つよ。

    茉椰:分かりま…


    亜柚香:菅原!遅いぞ!!はやく!!


    茉椰:これだから小さい子は… あっ、3人のことじゃないですからね!


    なるぴー&ゆうかたん:わかってる(笑)


    …あとを追いかける茉椰




    …………


    校庭…

    遠くに見える人影

    それに気づく亜柚香…


    亜柚香:あれ… 愛理ちゃんじゃないかな?

    琴望:多分そうだけど… 誰かと一緒に… いる?


    愛理の向こう側に
    見慣れない大きな人影…

    少しずつ近づいて…
    更にその大きさに気づいて行く


    すると、まっちが口を開く…



    まっち:あ… あれは…。


    …すると突然倒れる愛理の姿


    「えっ!?」

    転校生4人が揃って声を発し、

    急いで愛理の元へ駆け寄る…
    ゆっくりと近づくまっちと愛菜…


    亜柚香:愛理ちゃん!!

    琴望:愛理ちゃん、大丈夫!?


    その傍らには
    中等部の制服を着た
    見慣れぬ姿…


    茉椰:誰ですか? この人は。



    まっち:彼女こそが…

    今、この中等部に
    真ん中が不在になっている


    最大の理由です。




    つづく…




    #さーて 次回の
    #マジすか学園 は?
    #まっちこと
    #町音葉 です!
    #次回は一気に
    #クライマックス へ!
    #あのメンバー
    #あのメンバー までも
    #多数登場
    #中等部
    #真ん中不在の理由とは
    #絡み合う
    #人間関係
    #そして
    #SKEメンバー たち!
    #人の数だけ
    #マジがある
    #こうご期待!

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    マジすか学園0.7~尾張新風篇~
    外伝 其の弐「ここがでら女だ、ここで跳べ!」

    最終話:手をつなぎながら川を跳べ!


    ………


    6月の…

    26日


    出羅馬路女学園…

    “高等部”


    とある2年教室に響く声


    マリモッチェ(小石:高等部2年)と

    キョウゲツ 改め シンカイ(谷:高等部2年)


    モッチェ:シンちゃん… 豆乳効果はどう??

    キョウゲツ:バッチリだよ!その内雑誌のグラビア表紙も夢じゃないよ!!見る??ねぇ見る?


    …その時現れる
    ひとりの人物


    ジョウ(高寺:高等部2年)



    ジョウ:おい、マリモ。

    シンカイ:マリモて(笑)


    モッチェ:どうしたん? そんな恐い顔して。


    ジョウ:大変なことになった。


    …首を傾げるふたり

    モッチェ:なんかあったん?


    ジョウ:面倒なのが……
    中等部に転校してきたらしい。

    モッチェ:(少し考え込む…そして)
    えっ!?まさか!


    …黙ってうなづくジョウ


    ジョウ:しかも… 前の学校の制服を着たまま
    中等部の真ん中に近づいてる。

    モッチェ:それって… かなりヤバない!?


    シンカイ:ジョウちゃんも知ってたんだね… 転校生の話。
    私もその転校生が前にいた中学の時の話は聞いたことがある。

    何て言うか、恐れ知らずで… 男勝り…
    いや、もはや男!って言うか 漢[おとこ ]!笑


    ジョウ:いや、後半よくわからんけど。
    もう広まってるん? 転校生のこと。

    シンカイ:広まってはいないんじゃないかな。
    ただ、例の1年たちは勿論知ってるはず。


    ジョウ:そうか… それならまだ大丈夫。
    とりあえず、私たちで止めにいく。
    マリモは… あの二人を呼んでこい!

    わたしは… てかその前に!

    (ゆっくり教室入口の方を向くジョウ)


    おい!TO!そこに居るんだろ??


    …扉の陰から現れる一人の人物


    TO(福士:高等部2年)
    出羅馬路女学園高等部
    最強の情報通


    ジョウ:相変わらず情報収集ばかりしやがって。
    まさか知ってて黙ってたとかはないよな!?

    TO:知らないよ。さすがに珠理奈さんのいない中等部にまでは、手を伸ばしていなかったんで。


    ジョウ:とりあえず、お前は慈子を探してこい。
    わたしは…

    会いたくはないけど、あの人に会いに行ってくる…。


    シンカイ:で、わたしは??

    (…立ち去ろうとする3人)

    ちょっとぉ~~
    無視しないでくださいよ~~!!!



    ………

    高等部の
    とある3年教室…


    鍋… ではなく
    机に乗せたおにぎりを囲む集団…


    わんこ(犬塚:高等部3年):
    何か… この子、あの日以来ずっと例の1年の写真眺めてるよね?
    ねぇ、そう思わない? ショパンも。


    ショパン(高木:高等部3年)
    ヘッドフォンをしながらパソコンをいじってる模様…


    わんこ:ねぇ、ショパン… 聞いてる??


    ショパン:(ヘッドフォンを外して)えっ?何??


    そのやりとりを笑いながら見ている
    ふたりの人物…


    アルパカ(荒井:高等部2年):
    聞いてへんかったみたいですね(笑)


    イルカ(高塚:高等部2年):うん。


    わんこ:ちょっと、あんたもさリーダーなんだかちゃんとしてよ!

    ……そう言いながら鞄から
    また大量のおにぎりを取り出すわんこ



    「ごめんごめん」


    そう応えたのは…

    このチーム…

    “チームゆかりおにぎり”

    リーダー


    ゆかり(山下:高等部3年)


    三器神兼任…


    ゆかり:だってさ…あんな可愛い子に
    「私はゆかりちゃんが好きです」だなんて!!
    幸せすぎるでしょ!

    わんこ:わかったわかった。とりあえず(おにぎりわ手渡す)ほら、食べな。


    ゆかり:えっ… (マジ? と内心)


    わんこ:何?? ほら、あんたたちも(アルパカとイルカにもおにぎりを渡す)

    アルパカ:これ、わんさんが直接握ったんですか?? だったら… ちょっと… ねっ(イルカに同意を求める)


    イルカ:えっ… わたしは…

    わんこ:ちゃんとラップ使ったから!
    ほら、あの… 四天王のジークから貰った奴で。
    何か大量に貰ったらしいからあの子。


    アルパカ:じゃあ!!いただきまぁ~~す!!!

    わんこ:ショパンも食べる?


    ショパン:…………… えっ!?何!?


    わんこ:ヘッドフォン外して!!作曲に没頭しない!!
    ゆかりも!!写真に見とれない!!まったく…。


    …すると突然開く教室の扉

    現れたのはマリモッチェ…


    ゆかり:おっ!久しぶりだね。どうしたそんな真面目な顔して。
    ほれ!わんこが握ったおにぎり。食べるか??

    モッチェ:そんな手汗まみれなおにぎりはちょっと…

    アルパカ:ホンマそれ!!


    わんこ:いや、まみれてないから!!!失礼ね。
    てか(アルパカを指して)あんた既に食べてるし!!


    ゆかり:そうだよ。わんこのおにぎりは最高だよ。ショパンも何か言ってやってよ!!


    ショパン:わたしは… パソコンいじりながら片手で食べれりゃ何でもいい。別にパンでも。

    ゆかり:パンはダメだ!!!!皆に好かれてるあの野郎… メガミの顔がちらつく。


    アルパカ:私もおにぎりよりマカロンがいい!!
    でも、ユッケと塩辛の方がもっといい!!


    ゆかり:黙れ!小僧!!

    アルパカ:子象よりアルパカが…


    イルカ:わたしは…… (おにぎりより赤から。チーム赤からに入りたい… てか、あかりさんが好き。と内心)

    モッチェ:アルパカ!そんな話、今はどうでもいいんよ。イルカも。
    中等部が大変なことになってる!あいつらが…転校してきたらしい。しかもうちの制服を着たまま。


    アルパカ:ホンマ?? やばすぎ!!

    モッチェ:うちらが止めなかんでしょ!?


    アルパカ:ホンマそれ!!


    イルカ:うん。


    モッチェ:とりあえず、この二人借ります。


    わんこ:よく分かんないけど気をつけて、無事に帰ってきなよ。
    ほら二人も何か言っ…(ゆかりを見て)そこ!写真みない!!そっちもヘッドフォン外す!!


    …………


    一方… 高等部…

    校庭の楡の木陰…

    マルK(=サークルK)のチョコを頬張り
    唇が動いている~♪

    超絶可愛い!慈子!!(松本:高等部2年)


    そこに現れるTO…


    TO:ちょっと話がある。

    慈子:おっ!久しぶり!!KB[ケービー]!!


    TO:誰がKB! コヤ ブだよ!!!


    慈子:怒るなよ KB! チョコ食べる!?

    TO:貰うけど… 今ひとり?綾巴さんは?


    慈子:今は… ダンガンさんとやりあってる頃かな?

    TO:マジ!!?


    慈子:でっ? 話って… 綾巴さんのこと?
    それとも… 中等部の転校生の話?

    TO:知ってるんかいッ!!!


    慈子:知ってる。情報遅いぞ!


    TO:………


    慈子:まさかへこんでる??元気出せよ!!
    まぁ、いっか。じゃあ、行こ!
    皆で集まるんでしょ?


    TO:それも…?

    慈子:うん、知ってる。さぁ、行こ行こ!!




    …………




    場所は変わり…
    また別のとある3年の教室

    今度こそ 赤から鍋を囲む

    チーム赤からメンバー

    あかり(須田:3年)、ストップ(矢方:3年)
    ツナ(松村:3年)、ソーダ(惣田:3年)

    そして、ダブル(日高:2年)

    の5人


    ダブル:嵐の予感が的中しましたよ!

    ストップ:おっ、何が起きた!?


    ダブル:ダンガンさんと綾巴、そしてチュリさんとララがやりあうとのことです!

    ツナ:いよいよか… 起こるかね? 変革が。


    ……すると突然開く教室の扉
    現れたのは…


    ジョウ(高寺)


    ツナ:おっ、噂をすれば… ダンガンのところのジョウじゃん!

    ジョウ:話があって来ました。

    あかり:恐い顔して… やっぱりあれかい??
    ダンガンが…


    ジョウ:サリーさん…


    ストップ:サリーさん??

    ツナ:サリーって誰?


    ダブル:サリーって、あの魔法つか??
    あっ!(何かに気付くダブル)


    あかり:サリー?? サリーちゃんって…
    魔法使い!!!ハロウィンナイトか!!!?
    ジョウ!!てめぇ!!


    ジョウ:すいません。ちょっと黙っててもらっていいっすか?


    ……素直に静かになるあかり


    ジョウ:サリーさん…


    ソーダ:…………


    ストップ:サリーさん… って…
    ソーダちゃんのこと??

    あかり:やっぱりお前のせいだったのか!!ソーダ!!!


    ツナ:(あかりを遮り)ちょっと黙ろうか。


    ジョウ:いつか話したと思います。サリーさんがうちの中学を卒業した翌年に入ってきた、新入生5人の話を。
    奴らが、ここの中等部に転校してきました。

    しかも、うちの中学の制服を着たまま今や中等部の中心に…

    奴らは、わかってないんです。その制服の意味を!

    うちらが分からせないと!
    サリーさん… お願いします。一緒にやつらを止めに。


    (しばらく黙ったまま考え込むソーダ。そして)


    ソーダ:わかった。

    ……そう言うと少し目付きが変わり
    席を立つソーダ


    ジョウ:ありがとうございます!

    ソーダ:(赤からメンバーの方を向いて)ちょっと行ってきます。


    ストップ:何だかよく話が見えてこないけど、行ってきな!!


    …………そして教室を出ていく
    ソーダとジョウ


    ツナ:うちの中等部に転校って、相当やんちゃな奴らが来たっぽいね。
    てか、ソーダとジョウが同じ中学だったとはね。初耳。

    ダブル:それにしても“サリー”って名前どこかで聞いた事があったような…
    あっ、勿論魔法使いじゃなくて…

    ツナ:おい!バカ!!


    …あかりに視線を送る3人


    あかり:…………(黙ってうつ向いている)


    ストップ:あれ??どうしたあかり??


    あかり:皆揃って「黙れ」って言うし。
    あかりそんなに台詞もらってないし…

    ストップ:普段話が長いから… 仕方ないさ。今回は(笑)


  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.


    ………


    時は2週間程さかのぼり

    6月の

    12日…


    出羅馬路女学園

    “中等部”


    校庭…


    姿を見つけるとすぐ、
    その場で倒れた愛理のもとへ、
    駆け寄る転校生の
    亜柚香、琴望、嶺奈そして茉椰の4人

    それに続くまっち(町)と愛菜


    そして… 愛理の傍らに立つ
    大きなの女生徒の姿…



    まっち:やっぱり…

    彼女こそが…

    今、この中等部に
    真ん中が不在になっている

    最大の理由。


    ……その言葉を最後まで聞くまでもなく
    その女生徒に跳び掛かる転校生4人…


    亜柚香:ふざけんな!!

    琴望:愛理ちゃんをこんなめに!!

    茉椰:菅原は… 菅原は、あなたを蹴散らします!!

    嶺奈:死を以て償え!!


    ………そう言いながら跳び掛かる

    も、一瞬にした返り討ちにあう4人


    亜柚香:何だよこいつ… 強い…


    まっち:彼女は…

    2年の2月に博多からこの中等部へ転校してきた、


    田中菜津美(中等部3年)。

    この中等部 最強の人物。



    琴望:だからって… 負けは許されないんです!!!

    茉椰:菅原も… 菅原もそう思います。

    嶺奈:排除する!!


    …そういって立ち上がり再び跳び掛かる
    も、一瞬の内に返り討ちに


    黙って転校生を見つめ、
    ……そして、
    向きを変えゆっくりと歩き出した


    亜柚香:待… て…。

    まっち:無理だよ。そんな体じゃ。


    ……そして4人も倒れる



    ……………



    翌日
    6月の

    13日…

    出羅馬路女学園中等部

    とある教室

    傷が残る転校生5人と
    まっちの姿…


    まっち:(写真を見せながら)彼女は、
    田中菜津美。男勝りの強さをから

    “なつみかん”

    と呼ばれてます。


    現・中等部で最強の人物。

    ただ、タチが悪いのは… その最強の彼女が、
    ここ出羅馬路女学園の真ん中に全く興味がないということ。

    それが、今この中等部に“真ん中”が不在なワケなんだ。


    ……それを聞いたか聞かないか分からないが
    席を立つ愛理


    亜柚香:愛理ちゃん…?

    琴望:どうしたの??


    愛理:負けっぱなしじゃいられない!


    ……そう言うと一人で教室を出ていく


    茉椰:ちょっと…。


    嶺奈:…………(黙ってチョコを食べてる模様)


    まっち:いいの?一人で行かせて?


    亜柚香:う~ん…


    まっち:昨日と同じじゃまた負ける。


    亜柚香:うん。そうだね。行こっか私たちも。

    琴望:うん。行こう。

    茉椰:え~ 本当に??

    亜柚香:うるさい!菅原!!行くよ!

    茉椰:一色は??


    嶺奈:……えっ!?(チョコを食べて話を半分聞いてなかった模様)

    亜柚香:チョコ食べない!!一色も行くよ!


    嶺奈:了解です。あっ、でもまっちさん!チョコ残しておいて下さいね。

    まっち:う… うん。わかった。



    …………


    中庭…

    対峙する愛理となつみかん


    なつみかん:昨日の…。また何の用だい?


    愛理:私は… ここの真ん中になりにきた!


    ……そう言うと跳び掛かる愛理

    が、かわして一蹴する。


    …少し時を遅れて
    駆け寄ってくる転校生4人


    亜柚香:愛理ちゃん大丈夫?


    なつみかん:…………(黙って5人を睨み付ける)


    愛理:まだ… ま だ…


    …再度跳び掛かるも一蹴

    ……黙って立ち去るなつみかん
    …5人は見送るだけで動けなかった



    …………


    その日から…
    繰り返しなつみなんの戦いを挑む
    愛理 そして転校生


    それでも返り討ちにあい
    惨敗を続け



    6月の

    24日…


    中等部 中庭…

    いつものように
    なつみかんに歯が立たず
    膝をついて動けない転校生5人…


    なつみかん:毎日毎日… 飽きずに。
    熱意だけなら“真ん中に立つ”に値する。

    でもね…

    あんたらも転校生だろ…?

    そして、ここ来た意味は…
    真ん中になること。

    だったら… 必要なのは私を越えることじゃないだろ。もっと大切なモノがあるはず


    ……そう言うとまた
    ゆっくりと去っていった



    …………


    夕暮れ時の校庭
    校門に向かって歩く5人の姿…


    茉椰:明日も勿論… 挑む よね?

    琴望:勿の論!

    愛理:当たり前。

    茉椰:わかった。


    亜柚香:でもさ… 私たち大切なモノを見失ってるのかな?

    嶺奈:誰よりも自由に!!ででん!


    亜柚香:そう、それか!
    少しひとりの存在に捕らわれ過ぎて周りが見えていなかったのかもしれないね。

    琴望:じゃあ、どうするの?


    亜柚香:う~ん。今まで通りの考えを変えるとか。

    茉椰:諦めちゃうの?

    愛理:それは出来ない!!

    亜柚香:出来ない。でもさ…

    嶺奈:仲間も増えたよ!私たちはもう5人じゃないよ。ヒューヒュー!!
    背負ってるのは… うちら5人の願いだけじゃないんじゃないさ!!どや!!


    (………少し静まる空気)


    嶺奈:ん?どうしたの??


    愛理:一色って… たまに核心つくね。

    琴望:確かに。

    亜柚香:そうだね… この壁を越えなきゃならないのは、もう私たちだけの願いじゃないのかもしれない。

    茉椰:皆と手をつなぎ越えたい!!
    菅原は… 菅原はそう思う。

    琴望:ちょっと胸をツンツンしていたものが取れた気がするね。


    嶺奈:ねぇ、観覧車のある建物知ってる?

    琴望:栄の??

    嶺奈:あそこに売ってる炒飯が美味しいらしいよ!!!しかも胸の痛みにいいとか!!
    ツンツンがもっと取れるかも!!食べて帰ろ!!ヒューヒュー!!


    (……再び静まる空気)


    愛理:……さっきの言葉訂正する。



    …そんなやりとりをしながら
    中等部の門を出て帰路に向かう5人


    それを遠くから見つめる姿…



    「何であいつらが、うちの中等部から?」


    そこには偶然居合わせた

    ジョウ(高寺:高等部2年)の姿が…

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.


    …………


    翌日

    6月の

    25日…


    教室にて集まる転校生5人…
    そして、まっち、愛佳と愛菜の姿…



    まっち:なつみかん… あの人は本当に強いんです。

    転校してきた当時から、個人の強さだけならこの春 唯一高等部へ進学したララとアズナのふたりよりも上だったかもしれない。


    愛佳:転校してくる前の中学でも “ボス” と呼ばれていた噂もある。


    愛菜:ただ、あの方がこの学園にやって来た理由… それもわからないんです。


    愛理:このままじゃ… あの人を越えないと…。


    愛佳:それは分かるけど… でも、その前にさ…

    その(他校の)制服どうにかならないの!?
    あんた達はもうこの学園の中心なんだから!


    愛菜:そうですね。この学園を背負う覚悟は必要かもしれません。

    愛佳:とりあえず5つ用意したから!!
    これ着て。

    ……


    着替えて登場する5人…


    まっち:やっぱ似合うね!!うちの制服。
    何だかこれで本当に仲間になれた気がする。
    明日からも毎日が楽しそう!!


    愛理:うん。じゃあ、行ってくる!!

    まっち:えっ!?早速?? 相変わらず自由だね(笑)


    愛理:誰よりも自由に!

    亜柚香:それがうちらのモットーなので。


    嶺奈:じゃあ、私も自由にもう少しここでチョコを…

    琴望:ダメ!一色も行くよ!!

    茉椰:5人で1つ。菅原は… 菅原はそう思うよ。
    一色も行こ!!


    嶺奈:はい。

    愛佳:行ってきな! うちらの代表としてね。

    愛理:任せろ!!


    …そして、
    5人は教室を出ていった


    ………


    校庭にて…


    再びなつみかんに挑む
    転校生5人…


    なつみかん:この学園を背負う覚悟…
    少し出てきたみたいだね。

    愛理:必ずあなたを倒し、跳び越える!!
    絶対的な存在になるために!!


    なつみかん:…………でも、まだ分かってないみたいだ。
    私以上の強さを得たところで、ここの“真ん中”には近づけない。

    ただ…

    どんなことでもあきらめなけりゃ、
    いつかはいいことあるさ。きっとね。

    でも、まだまだ足りない。


    …そう言って戦わず
    立ち去ろうとするなつみかん


    愛理:ちょっと!待って!!

    ……そういうとなつみかんの肩に手をかける

    その手を払いのけ
    なつみかんが愛理を殴り飛ばす

    そう言って立ち去る姿を
    5人はまた見つめるしか出来なかった…




    …………



    下校途中の5人…
    その背後からどこかで聞いた声


    「あれ? あんた達… 久しぶりだね」


    江御佐女学院
    期待の若手

    コナン(熊崎:えご女2年)



    茉椰:勿論明日も…

    愛理:当たり前!!


    ……コナンに気付かない5人


    そこに聞こえるもうひとつの声…



    「相変わらず影薄いね(笑)」


    コナンの横に立つ人物


    江御佐女学院
    二枚看板の一人


    タンラン(宮澤:えご女3年)


    ……声に気付き振り返る5人


    コナン:よく見たら、制服も変えたんだね。


    愛理:えっ? ちょっと何 言ってるか…。


    (……お互い様。と思う周りの人々)


    タンラン:コナン… こいつらか?
    前に話してた、あんたの右手をやった奴らってのは。


    コナン:はい、そうです。

    タンラン:ここの“真ん中”になりに来たって聞いたけど。


    亜柚香:そうです。

    タンラン:(5人の表情を見て)その顔は、どうやら壁にぶつかってるみたいだね。
    でも、その前にここには珠理奈が居るだろ。絶対的な存在が。


    琴望:はい、知ってます。


    タンラン:それでも真ん中に??

    茉椰:……なる。つもりです。


    愛理:つもりじゃない!!なる!!


    タンラン:おっ、イイね。名前は?

    愛理:愛理… 愛と理由の理で愛理です。


    タンラン:おっ、いい名前だね。

    で、その愛知の里の王様と書く愛理ちゃんは…

    この地でどんな王様になりたいのかな??


    愛理:え~っと…


    タンラン:(少し微笑みながら)たぶん見えてたはずだよ。壁にぶち当たる前はね。
    越えることじゃなかっただろ? きっと(笑)

    “強い人” ってのは、きっと今いる場所… 与えられた場所を楽しめる人のことだ。

    そして、真ん中ってのは“信頼”から生まれる。
    でも信頼の形はひとつじゃないだろ??

    何の為にここに来たのか。選ばれたから?
    きっと違うはず。決断したのも自分だろ?

    だったら自分らしく!成りたいようにならないと!後悔しないように。


    (……黙って耳を傾ける5人)


    タンラン:そうだ!とりあえず明日にでも、
    ここの今の王様 “珠理奈” に会ってみな!

    きっと見えてくるよ。自分達が目指すそれぞれの形ってのがね。

    どんな形にしろ、必ず見てくれている人がいるから。楽しく自分らしく生きな!!


    コナン:タンランさん… そろそろ時間が…
    炒飯が売り切れちゃいますよ!
    季節限定の特製 手羽先炒飯が。


    タンラン:おっ、それは困る!!
    何にしてもまだまだこの地も楽しくなりそうだな。(5人の方を向き)じゃあ、またな。


    愛理:自分達らしさ…。

    琴望:誰よりも自由に!…だよね?

    亜柚香:そもそも上とか下とか、前とか後ろとかなかったですね。あーちゃんたちの中には。

    愛理:越えなくても良いのかも…。


    茉椰:そうだよ。越えるじゃなく認めさせよう! 菅原たちも仲間だと。


    愛理:前に立ちたいとか… 越えたいとか…
    そんなんじゃなかったね。

    支配なんてしない!誰よりも自由に!
    自由きままに立つ場所を真ん中に!
    それを認められてこそ!

    琴望:だね!
    なんかすっきりした!!

    亜柚香:よし、明日珠理奈さんに会いに行く為
    今日はゆっくり休もうか。


    嶺奈:その前に… 嶺奈たちも手羽先炒飯を!!


    (……静まる空気)


    茉椰:そうだね。たまには一色に乗っかるのも
    菅原は… 菅原はありだと思う!


    愛理:よし、じゃあ行こう!!



    …そう言うとタンランたちの後を追う5人だった


    …………

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    …………



    6月の

    26日…


    出羅馬路女学園 “高等部”


    中央棟その一番奥に位置する

    吹奏楽部部室…


    ひとり… この学園で唯一無二
    絶対的な中心人物…


    珠理奈 の姿


    そして… 突然扉をノックする音…


    現れる転校生の5人…
    亜柚香、茉椰、愛理、嶺奈、琴望



    愛理:はじめまして… あなたが珠理奈さん…
    ですよね?


    茉椰:はじめまして、菅原です!
    菅原は… 菅原は、まーやんって呼んでくれたら幸せです。


    亜柚香:亜柚香でーす!!

    嶺奈:えっと、一色… 嶺奈です。

    琴望:みーんなのアイドル、こっちゃんこと白井琴望です(笑)


    愛理:愛理…

    愛知の里の王様って書いて… 愛理って呼びます。
    水野愛理です(笑)


    (…突然の訪問に驚きながら口を開く)


    珠理奈:中等部の子たちが何の用?


    愛理:一度見ておきたくて。
    今のここの真ん中、珠理奈さんを。

    亜柚香:来年まで待つと会えないじゃないですか。これからのあーちゃん達の為にね。


    茉椰:菅原は… 菅原は、というかこの5人は、
    真の真ん中を目指してるんです 。

    珠理奈:なるほど… それで高等部を真ん中も狙いにきたってこと?


    嶺奈:ち、違います!!!違いますよ…

    琴望:ただの挨拶です(笑) ただの。


    珠理奈:いいよ!来るもの拒ますだから(笑)
    私が真ん中の席を譲ることで、この地が天下を取れるんなら、喜んでそうする。

    ただ、わたしにもここに賭けるマジがある。

    それに、与えられるモノより勝ち取るモノの方が強いだろ!
    簡単に獲らせるつもりもないけどね(笑)


    愛理:珠理奈さん、勘違いしないで下さい。
    勿論真ん中には興味があります。


    珠理奈:そうこなくっちゃ(笑)


    愛理:でも… 珠理奈さん…
    私たちは、珠理奈さんがいる

    “その席”

    には興味がないんです。


    珠理奈:…………?


    愛理:私たちは… 自分たちが立つ場所を
    “真ん中”に変えるつもりなので。


    琴望:エースのしるし… てのは、
    奪い取るモノでも与えられるモノでもないです。


    愛理:認められるモノ… ですよね?

    茉椰:菅原は… 菅原は、そう思います。


    亜柚香:そういうことですので(笑)

    嶺奈:ででん!そういうことです!
    ヒューヒュー!


    愛理:じゃあ、またいつの日か… 近いうちに…

    必ず中等部の真の“真ん中”になって戻ってきます。




    ……立ち去ろうとする5人


    珠理奈:待って!(愛理を指して…)
    あんたが… そこのリーダーかい!?

    愛理:違いますよ(笑)
    一人で強くありたいとも思わないです。

    手をつなぎながら共に進む仲間がいて、
    5人が集まって初めて、この地で1番…
    エースだと示せると思いますので!


    ………


    立ち去り扉から出ていく5人…

    羽織るスカジャンに刺繍された◇ダイヤの中に
    それぞれアルファベットの文字


    珠理奈:AR、A… KM…?
    名前の頭文字?

    なるほどね(笑)
    偶然という名の運命かもな。


    (…廊下に出る珠理奈)


    珠理奈:ちょっと待ちな!
    門まで見送るよ… エースのしるしを背負う
    未来のエースたちをね(笑)



    「あ… ありがとう… ございます」


    驚きながらそう口々に言う5人…


    ………


    高等部の正門
    転校生5人、そして
    その直後にやってきた

    ゆうかたん、なるぴー、ほのの
    三色団子の3人を見送った

    珠理奈の姿…


    すると背後から聞こえる声
    振り返る珠理奈…


    そこには…

    ジョウ(高寺)、マリモッチェ(小石)、TO(福士)
    慈子(松本)、イルカ(高塚)、アルパカ(荒井)

    そして… ソーダ(惣田)

    7人の姿が…



    ジョウ:珠理奈さん… お話が…。

    珠理奈:どうした? そんな暗い顔して。
    てか、何だか珍しい顔ぶれだね!
    あれ?ソーダちゃんも…。

    ジョウ:中等部の生徒が… 何人かで珠理奈さんの元へ来ませんでしたか?


    珠理奈:来たけど… どっちのことかな?
    5人組と3人組…。


    モッチェ:おそらくここの中等部のとは違う制服を着た…

    珠理奈:ん??


    アルパカ:ちょっとやんちゃっぽい奴らです。

    珠理奈:あぁ!あっちかな? 5人組の…。

    ジョウ:そうです。実は、あいつら…
    うちらの中学時代の後輩… でして。

    その学園の名前は… 珠理奈さんも耳にした事があるかもしれません…

    出羅賦頭[でらふと]女学園。


    珠理奈:でら… ふと…?あぁ!
    勿論知ってるよ!

    即戦力となる生徒を集めた武装集団が居るって噂の。確か数年前に新設された…

    ここ出羅馬路女学園とは異なる、

    もうひとつの…


    “でら女”


    だよね?


    あんた達みんな、あそこの出身だったんだね。


    ジョウ:でも… 出羅賦頭の力は… この学園のそれには遠く及ばない…。
    ただ… “でら女” という同じ名を持ったその存在は… ここ(出羅馬路女学園)では受け入れられない。

    そのことを、やつらはまだ知らないんです!

    その名を背負い、この学園に足を踏み入れることの意味を。


    珠理奈:なんだ、そんなことか(笑)
    それは… 今さら心配ないよ!

    そんな壁はもうあんたらが全て壊してくれただろ。

    ただ… 逆にそれが可哀想かもしれないね。
    作られた道は歩きやすい。
    困難な道ほどその道に価値があるからね。


    あっ、でも… あの5人… ちゃんとうちの中等部の制服着てたよ。

    何か中等部の真の真ん中になってまた来ます!って。
    そう言ってもう行っちゃったけどね。


    ジョウ:そうですか…。

    慈子:な~んだ!心配して損しちゃいましたね。

    アルパカ:これで安心です。


    (…沈黙を守っていたソーダが喋り出す)


    ソーダ:今が一番幸せと思える道を歩んだ先にこの学園があったなら、なりふり構わず楽しめと伝えたかったんですけどね…

    そうですか。もう行っちゃいましたか。
    なら、わたしも行きますね。



    (…そして、立ち去るソーダ)


    ジョウ:サリーさん!

    珠理奈:ソーダちゃん… あ~行っちゃった。
    ん??てか、サリーさん??

    なるほどね…。

    でっ、あんたらはどうするの?


    ジョウ:私たちは…。

    TO:そうですね。私たちもとりあえず安心したので。


    珠理奈:そうか…。でもさ…

    何だか今日はとても気分がいい!

    あんた達もひとつ大きな壁を越えただけで、
    今の立ち位置に満足はしてないだろ?


    ジョウ:どういう意味ですか?

    慈子:う~ん… 何が言いたいんですかね…。


    珠理奈:一人一人でもいいし、まとめてでもいい。

    かかってきな!私が、あんた達の新しい壁になってやるよ!



    ジョウ:えっ!?ちょっとそれは…


    TO:そうですよ!珠理奈さんと… えっ!?
    珠理奈さんと??やりあうなんて… そんなこと…
    いやいやいや… 無理でしょ!!
    ダメですよ!!


    アルパカ:わたしは… もらえるものなら貰います。食べ物でもチャンスでも!

    珠理奈:おっ!いいね!


    イルカ:わたしは… 泣き虫はやめたんです。
    強くなるって。

    珠理奈:おっ!慈子は?

    慈子:わたしは勿の論!!


    モッチェ:ごめんなさい。今の私は… 珠理奈さんと戦って先に進むことに意味がないので…
    でも、珠理奈さん。うちの仲間たちナメちゃダメですからね!じゃ、私は別の道をゆくので。

    (…そう言いながら立ち去り
    最後振り返りながら叫ぶ)


    モッチェ:ボンボヤージュ!互いに価値ある旅しようね!!


    ……そう言って去っていくモッチェ


    珠理奈:でっ?そっちの二人は??

    TO:わたしは… 珠理奈さんに憧れてこの地を踏んだ…。そんな私が珠理奈さんとだなんて…。


    ……戸惑うTOを見て珠理奈が声をかける


    珠理奈:憧れなんて大した力になんないよ。
    自身の中の意志が強くなきゃ、上へは進めない。

    走りっぱなしじゃなくてもいい。ただ、進む意志だけは止めるなよ!さぁ、かかってきなよ!!


    ジョウ:おい、TO!!どうするんだよ!?

    TO:私は…

    慈子:はっきりしないな!!
    おい、早くしろよ!KBども!!


    TO :誰が こや ぶ(KB)だよ!!
    ジョウ:誰が コービー(KB)や!!


    アルパカ:懐かしいね(笑) 2KB!

    イルカ:懐かしいね。


    慈子:ねぇ~!!やるの?やらないの?
    どっちだよ!?


    ジョウ&TO:やるよ!!!!


    珠理奈:そうこなくっちゃ。若い力がこの地を天下に近づける。
    うちらがこえなきゃいけないモノは、もっと“東”にある!

    って、うちのウザ(木本)に言われたよ。

    天下を取るために越えるべき存在。

    あんた達もその名前を噂には聞いた事あるかもしれないね…


    “馬路須加女学園”


    さぁ、行くよ!!もたもたしてると…
    その場に置いていくよ!!



    珠理奈 vs
    ジョウ、慈子
    アルパカ、イルカ、TO
    

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    …………


    出羅馬路女学園

    中等部…


    校庭にて…

    転校生の5人

    愛理、琴望、亜柚香、茉椰、嶺奈


    そして、なつみかん…



    なつみかん:初めて会ったのもこの場所だったね…。
    少しは顔つきもまともになってきたみたいだ。


    愛理:今日こそはっきりと分からせたいと思います。この学園の未来を!

    そして… 私たちが作る“真ん中”の形ってのを認めさせますよ!!
    この学園の門をくぐった同じ仲間として。初めに挑んだ、わたし一人の力でね。


    なつみかん:ひとりで大丈夫かい??


    (…5人が黙ってうなづく)


    なつみかん:でもね…
    認めるもなにも、わたしはね…
    真ん中が誰とか興味がないんだ。

    別にあんたらがここの真ん中でも良いさ。


    愛理:口先だけじゃなく、(自身の胸の部分を叩き)ここで認められてこそ真のセンター!!


    なつみかん:なるほどね…。それでも、もう心配しなくていい。
    わたしはね… もうすぐ元の福岡の学園へ戻ることになってる。お呼びがかかったんでね。

    わたしが居なくなれば、希望通りこの学園の皆が認めることになるよ。


    愛理:場所なんて関係ない!!

    この地を踏んだら、遠くにいても皆仲間だ!

    仲間に認められてこそ、真ん中に立って輝きを放てる。
    他の誰とも違う輝きを放つ為にここに来た!


    なつみかん:この地に来たそもそもの考えが違うってことだね。

    私はね… 自身を輝かせる為にここに来たんじゃないんだよ。

    かつて私の学園は、この学園の生徒たちに助けれたことがある。その過去の恩を返す代表として、私はここに来た。私の力が、この地で新たな誰かの光を灯せるように。

    お前に… 時に自分を犠牲にしてでも、この地を輝かすマジの覚悟はあるのか?


    愛理:私たちにとっての覚悟は… きっと自己犠牲の心じゃないです。
    マジの覚悟ってのは… 何があっても手をつなぎながら共に歩む決意のこと!


    なつみかん:やっぱり想いそのものが違う。当たり前だけどね(笑)


    愛理:この地への想いそのものが違うなら、進んでいく道のりも違う。
    どちらが正しいとかでもないし、別に想いを支配なんてしない!

    誰よりも自由に!!それ私のマジ!!


    ただ… 誰よりもこの地を愛してる!

    だから認めさせてみせますよ。

    私たちの形ってのを!!


    なつみかん:無茶苦茶な理由だね(笑)

    でも…


    これだから… でら女は面白い。



    愛理:今までのセンター像なんてくそ食らえだ!
    さぁ、始めましょ!!


    なつみかん:結局… あんたたちとは殴り合いばっかでまともに話した事もなかったけど…
    私は… 最後にあんたたちという仲間に出会えた事を心から嬉しく思ってる… 心からな。

    そして… 新しい形ってのを少し見たくなったよ。

    今までの形を…

    全部壊して…


    マジになれ!




    なつみかんvs愛理…



    愛理:私は… 誰よりもこの地を愛してる。

    分からせてあげますよ!!


    この愛に…




    溺れろ!!!



    …………





    新しい風は


    吹いた のではなく


    きっと…

    この地の力が


    吹かせたモノ…


    いつかこの地が


    天下を取るまで


    どんな風をも


    必ず 皆の力で


    追い風に変える。



    その熱き想いもまた…


    この地の



    “ マジ ”



    だから。






    …………おしまい。