｢ろう文学｣の第14号がもうすぐ出来上がる。10人以上のろう者の方に書いてもらい、第14号に収めた。 中には、昔マラソンで数多くの成績を残したろう者の方の言葉も載っている。この人は、以前、本を出したことがあるそうで、少しだけ読ませてもらったのだが、他の人が書いたものだった。 実は最初、ご本人からメールがあり、僕もマラソンのことを書いてみたい、と言っていた。ご本人のことを全く知らなかった私は｢ろう文学｣は、ろう者が物を書くことを応援するものということもあり、ぜひお願いします、とお願いした。 日本語があまり上手く書けない人でも応援する、私が手伝うから、書きたいことを書いてください、それが｢ろう文学｣のコンセプトなのだ。 短いけど書いてくださった原稿、そして過去のマラソン大会の実績を見て驚いた。ろう者のマラソン界では誰もが知る、有名な方だったのだ。以前本を出したことがあるということも知らなかったから驚いた。 彼は日本語が上手くなくて、文章の構成もあまり上手じゃない。彼の持っている言葉の数も少ない。だけど、その数少ない言葉を使って、自分の想いを伝えようとしていることに胸がいっぱいになった。彼の文章を校正しながら目がうるうるしてしまった。 第14号、これも印象に残る一冊になった。