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Mizuno Toshinori

御用組合御用達のAKBカフェテリア さん・・・では存在価値が! #1264『山下美月論 mezzanotte』 "私には、何もない...." 暗闇の中、掴んだ物は。 そんな彼女の真実の物語。 山下美月。乃木坂46第3期生。 東京都出身。7月26日生まれ。 O型。愛称みづき。 「本当の私を知ったら、何人の人が嫌いになるんですかね。」 彼女のその言葉が今も耳から離れない。完成されたルックスと愛嬌の良さでアイドルの理想型と比喩される中、彼女もまた自信のないままに戦っている。もし冒頭の言葉の裏側に本当の彼女が待っているとしたら、きっと君は何よりも美しく.... 山下美月がアイドルを目指しレッスンを始めたのは中学1年生の頃だった。だが思っていた以上に過酷で長く続くレッスン。自分は向いてないと諦め、女優系の事務所に入った。そこでも続くのはオーディション漬けの毎日。結果は出せないまま、気が付けば中学3年になろうとしていた。辛い現実に打ち拉がれ事務所を辞め、高校進学に備えた。だが2年間の芸能活動の末たった1年で取り戻す事は容易では無く、高校受験に失敗した。芸能も勉強も中途半端だった自分を責め続けた。そして芸能活動をしていた事が学校で噂となり拡がり人間関係が破綻した。一人また一人と離れて行った。気が付けば完全に孤立していた。目に見えた景色は絶望だった。 志望校ではないものの高校へと進んだ彼女は、無個性を演じていた。目立ったらまた「生意気」と思われてしまうから大人しく、逆に「地味だよね」とも思われない様に、集団の中の一人であろうとした。目指したのは、みんなの平均である事。そうある事で学生生活を無難に乗り越えたかった。今は学校が全てだからそこで嫌われてしまったら、私の人生は終わってしまう。もう絶望は観たくない。だから彼女はいつも人目を気にして、本当の自分を殺し普通の自分を作り出す事で、何とか生きて来た。 そんな彼女が唯一くつろげるのは、家で一人大好きなYouTube動画を見ている時だった。大好きなアイドルの動画を毎日観ていた。そんな学生生活が普通だと思っていた。でも時に浮かぶ未来を考えた時「大丈夫かな?」と不安に駆られた。ふと鏡に映る自分の姿を見た時「今の人生は本当に楽しいのかな?」と思うようになった。本当の私の居場所はどこにあるのか?今与えられた教室の端の机で送る人生は幸せなのか?悩まずともその答えは自然と溢れて来た。そして、もう一度憧れた芸能界へ飛び込んでみる事で私は変われるのかもしれない。でもこれが最後の挑戦。まるで現実から飛び降りる覚悟で、乃木坂46第3期生オーディションを受ける事になった。アイドルに憧れたあの日から5年が過ぎていた.... そして乃木坂46となった彼女の世界は一気に拡がった。求めていた現実はここにあった。だがそこでも「本当の自分は何なのか?」と模索する日々は続く。調和を図る為、作り上げた自分で居た高校時代。だから今の本当の自分には何もない、空っぽだと知った。でも乃木坂に入り、優しい先輩や切磋琢磨する関係の同期と活動して行く中で、分かった事がある。本当の暗く弱い自分より「こういう人でありたい」と願う自分こそが、もしかしたら本当の自分なのかもしれないという事。 アイドルにとって最も大切な事は、歌やダンスが上手いという以上に「人として好きになって貰えるかどうか」という事だと思う。だから彼女もまた、アイドル活動に於いて明るく振る舞っている。でも今回の彼女の生い立ちを見て行く中で、そのイメージが白石麻衣と酷似しているなと思った。同じ様な辛辣な環境の中で孤独を感じ、自分を変える為に飛び込んだ芸能界。そして、自信のないままに自分の負の要素をプラスに変えようと必死にもがいている所。そしてストイックで負けず嫌いな所も。もしかしたら、それが隠れた「乃木坂らしさ」なのかもしれない。 2017年は乃木坂46にとって最高の一年となった。街には彼女たちの音楽や表紙が並んだ。そして東京ドーム公演に、レコード大賞。夢のその先に見える景色は。そして2018年、乃木坂46の新たな幕が上がる。そこには山下美月の名前が刻まれるだろう。たとえ強く世間の波風を受けたとしても、強く生きて欲しい。そして、憧れ続けたこの場所で微笑んで欲しい。君の笑顔は最高に美しいから。 山下美月とは、乃木坂の光。 そう暗い夜空を照らす月の様に。

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