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中山功太

彼は化学調味料には否定的ではなかった。 弟子の頃に挑み続けた無化調ラーメンの限界を誰よりも熟知していたから。 彼は自分が旨いと思えるラーメンを作る為なら手段を選ばなかった。 ある一点を除いて。 2013年11月9日、早朝。 彼はパンドラの箱を開けてしまった。 入れたのだ。 ラーメンに。 あれ程、否定していたのに。 彼は。 魚粉を。

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