#56 加藤美南 NGT48のエースはやはり抜群の存在感だった。 最近では徐々に公演に出演できる回数も減り、外仕事が増えてきている加藤。私自身、公演で加藤に会えたのは、2月26日以来。実に約3ヶ月ぶりだ。 この状況は、嬉しいやら悲しいやら複雑な心境を禁じえない。しかしながら、エースである加藤の外仕事が増えることで、NGT48が様々な方面での知名度が上がり、ファンを増やしていくことになるのだから喜ばしいことである。2月21日の握手会から帰宅途中、東京駅でNGT48メンバー10数名とたまたま遭遇したのだが、全く気付かれなかつたことで、まだまだ関東での知名度の低さを、筆者はまざまざと痛感した。そんな中での加藤の活躍はめざましく、同じ新潟県民として誇らしいものだ。 さて、前置きはこの辺にして今公演では、 キラキラした笑顔と、いつもの大らかでしなやかなダンスで観客の目を引き込む魅力で溢れていた。ドラマで演技に挑戦したことで、表現の幅が生まれ、表情のバリエーションも増え、加藤の魅力にまた一つ大きなアクセントを加えている。 ユニットでは、ファンやメンバーが神曲として崇める『てもでもの涙』を山口真帆とともに切なくクールに披露した。 ユニットとしてはまだまだ荒削りなものの、この難易度もハードルも高く大きなプレッシャーものしかかるこの楽曲を自分のものにしていたのは、さすがとしか言いようがない。 以前筆者があげていた、切ない曲もキビキビ踊りすぎるという点も表現の幅が生まれたことによって解消されていた。曲によってダンスの強弱を変えられるようになつていた。加藤からは「伝えたい！」という気持ちが観客の目にストレートに飛び込んでくる。一つ一つの公演本当に大切にしているのがうかがえる。 加藤がエースたる所以が垣間見えた。 公演が終わり、選抜総選挙の速報発表があった。 加藤の結果は、前評判を裏切り、惜しくも圏外となった。 加藤は静かにうつむき加減になり、その目からは大粒の涙がポロポロと流れ落ちていた。 ファンが完全に油断してしまった結果だった。 バレーボールでいうところの、「お見合い」 拾えたはずのボールを、お互いが任せあってしまったことで取りこぼしてしまったのだ。 彼女が、道を見失いかねない。 公演でも、外仕事でもフル回転で頑張っているのだ。 そんな加藤に2度と悔し涙を流させるわけにはいかない。 総選挙当日、筆者は開票会場にいる予定である。 名前が呼ばれ、ステージ上の加藤の笑顔とを見届ける準備はできている。 後半は公演レビューから大きく逸脱してしまったが、あの涙を1番近い位置で目の当たりにした筆者は、どうしても書かずにはいられなかった。 ファンとともに歩む加藤の大逆襲はここから始まる。 見ていろ、日本国民よ。 これがNGT48のエースだ。