「いのちの停車場」 これまでお別れして来た人たちを思い出した。 癌で全身の痛みに耐える末期。お互いに分かっている、間も無く間違いなく訪れるお別れの日。どうしても意思の疎通ができるうちにと思い、「感謝状」と題してカードを贈った。 楽しかった思い出話、好きな物の話、親子ほどの歳の差がありながら 海外に2人で旅したこと。歳の差を越えて共感してきた事を書いた。 彼女は涙して喜んでくれた。必ず棺桶にこのカードを入れてね、と。 反省と後悔ばかりの人生で、もしかすると唯一、思い切って良かったと思えた出来事。 しかし、それすらも本当は彼女の器の大きさで受け入れてくれたことなんだろうな。 亡くなることを前提にしたカードを手渡すなんて。 そして、私にも訪れる大切な人たちの終い方。 可能な限り好きなことをやって欲しいな。