ikutamaikutama4ヶ月前破れ星、燃えた【幻冬舎文書】倉本聰前編の「破れ星、流れた」ですっかり倉本さんの自伝に魅了され、即購入。流れるだけで、美しくて価値があった青年期から、自らを燃焼させ、輝き、周囲を照らす社会人へ。業界や社会に対する憤り、他者に対する語り負い目を語る。痛みを伴って新たなものを生み出す“創”の現場が、知識と金で再生産するだけの“作”の現場へ変わっていくテレビ業界。妥協せず自らの美を実現させるために、独り心を燃やし続ける。渡哲也、石原裕次郎、高倉健、勝新太郎とのエピソードはどれもドラマに満ちていた。激しくそれぞれの色を放つ星同士が交錯する。改めてYouTubeでそれぞれの演技を検索し、その存在感について再確認した。“廃屋”から始まる物語、一人の情熱が新たな命を吹き込む。「北の国から」の誕生の背景と関わった人々の人間ドラマ、そして“幻の続編”。まさに「語らずにはいられないこと」の連続。歳を重ねることの重みとその迫力に圧倒された。22
ikutamaikutama4ヶ月前革命の季節【幻冬舎】重信房子虐げられる人達のために、武器を取って戦った。自分の身を顧みず自分の正義に従って生きた革命家。海外で同志達と武器を手に過ごした日々。明るい笑顔、美しい涙、愛情と哀しみに満ちた叫び。重信房子はパレスチナのために闘った。そこで本物の人間関係を築いた。こんなにも生命力に満ち、命を清々と使った人がいるだろうか。社会という巨人に踏み潰される“命”を身を挺して守り、フェアじゃないと叫び、闘った。私は重信房子について、ほとんど知らなかった。力無きものの最後の武器は“言葉”。この闘いの記録と言葉、愛と情熱に触れることができたことに感謝します。読み終えて、もう一度冒頭に書かれている見城さんの言葉を読み返して、自分の甘さに気づくとともに、最後の言葉がずっと響いています。『僕は僕で生きていくしかない』重信房子『未熟な正義…不遜な夢…世界を変えたい、世の中をよりよくしよう、情熱の限りを尽くして闘い…自分のことは埒外…ドン・キホーテのような真剣さ…パレスチナ解放こそ世界の革命の環…強いのではなく「使命」であり「責任」…彼らの身に起こった事態を当事者として引き受ける…日本人として後方から支えるのではなく、日本の場所的条件の中で前線を形成する主体性を持ってこそ、パレスチナの後方の役割を作れるのでは…自分たちの責任において自分たちの責任の持てることから始めよう…平和的であれ、暴力的であれ、人間の尊厳を回復するための抵抗を無条件に支持します。』奥平剛士『日本で闘っていた時には、“本気であること”が、なぜか滑稽になってしまう…闘いが、闘いこそが希望だって照れずに叫べるところ…闘いの場を与えられて感謝している。…天よ、我に仕事を与えよ…自分の特権を否定し、社会に尽くしたい。最も抑圧された人が最も望む方法で人生を全うしたい…無名戦士として闘い抜く…葬式ではなく祭を!祭こそ、我々の闘いと死にふさわしい。先に行って待っている。地獄で又、革命をやろう。』65
ikutamaikutama4ヶ月前我が師 石原慎太郎【幻冬舎】牛島信団塊物語の中で『石原さんについて、文学から人間まで書かれた本の中で、最高の本』と見城さんが評されているのをYouTubeで聞き、購入。石原さんの「死」をきっかけに、「師」「私」「詩」という順に綴り、「生」の核心に迫る。人間の情熱、情念を心底大切にし、純粋で丁寧で優しい生き方を伝えるキラキラと光る数々のエピソード。人生の全てを糧に書き続けるとともに、書くことを糧に情熱的に生きた石原さん。『時の流れとともに「都知事、石原慎太郎」は忘れられても、石原文学は永久に語り継がれる』(要約)は、決して大袈裟では無く、その通りだと思う。『肉体を超えて求め合うような痛切な男女の情念、官能、それは如何なる喪失も顧みず、すべてのものを溶かす』(要約)人間の生命力の本質に迫る情熱的な哲学と、『死ぬとは全く一人旅。みんな僕を忘れていく。そのうち自分もそれを忘れる。死ぬのはやはりつまらない』(要約)という“死”に対する虚無的な哲学。この本を読んで、また新しい石原慎太郎を知ることができました。『灯台よ 汝が告げる言葉はなんぞ 我が情熱は誤りていしや』(辞世)もこの本で知りました。虚無の中で輝く情熱、それを支える言葉。石原さんの言葉、生き様を自分の中に灯して生きていきます。1148
ikutamaikutama3ヶ月前激しき雪 最後の国士・野村秋介【幻冬舎アウトロー文庫】山平重樹『俺に是非を説くな 激しき雪が好き』と自らの墓碑に刻み、最後は“死にざま”を見せるために生きた。自決当日は激昂することも険悪になる場面もなく、挙動不審なところは微塵も無いままに、「青少年たちが誇りを持っていける日本にしてほしい…朝日が倒れるか、野村が倒れるか…オレは朝日と差し違える…」皇居に祈りを捧げた後、ニ丁拳銃で自決。野村秋介は、自らの美学と判断に従い、弱い立場の人のために、世間を敵に回してでも戦った。その結果、犯罪者にもなった。しかし、何人も心底認め合う仲間がいて、互いのために駆けつけて命を張り、最後まで慕われた。自分の信念を貫くことの強さ、美しさ、人間らしさ、それらを現実に実行することの孤独、感動、悲惨、まさに“国士”であり、己の命を使い切った“戦闘家”だった。以下、心を打った言葉。『寂しくないのは闘っているときだけ…人間が誰よりも強くなれるのは、自分が正しいことをやってるんだという自負があるとき…常に弱者の側に立って権力悪を討つ…多数は真実ではない…朝日新聞という多数派の最たる牙城…命を賭して闘えば、勝ち負けは別として言葉は伝わる…10年付き合っても赤の他人は赤の他人だけど、男同士というのは一瞬だけ魂と魂が触れ合うことによって永遠の友達が生まれる…万事「真っ直ぐ」を貫いてきた…五分のつきあい…どんな強大な敵であろうと、どんな土壇場であっても決して逃げない』17
ikutamaikutama3ヶ月前老いてこそ生き甲斐【幻冬舎文庫】石原慎太郎死に直面し、近づいてこそ、本当の“生”を知る。死の側から見る“生”は、光とエネルギーに満ちていて、改めてその尊さに気づき、日常が新鮮で温かいものになる。死の存在が生を一層輝かせる。老いと死を否定し、思う存分“生”に浸ろう。何かを続けることが新たな一歩に繋がる。煙たがられても積極的に他者と交わり、刺激を受けるのだ。天寿を全うすることが社会の糧となる。87歳の石原さんの生きる覚悟に触れ、背筋が伸びる。以下、心を打った言葉自分を囲んでいる世界の諸々に対する感性があの病の後、老いとともに以前よりはるかに鋭敏になった…死線を越えた病がもたらした功徳…この世に生きているもの同士の強い共感…小さな心の高ぶり…己の感性に則っての趣味を持ち通す…老いてどう生きるかは限りある人生の最後の問題…意思さえあれば新しい生き甲斐が生まれてくる…老いを無視する強い意思…同年輩の知己の死は戦の中での至近弾のようにやはり明日は我が身かという緊張と恐れをもたらし…いやそれでもこの俺はまだこうしていきているという励み…引きこもり…それは人生の閉鎖…積極的に他者と交わり、様々な摩擦を講じることが刺激…自ら命を絶つ者は老いと戦うことを諦めた敗者でしかない…男はやはり死に際…ルーティンを自分に強いる…反復が一種の強迫観念になって、老いによる肉体や心の衰退を防いでくれる…呼吸の大切さ…あの蘇生感…定期の運動…続けることで必ず新しい力が蓄積され…二度と繰り返したくない出来事も、今ではまたやってもいいくらいの懐かしさ…老いるということは物事への感覚的判断の蓄積…世の中に新しい活力をもたらし、世の中を実は若返らせるという原理…常に新しい生き甲斐を見出し、人生を見事全うしなくてはなりません。21
ikutamaikutama3ヶ月前ロングブレスの魔法〔幻冬舎〕美木良介お腹を引っ込めたまま、強く長い呼吸を繰り返す。呼吸でインナーマッスルを鍛えるとともに全身の毛細血管に酸素を送る。姿勢を改善し、精神を安定させ、脳機能と免疫力向上、アンチエイジングの効果もある。血圧、血糖値等を改善させた人もいる。石原慎太郎さんは『命を預けます』と言ってロングブレスでリハビリに励んだ。私もロングブレスについて755で知り、YouTubeを参考に何度か実践したことがあった。この本にはロングブレスの誕生した背景や科学的根拠、そして数々の成功体験、様々な状況に合わせた呼吸法が書かれている。一通り読んだ後、パラパラと読み返し、考えて気になるページに戻って、と自己流の読み方をして理解を深めた。YouTubeでは自分事にならなかったロングブレスが、読書で身近なものになった。最近は起床後に実践している。身体を刺激し、体質を変えて人生を変える。ロングブレスが身体に宿る力を呼び覚ます。本気の人生を歩むために続けたい。19
ikutamaikutama2ヶ月前そして少女は加速する【幻冬舎】宮田珠己走力とバトンパスを巡る物語。走者全員が主役になり、精密にバトンを繋いでいく。陸上部のキラキラと輝く練習風景、走る姿の美しさ、力強さが鮮やかに目に浮かび、その瑞々しさに心が踊る。後ろを全く見ないバトンパスやスタートダッシュの秘密は目から鱗。走者の心理状態、勝利のための工夫や努力に気持ちを重ね、ほとばしる決意に鳥肌が立った。風のような青春の日々が瞬く間に過ぎていく。最後は、息つく間もなくページをめくる速度が上がり、駆け抜けるように読んでいた。見城さんの投稿をみて、この小説に興味を持ちました。小説はあまり得意ではない私ですが、小説こそが自分の欠けているものを補ってくれることに気づきました。登場人物の固有名詞を覚え、それぞれの背景を丁寧に理解していく営みは、私の“雑な性質”を正してくれると感じました。他者の物語に純粋に興味を持ち真摯に耳を傾ける。その魅力と価値に気づかせてくれる一冊でした。ありがとうございます。1125
ikutamaikutama2ヶ月前斎藤一人 愛 〔主婦と生活社〕斎藤一人言葉はきっかけに過ぎない。人は態度や雰囲気で「その人」を感じとる。私はどんなエネルギーの塊で、どんな波動を発しているのだろうか。明るさと暖かさで人に接しているだろうか。言葉を超える「心」、それを育てる「言葉」。自分の言葉と心で世界の何を照らそうか。二十代の頃によく読んだ一人さんの本。天国言葉を一人呟き、通勤した日々。「愛とは思い出すもの。あなたも私も、愛のかたまり」一人さんの言葉は、明るくて暖かい。以下、心を打った言葉愛とは思い出すもの…私もあなたも愛のかたまり…愛とはあったかいもの…愛を失うことは心の死を意味する…例えば狭い道で「お先にどうぞ」と言える心、愛は日常のささやかな優しさに宿る…愛が枯れると人は冷たくなる…人間関係のトラブルのほとんどは、愛が足りないことが原因…問題を起こす人の共通点は自分を愛していない…自分を喜ばせていると、心があったまってくる…好きなことをする…毎日生きている、それだけですでに素晴らしい…神様は愛と光…波動はこの世界の全てに宿り、感染力がある…明るい波動を出そう…物質はエネルギーの塊…命を頂くとは、愛を受け取ること。10
ikutamaikutama2ヶ月前人間の建設〔新潮社文庫〕小林秀雄 岡潔対話が人間を磨く。岡潔は『数学は感情を入れなければ成り立たない』と言い切る。知情意(知識・感情・意志)のうち、「感情」が人の始まりで根本を支配している。完、未完に関係無く、生まれた瞬間から人間が全力で放つ“情”こそが、人の最大の関心の対象であり、そこから他者との交流が始まる。心が納得するためには、“情”が承知しなければならないが、“知・意”には、その力は無いという。人間の土台は感情(心)の満足なのだ。情緒を形にして伝えるために情熱が湧き、そして形になるとそのことへの情緒は消えてしまう。小林秀雄が岡潔の命の言葉を引き出していく。数学者の想いを誰もが理解できる言葉にして語らせる。批評とは考えるのではなく、その人の身になって言葉を探すことだと小林はいう。言葉が次の言葉を生むと。2人が対話しなければ生まれなかった金言の数々は、読めば読む程に重みを増す。茂木健一郎があとがきで書いているように、この本は声に出して読むと、確かに「音楽」のような心地よさを感じる。学ぶより親しむ。頭ではなく、身体で感じる。それが2人に近づく一番の近道なのかもしれない。読書の新たな楽しみ方を知り、心が躍った。以下、心に残った言葉人は無明を押さえさえすれば、やっていることが面白くなってくる…本質は直感と情熱…個性はみな違っているが、他の個性に共感するという普遍的な働きを持っている…書くから自分にもわかる。言葉で言い表すことなしには、人は長く思索できない…心というようなものです。知でなく意ではない…足が大地を離れて飛び上がっているようなもので、第二歩を出すことができない、そういうのを抽象的といった…問題を出すということが1番大事なことだ…命にうまく質問せよ…トルストイは真正直で健康な、鋭敏にして合理的な野生児、ドフトエフスキーは病身で複雑な都会人…数学は発見の前に一度行き詰まるのです。行き詰まるから発見するのです…小我を自分と思う人と、思わない人…トルストイとドフトエフスキー、苦労の質が全く違う…知情意することに責任をもつか、無責任であるかという根本的な違い…愛と信頼と向上する意志、大体その三つが人の中心になる…一つ解決すると、その解決がさらに次の疑問を生む…理論ではなく感情でそう思えるようになる…獣類の頭には、本能や欲情に対する自動調節装置がついている、人の頭には自動調節装置は全然ない、その代わり意識して自主的に抑える力が大脳前頭葉き与えられている…考えるというより言葉を探している…言葉には力がありまして、それがまた言葉を生む…熱心に勉強するということは我を忘れることであって、根性を、丸出しにすることではありません…全知全能な者は無知無能な者に、知においても意においても、関心を持たない。情において感心を持っている…情が納得して、なるほどそうだとその人自身が動き出さなければ、前頭葉も働かない…数学の研究に没頭しておりますときは、自分のからだ、感情、意欲という意識は全くないのです…「すがた」には親しませるということが出来るだけで、「すがた」を理解させることはできない…愛性には理性が持てるが、理性には愛情は行使できない。11
ikutamaikutama9日前発酵道〔河出書房新社〕寺田啓佐日本酒の蔵元当主が自らの人生観を変えた「発酵」について語る。微生物が味や香りを変化させながら、熟成させる。それが人間にとって有益なら「発酵」、有害なら「腐敗」と呼ばれる。発酵に適した環境を整え、腐敗を防ぐ。「酒」にはたくさんの命が宿る。酒を作る微生物の働きは「エサ」と「棲み家」で決まる。作り手はその環境を整える。自分の使命、役割を果たし、空っぽになるまで吐き出す微生物。発酵は変化の連続。菌は至る所に存在し、使命・役割を果たしながら、循環する。自然の中にいる限り、発酵や腐敗を避けることはできない。人の心も環境次第で発酵、腐敗する。人はその環境を自ら整えることができる。「いかに損(奉仕)をしていくか」。考える=カムカエル=神に還る。「うれしき」「楽しき」「ありがたき」の精神で微生物と響き合う。騙されたつもりで始める素直さ、謙虚さが人生を動かしていく。地球最古の生命、微生物。今も未来も地球を作り続ける微生物。じっと待ち、自分の出番がきたら完全燃焼して、次へ繋ぐ。微生物の働きを学ぶことは、生き方を学ぶことでもある。6