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ロングコートダディ堂前

12月31日(火) カウントダウンライブのリハーサルが終わり、 本番が始まるまで少し時間があったので 会場の周囲をうろうろしてみることにした。 気温は5度前後。 顔を突き刺すような寒さが年の瀬を感じさせ、 年の瀬の「瀬」が頭の中に現れることで 瀬川瑛子さんを思い出すのであった。 そんなことを考えながら歩いていると、 誤って川に落ちてしまった。 黒くてキレイな道だなと思ったら川だった。 落ちた瞬間に 「死んだ。おつかれさまでした」と思ったが 水温が気温よりも高いのか、あまり冷たくなかった。 しかしこのままではいけないと 川から出ようとしたが 体が水中から出た瞬間、信じられない寒さが僕を襲った。 その信じられない寒さは年の瀬を感じさせ、 年の瀬の「瀬」が頭の中に現れることで 瀬川瑛子さんが僕に微笑むのであった。 慌てて川に戻る僕。 水中にいた方が暖かい。 どうしようかと辺りを見回してみると 同じような人が何人か川の中にいた。 皆、誤って川に落ちてしまった人たち。 皆、水中から脱出出来ずにいる。 すると一人の男がザバァンと顔を水中から出し、 「こりゃ朝になるまで待った方が良さそうだな」 と言った。 僕は そんなわけないと思った。 すると別の男が 「そのようですね…」 と言いながら水中にブクブクと入っていった。 僕はここにいては危ないと思い 気合いで川から脱出し、 なんとか会場のシャワー室へたどり着くことができた。 シャワー室へ向かって必死で走っている時の 凍えるような寒さにより 聞いたことのないような叫び声をあげる瀬川瑛子さんが頭の中に現れた。 体はなんとか回復し カウントダウンライブも無事に終わった。 川の様子をもう一度見に行ってみると まだ何人かは水中にいた。 一人の男が 「もう明けた?」と聞いてきた。 僕が 「明けました」と言うと 男たちは 「おおおぉぉ~~」と言った。

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