7月12日(木)
天気が良かったので洗濯物を干していると、スズメが物干し竿にとまった。驚かさないように「いい天気やな」と言うと「ちゅんちゅん」と言ってくれた。なんか会話できた気がして嬉しくてニヤニヤしていると向かいのマンションのおばさんと目が合った。おばさんは大声で「なあ!今そいつと会話できた気になってた?!」と言ってきた。聞こえないふりをして「はい?」という顔をしていると、「そいつはあばずれスズメさ!誰とでもすぐ話す!ここらへんの奴らは大体みーんな話したことあるよ!主人公にでもなった気分かい?だったらここらへんの奴らはみんな主人公ってことになるよ!」と言ってきた。僕は顔を真っ赤にして「はあ?なにがですか?」と返すとおばさんは「そう!みんな主人公なのさ!みんなそれぞれの人生の主人公なんだよ!みんなハッピーエンド目指して頑張ってんのさ!私の物語はさ、モーニングに載ってるようななんか暗い話になっちゃったけどさ!あんたの物語は、少年ジャンプのようなキラキラした話になるといいねえ!」と言い部屋に戻っていった。モーニングってそんな暗いイメージなかったけどなあ。
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