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あきばん★にゅ✦β✦˖°。

忘れられた路地裏 摩天楼の陰に 光も届かない 場末の酒場 ここが俺のステージ 昼間の仕事で 指はボロボロ それでも俺は 今日を歌う 夢に裏切られ 夢を諦めた奴らが集まり 酒を酌み交わす 喧嘩っ早いが 俺が鍵盤を弾くと 黙って耳を傾ける 馴染みの連中さ 絡み酒のトニーが 今夜も同じ事を聞いてくる “お前の歌は下手くそだ だけどピアノには艶がある 聴かせたい女でもいるのかい?” 俺は決まってこう答える ”そんなのいないさ 俺はここに居る あんた達の為に弾いている それだけさ” トニーは鼻をすすり ご機嫌で帰る 一番安い酒も飲めないチップを 俺の胸元に突っ込んで この金は 一日中煤だらけになって 稼いだものだ ここには毎日を 一所懸命に生きる 人間しか居ない 酒をくらい暴れても 俺の演奏を 聴きに来る連中のために 歌う 悪くない人生だと 思っている 店を出る頃には 雨は色を変え 路地の石畳を白く覆っていた レッドカーペットは歩けなかったが 今の俺には最高の絨毯さ 誰も通らない 忘れられた路地裏を 揚々と歩き出す 足跡を白い絨毯に刻みながら 早く帰って眠ろう 昼には起きて 街を走る動脈の交通整理だ おっと 俺より先に歩いた奴が居る これはきっと 野良猫のノーベルだ だって西のハイウェイに向かって まっすぐに足跡が伸びているじゃないか

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