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豚おじさん

今日はホテルの夜勤で新しい男の子と2人で入った。 男の子は大学3回生の21歳。 シュッとしてるが高校生にも見える。 夜勤が始まってすぐ思った事はこの子とは会話が盛り上がらなそうという事だ。 僕は気さくに喋りかけるのだが、思春期の男の子みたいな反応なのだ。 僕は一応敬語で喋っていたのだが、全く盛り上がらんし、めんどくさくなってきて敬語で喋るのはやめた。 向こうからしたら急にこの人タメ口で喋り出したやん。と思っているだろう。 仕方ないだろ。君が子供なんだから。 何気ない会話が盛り上がればいいのだが、盛り上がらないので、パーソナルな部分を聞くしかない。 どこに住んでいるのか どこの大学にいってるのか 休みの日は何をしているのか 何とか会話も弾んできた。 ふふふ僕も芸人の端くれなので、お喋りはそこら辺の大学生より少しだけ上手なのだ。 お喋りをしながらふと気付いた。 この子僕に何の質問もしてこない。 歳や他に仕事はしているのかなど、結構気になる事はあるはずだ。 まさか気を遣われてるのか。 この子から見たら僕はどういう人にみえてるのだ。 自分から芸人やっててなどと言う必要もないし、わざわざ自分を語りたくもない。 その子からしたら根掘り葉掘り聞いてくるただのおっさんか。 しかも急にタメ口で。 そんなの野生の豚おじさんじゃん。 結局10時間経ったが僕の話は一切せずに終わった。 もしあなたが僕の事を知らずにバイト先などで会ったらどう思いますか? 大学生かなと思いますか? 豚おじさんはいずれあなたの街にもおとずれます。 その時は温かい紅茶とクッキーを出してやってください。

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