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としとし@るームメイト

強い風が芝生の青臭い香りを運んでくる。 「いけ、走れ、8番カバーしろ、まだだ、まだまだ追いつける諦めるな!!!」ベンチから声を枯らして応援している。 ピッチ上ではメンバー全員が必死になってボールを追いかけている。 (いったいどうしたんだ、、、) 今日は高校3年のインターハイ予選1回戦、格下相手に前半0-1で負けていて後半スタート。アイツはいつもならハットトリックを取ってるのに今日は調子が悪く何度シュートしても枠を外している。 応援しながら思い出していた、毎日の練習終わりにアイツが練習に付き合ってくれていたことを、、、 アイツはエースストライカーでオレはサブのサイドバックだ。 練習が終わった後に1人でサイドを走り上がって敵をフェイントでかわしてセンタリングの練習をしていたら、小学校からの幼馴染のアイツが、「ナイスボール」ってオレのセンタリングをヘディングシュートした。「ナイスシュート!!!」って返した。 それから毎日の日課になり、練習終わりに2人で並んで帰った。 アイツはエースストライカー、オレはサブメンバー。なのにいつもアイツは優しかった。何かアイツに返したかった。 オレは応援する事しかできないのか、、、そう思ってた時に、監督から「アップしとけよ」の声が、慌ててベンチコートを脱いでアップを始めた。 残り10分で選手交代、オレは右のサイドバック。アイツは笑顔で迎えてくれた。 相変わらずの0-1、このままでは高校サッカーが終わってしまう。 残り1分、相手からボールをカットしてサイドラインを駆け上がる。敵のサイドバックをフェイントで交わして、、、 そう、毎日練習していたあの位置からのセンタリング、アイツは必ずあの位置に走り込んでくれる、見なくても分かる。 「アイツに届け!」想いを乗せたボールは青空を舞い上がった、いつものあの場所に走り込んでいるアイツの姿が見えた、、、 ♯チャンスの順番

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