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渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

ろう文学の第15号が出来上がった。 ろう文学の発行を令和元年から始めて4年目に入った。 今まで50名以上のろう者の方に書いていただいた。 皆さん「書いてみたい」「書いてみようかな」「冊子に載るなんて面白そう」など様々な気持ちで書いてくださったと思う。 本当に好意で書いてくださった。 ありがたいことだと思う。 投稿してみませんか、と声をかけて断られたことも何度かある。 ほとんどのろう者の方は日本語が第二言語。 だから「書く」ことに慣れていない方も多い。 無理強いはしないけど、書いてくれる時はやっぱり嬉しかった。 第15号発行を迎えて 今後は著名なろう者にも書いてもらいたいと思った。 あの人この人の書く文章ってどんな感じなんだろう。 興味がある。 だが、著名なろう者に書いてもらうにはそれなりの謝礼金が必要なのだろうか。 だとすると、今まで好意で書いてくださったろう者にはどう接すればいいのか。 今まで通り、ろう文学の冊子を無料で送るだけでいいのか。 謝礼金をつけた方がいいのか。 まだ答えが見つからない。 実際にやってみて、その都度、改善していくしかないのだろう。 資金を貯めながら、私なりに色々考えていこうと思う。

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渡辺 貴子(「ろう文学」編集&発行人)
トーク情報
  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    早いものでもうすぐ3月が終わる。
    最近は、「ろう文学」の制作だけでなく中級レベルの手話学習者の日本語翻訳のチェックをやらせて頂いている。15名から字幕あるいはテキストが入った手話動画が送られ、それをチェックして間違いを正していく。
    またそれとは別に、ろう者の日本語レッスンも開催している。学校の教育をきちんと受けていない年配のろう者を中心に、基礎から教えていくものだ。
    4月からはろう児を持つ親の手話勉強会を受け持つ。
    昨年、ろう文学の資金不足のことを思い切って皆さんにお伝えさせていただいたが、その後、何名かの方が様々な形で協力して下さっている。本当にありがたいことです。
    良い印象を持たなかったのか離れていく人もいたが、それは個々の選択なので受け入れているつもり。寂しい気もするけど、自分の力不足なので。
    悔いを残さないよう、自分の出来ることをやる。
    大変だけど、「あの時まだまだやれたんじゃないか」と思う方が嫌だ。日々、自分がやれることをやっていく、その積み重ねだ。年を重ねるにつれて、積み重ねていくことの大切さが身体に染みるように実感してきている。
    健康に気を使うようになった。栄養をとること、エクササイズも生活に取り入れた。若い時は気力だけでやっていけたけど、今じゃそうもいかない。できるだけ体を動かすことを意識している。それも、ずっと活動していけるようにするためだ。
    もうすぐ満開の桜が見られるようになるだろう。それを見て、自分はどう感じるのか?
    今はモヤモヤしていることだらけでとにかくやるしかない、と思っているが、暖かな春の日差しを楽しみにしている自分もいる。

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    ろう文学を始めてしばらくした頃、ろう者の大学の先生にゲストとしてエッセイを書いていただけるよう、お願いしたことがある。
    その時、忙しいからという理由で断られた。言葉自体は丁寧だったけど、その時に悔しい思いをした。
    無名の私が大学の先生にお願いすることはとんでもないことで、ごく当たり前の結果なのだけど。
    そして、3年位経った後、私はその大学の先生のことを思い出して再アタックした。ろう文学が第10号以上続いていて、少しの自信がついたからかもしれない。
    その時、先生は非常に驚いていた。ろう文学、まだ続いていたの?!というふうに。
    何回かメッセージを出させていただいた末、ようやく書いていただけることになった。
    そして昨年、Zoomで30分間、お話しする機会を得て、色々なお話を聞かせていただいた。
    それからしばらくした後、その先生が受け持っている授業のゲストスピーカーに呼ばれることになった。
    寝耳に水とはこのことで、思いもよらぬことだったから驚いたが、それよりも新しい経験をさせていただけるというわくわくする気持ちの方が大きかった。
    ろう文学だけでなく、私が年配のろう者を対象とした日本語勉強会を開いていることも評価されたようだ。

    もうすぐ4月が終わるが、5月の楽しみの一つがゲストスピーカーとして話させていただくことだ。
    話す内容を考えて、必要なことを調べてまとめることは憂鬱なことではあり、それを考えるだけでも緊張することではあるが、新しい経験をさせてもらえるということに喜びを感じている。
    世界から見たらちっぽけな自分だけど、そんな自分にも無限の可能性はある。両手をいっぱい伸ばして可能性を広げていく。
    …だが実際には、生きている者として「生」を思いっきり堪能してやる、「生」を見せつけてやるという気持ちが心の底に潜んでいることも否めない。

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    中学3年の時 憧れていた先輩がいた
    女子に人気があって
    私はいつも遠くから見てるだけだった
    でもいつからか少しずつ
    自分の存在に気づいてもらえるようになって

    そんな時
    学校からの帰り道 バス停で
    大勢の生徒の中 先輩の姿を見つけて
    心の中で「わぁ」って思っていた
    たまたま先輩がこちらを振り向いた時
    視線が合った
    その後すぐ、再度振り向いてこちらを見た
    まるで私の姿を確認するかのように
    そんな動作にドキッとした

    でも憧れの先輩は
    簡単に近づけないような人だった
    住む世界がまるっきり違うような気がして


    そんなことを思い出した
    私なんかが簡単に近づいてはいけない人
    でも勝手に憧れさせて頂いています
    もっと自分が出来ることをやらなくては
    そんなふうに励まされています
    いつもいつも ありがとうございます

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
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    見城さんがリトークしたものですが、
    今の私に染みる言葉です。。。

    そういうふうに言える方って
    ほとんど居ないんじゃないか。

    どなたか分かりませんが
    とてつもない懐の広さを感じました。

    私もろう文学のことで
    たまに説教めいたことを言われるけど
    ろう文学の存在が励みになっている
    と言ってくれる人たちがいるから
    頑張って来れている
    それだけでもありがたいことだけど

    「君へ」の内容が胸にぐっと来て
    そうか、私はそう言って欲しかったんだ、、
    と思った
    そして、改めて
    思いっきりやろうという気持ちになった

    見城さん、
    リトークして下さって
    本当にありがとうございます。

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    縁がなかったんだ
    いや、私の見る目が無かったんだ
    期待していた分、
    そんなふうに言われると
    へこんでしまう

    私なんかが
    相手にしてもらえるような人ではなかったけど
    そういう人だったのか?
    って思ってしまうような言動をされた

    なんだか残念で
    期待するんじゃなかった
    って思ってしまうけど
    やはり人間だから期待しちゃうよね

    残念な気持ちはあるけど
    そういう人だったのなら
    もう考えるのはやめる

    今縁ある人たちとの時間を大切にして
    何かを作り上げていったほうがいい

    巡り巡って
    もしかしたら
    その人との縁がやってくるかもしれない
    その時は堂々としていよう
    その時を密かに楽しみにしている

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    早稲田大学のゲストスピーカーとして呼ばれたのがきっかけで、昨日、学生たちの前でお話しさせて頂いた。
    社会福祉学科の一コマで講演するという経験はめったに出来ない経験で、貴重なものとなった。
    テーマは「ろう者と日本語の関わり」。
    ろう文学と、ろう者を対象にした日本語勉強会についてお話しさせて頂いた。
    講演について色々思うことはあるが、等身大の自分で伝えられることは伝えさせて頂いたつもりだ。
    こんな編集者になりたい、という所で見城徹さんのお名前を出すことが出来たのも嬉しかった。

    私の講演を聞いて学生の皆さんがどういうふうに思ったのかは分からないが、「こういう人もいるんだ」と心の隅に留めていただけたら、ありがたい。
    このような貴重な機会をいただけて本当に感謝✨✨✨

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    そうだった。
    誤解されやすい人に
    好感を持たれるタイプだった私は。

    どんな人であれ
    普通に接することができるよね
    って昔褒めてくれたこと思い出した

    この間初めてお会いした人は
    こちらの話をまるで聞かず
    機関銃のように喋りまくる人だった

    だから私は
    それなりに対応して
    ポイントになる所だけ話して
    あとは聞き役に徹してた

    この人、誤解されやすい人だ
    色々と大変だろうな
    と思う反面、
    とてもバイタリティ溢れていて
    面白い人だと思った
    もうすぐ70才になる人とは
    どうしても思えなかった

    どこがどう良かったのか
    よく分からないけど
    渡辺さんは頭が良い人だ
    良くしたいと思う、内緒ね
    って言ってくださった

    どう捉えたらいいのか
    よく分からず
    「ありがとうございます」
    と言うしかなかった

    考えすぎかもしれないけど
    変な感じだったらちょっと
    面倒だな、と思ってしまった
    違っていたら私、失礼だよね
    ありがたく受けておくべきか
    まだ答えは出せていないけど

    こういう出会い
    そんなに嫌いじゃないけど
    ちょっと憂鬱であることは
    否めない
    これからどうしようか
    ちょっとだけ警戒心を持って(笑)
    自然の流れに
    身を任せてみようと思う

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)

    ちっぽけな人間だって出来る
    人並み外れた力を持っていなくたって
    その人なりに色々やれるはずだ
    その人なりの伸びしろがあるんだ

    人並み外れた人の方が注目されやすい
    ずば抜けた人の方が取り上げられやすい
    だけど本当は
    ちっぽけな人間だって生きているんだ
    ちっぽけな人間なりに人生を歩んでいる
    悩んだり考えたりしながら
    精一杯、精一杯生きているんだ
    そのことを見てあげられる人間に
    私はなりたい

  • 渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
    渡辺貴子(「ろう文学」編集&発行人)
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    ろう者が「自分」を表現出来る場所
    それを無くしてはいけないと思った
    手話や演技などで語るろう者もいれば
    書くことでしか表現出来ないろう者もいる

    騒音に埋もれて足掻いているろう者
    小さな光を放ちながらもがき続けているろう者
    私はその光を見つけて
    腕を掴んで引き上げたい
    一人一人のろう者が書く本音とその世界
    私はそれを解放したい
    「ろう文学」という手段によって

    今月、第25号を発行したことで
    6年続いた「ろう文学」第一章に終止符を打った
    私はまだ諦めない
    書くことでしか表現出来ないろう者の場所を
    これからも遺していくため
    第二章に向かって走り出していきます