4月1日(水)
本棚を整理をしていると、
埃をかぶった高校の卒業アルバムが出てきた。
懐かしいなとアルバムを開いてしまい
案の定、整理の手は止まってしまった。
古木君の写真が目に止まる。
高校の時、結構遊んでいたはずだったが
卒業以来一度も連絡をとっていない気がする。
別の友達から連絡先を聞き、
電話をかけてみることにした。
「もしもす?」
出た。だが古木君の声かどうかもよく覚えていない。
話してみる。
「もしもし、堂前やけど。覚えてる?」
「堂前…?え、堂前?」
「そうそう、久しぶり」
「うわー!久しぶり!緑靴下の!」
「うわ!俺履いてたなー!懐かしい!」
「食パン泥棒の!」
「食パン泥棒?え、それ俺?」
「地理異常点数の!」
「なつかし!そのワード!
確かに地理だけ異常に点良かったけど!」
「色まつげの!」
「色まつげ?それ俺?」
「全指同長の!」
「ぜんしどうちょう?なに?
全部の指が同じ長さ?それ俺?」
「吉川先生オリジナルアメコミ事件の!」
「何それ?吉川先生?誰?」
「家が近い!」
「家近い!そう!俺!堂前!」
「ソックタッチ転売犯の!」
「ソックタッチ?それ俺?」
「友達思いの!」
「友達思い?それは分からん
それ俺?俺やったら嬉しいけど」
「健康的な!」
「どうやろ、それ俺?
俺やったら嬉しいけど」
「肉まんあんまんピザまん全まん大好物事件の!」
「全まん?それ俺?」
「音楽室居心地最高事件の!」
「それ事件?それ俺?」
「ニヒルな!」
「ごめん、わからん、それ俺?
それ俺っていうの多いな。こわい」
「…なんか俺が思ってる堂前じゃないかも。
ごめん。一旦落ち着くわ。また電話しよう。
じゃねじゃねバービー」
ツー…ツー…
じゃねじゃねバービー…!
懐かしい!古木君だ!
また電話しよう。
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