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渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

3月末、他のろう者の方が私のことをろう文学の編集者として少しだけインタビューする手話動画が出たが、それを見て私のイメージが変わり、会ってみたいと昨日、実際に会いにきてくださった。 北陸地方にお住まいのろう者の方だが、成田空港へ友人を迎えに行く予定があり、そのついでに寄ってくださった。可能であればお話ししてみたい、というお気持ちがとても嬉しかった。 話を聞けば、書道家である奥様の方が私と話してみたい気持ちが強いらしくて、昨日は先約があったため来られなかったが、奥様の思いを伝えてくださった。本当にありがたいことです。 一時間ほどお話しさせてもらったのだけど、聞こえる息子さんが世界を飛び回っているグローバルな方で、そのお話も良い刺激になった。 --------- ろう文学の編集者だからインテリで話しづらいだろう、というイメージを持たれていたようだが、私は普通の人だし、他のろう者と同じように日本手話を使う。 私には、私の個性があるだけ。 逆に言えば、どんなに普通の人でもそれぞれ個性があるし、やろうと思えば出来る。 諦めないでいいだけ。諦めないで、コツコツやっていく。 そうすれば、どんな形であれ、結果は出るし、功績に繋がっていく。 大変なこともあるけど、諦めたくない気持ちがあれば頑張れるんじゃない? そのことが周りの方に伝わり、良い刺激になると私も嬉しい。私自身も色々な方から良い刺激をいただいているからこそ。 昨日はステキなお時間をありがとうございました😊

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渡辺 貴子(「ろう文学」編集&発行人)
トーク情報
  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    見城さんがこの世に生まれて来たからこそ
    「ろう文学」がある
    見城さんが生きていなかったら
    私は見城さんのことを知らなかった
    ましてや
    編集者になろうと思わなかっただろう
    「編集者の病い」で私は衝撃を受け
    編集者を考えていた私の背中を押してくれた

    時々、755を訪れては
    見城さんの文章を読んで
    自分の気持ちを奮い立たせてきた
    間が空くこともあったけど
    何かあると見城さんの投稿を読んできた

    そうして規模が小さいけれど
    色々な方に見ていただけて
    ろう文学を作ってくれてありがとう
    と言って下さることも増えてきた
    ろう文学のおかげで
    自分を日本語で表現することが出来た
    と言って下さることも
    私は ろう文学を通して
    一人一人の生き方に
    灯りをともすことが出来ているのが
    とても嬉しく 有難く思う

    それも見城さんが生きているから
    出来ること
    本当にありがとうございます、
    と空間に向かって頭を下げる
    見城さんにはあまり
    響かないかもしれないけど
    私は感謝の気持ちを言い続けて行く

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    私を利用して下さい
    私を踏み台にして下さい
    私を利用して上に上がっていって欲しい
    手話学習者の皆さんに向けて
    そういう話をしたのだが
    その時、私は「あげまん」という言葉を使った
    あえて使ったのだ。
    あげまんになりたいと。

    ろう文学だって
    私が本を作るから
    聞こえない皆さんは私の本を利用して
    自分のことを表現して下さい
    という気持ちなのだ

    あげまんの他にこれ、といった言葉が
    今は見つからない
    その言葉はちょっと、、気をつけた方がいいよ
    と心配して言って下さった方がいたが
    実は私、「性」のことも絡めたかった
    現実的な肉体ではなくて
    精神的な「性」という意味で言いたかった
    目に見えないところで繋がっているからこそ
    私のことを利用して、と。

    自分にしか分からない感情かもしれない
    わざわざ「あげまん」という言葉を
    使うことなかったかもしれないけど
    それが私らしいのではないかと。

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    宇宙は広い
    そんなこと知ってたけど
    太陽系のような銀河系が1000億あると
    知った時は衝撃的だった
    1000…いや100あるだけでもすごいのに
    1000億?!
    宇宙の広さは私の想像以上だった

    広大なんて言葉では言い尽くせない
    宇宙の果てしない広さ
    そんな宇宙から見たら地球なんてほぼ無いに等しい
    砂浜にある砂の一粒のようなもの
    いや、それよりももっと小さい

    私たちは自分が世界の中心だと思ってる
    それも間違いではない
    すべてミクロでありマクロでもあるのだから

    そんな宇宙の中で私はどう生きるべきか
    宇宙の広さを知ってしまったら
    私の頭の中で考えていることなんて
    本当にちっぽけなもの
    自分の頭では考えられないような
    想像もつかないような世界が
    無数にあるのだ

    それでも私はやっぱりあがくのだ
    もがき続けるのだ
    たくさん悩んで
    たくさん愛して
    この命の限り精一杯生きるのだ
    それが人間であり
    生きていることなんだと思う

    宇宙から見たら
    人の生死なんてちっぽけなことなのかも
    生死を超えた何かが宇宙にはあるだろうなと
    想像は付くけれど
    私はこのちっぽけな頭で
    たくさんのことを思って
    たくさんのことを感じて
    「生」を味わい尽くすんだ

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    年が離れているのは離れているけど
    彼が生きている時代に私は生まれてきた
    彼が生きている間に私はこうしてここにいる
    それがとても重要だと思う

    先人から学べることは沢山あるけど
    同じ時代に生きていて
    こうして息づいていることが
    すごいことであり重要なことだと思う

    宇宙から見たら
    生死は関係ないかもしれないけど
    私はやっぱり
    生きている間になんとかしたい
    私なりに精一杯の「ありがとう」を
    伝えたい

    「生きていて下さって
    本当にありがとうございます」

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    私、バカになりたかったんだ
    といってもやる時はちゃんとやる、そんなバカ

    私、優等生で居たくなかったんだ
    何言ってんの?って突っ込まれるような
    そんなバカになりたかったんだ

    振り幅の大きい人間、
    そんな人間に魅力を感じて
    憧れの気持ちを抱いていたんだ
    今 気づいた

    言わなくていいようなことを言ったり
    書かなくていいようなことを書いたり
    私はバカな性格面を持っていたかったんだ
    いや、もうすでに自分にあったけど
    気づかなかっただけだ
    あるいは、少し前まで
    そんな面にフタをしていただけだったんだ

    二面性のある、しかも振り幅のある人間
    めちゃくちゃ憧れるし、そんな人になりたい

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    なぜ彼が私の前に現れて来たのか
    分かった
    今の私にとって必要なものが入ってきたから
    それと同時に悟った
    彼はもう二度と私の前に現れないと

    今の私に必要な情報
    彼が居なければ知り得ることがなかった
    私が彼に興味を持たなければ
    知り得ることのなかった情報
    だから彼が私の前に現れたんだ
    そして
    彼の私に対する役目は終わった

    とても寂しい こんなにも寂しいなんて
    「ありがとう」って思うべきなのに
    寂しい気持ちが打ち勝ってしまう

    別れがあるから新しい出会いがある
    そのフレーズが頭に浮かんできた
    全くその通りだし 新たな目標も出来た

    だけどやっぱり寂しい
    私のエゴだけど 寂しいものは素直に寂しい
    ただそれと同じくらい彼の幸せを願ってる
    何年か後になってもいいから
    またどこかで会えますように
    その時は笑って話せますように

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    私の企画した「LINEで手話LETTER」に申し込んでくれた手話学習者の女性。

    LINEにお互いの手話動画を貼って手話で話す練習をしながらコミュニケーションをとっていく企画だが、そこでお互いのことを手話で語り合った。

    彼女は2年前のコロナで耳が聞こえなくなったという。それまで普通に聞こえていた音声が急に聞こえなくなったと。

    でも、不思議なことに耳が聞こえなくなる前から手話に興味を持っていて少し習っていたから、手話に助けられたと言っていた。

    彼女は息子さんと二人暮し。
    それについては少ししか聞いていないけど、色々大変だったようだ。

    そんな彼女の趣味は小説を書くこと。
    「誰にも言ったことないんですが、今日思い切って言います」
    手話でそう教えてくれた。色々な所に応募しているようで、先日、彼女が書いた短編小説が入選作品として地元の新聞に掲載されたようだ。恥ずかしがりながら、とても嬉しそうに教えてくれた。
    すごいですね!読んでみたいです。よければスマホで写真を撮って送ってくれませんか?
    と手話でお願いしてみたところ、2日後くらいにLINEに載せて送ってくれた。

    彼女は2年前まで聞こえていたので、ろう者というより「中途失聴者」のカテゴリーに入る。
    私は一応ろう文学を編集しているので、つい書き方に注目してしまうが、純粋に読んでみたくて、先入観を入れずに読もうと思っていた。
    でもやっぱり、手話で話す彼女のことが頭に浮かんできて、その短編小説と彼女の関係について思い巡らせていた。

    読んだ後、彼女に感想を伝えた。

    「千春さんが実際に経験したかのような、リアルな描写。胸がキューっと締め付けられるようでした。主人公の男の子だけでなくそれぞれの想いも伝わってきて「生きている」こと、しかもその濃さが肌に染みるようでした。切ないですね。
    千春さんが実際に色々な経験していることも(今まで経験したことも含めて)全てがつながっているんだろうなってすごく感じました。
    これからも千春さん自身の、生きてきた軌道そのものを小説にぶつけて、湧き出てくる想いを書き出していけますように」

    短いが、私が感じたことをLINEで伝えさせていただいた。
    すると、彼女から手話動画が届いて、その感想を読んで感動しました、と。なんでそんなに日本語が上手なの?聞こえないのに、とも言っていた。その驚きもあったようだ。
    耳が聞こえなくても日本語を書ける人は書けるのよ、と思ったが、とにかく彼女に伝えたかった私の気持ちが届いたようで嬉しかった。

    「今まで色々あったけど、書くことに救われてきた。本当に、書くことが支えだった」
    その想いを手話で伝えてくれた時は胸がじーんとしてしまった。

    「今は、日本語だけでなく、手話も私にとってとても大事な言語になっている。耳が聞こえなくなった今、手話は本当に大事なもの。これからは、日本語と手話の両方を大事にしていきます」
    と両手を胸に当てるように、手話で話してくれた。

    彼女との「LINEで手話LETTER」はしばらく続いていくだろう。
    これからもお互いの想いを語り合えたらと思っている。そして、彼女が書く小説を応援していきたい。私が出来ることで。