映画『ハッピーエンド』『愛、アムール』ミヒャエル・ハネケ監督・脚本。2017年カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品、本年度アカデミー賞外国語映画賞オーストリア代表作品。 http://longride.jp/happyend/
私はミヒャエル・ハネケ監督の作品のファンです。
そのハネケの2017年の作品。
前作「愛・アムール」のある意味続編とも取れる。
これはメインとなる二人の俳優が同じであり、祖父役の境遇が同じだからだ。
さらにはテーマが「死」である。
主人公は13歳の少女。
ちなみに後半少女が「I★Japan」というTシャツを着ていて、調べたらハネケのインタビューで、ヒントとなった事件が「日本で起きた少女による母親の殺人事件」とのこと。
ハネケはもう一つ、問題を投げかけている。
それは「SNS」だ。
映画の中ではスマホの動画やチャットなどが登場する。ネットでは本音を言うくせに、リアルの世界では何も言えず嘘やごまかしばかり。
そんな状況を、ハネケは問うている。
そして少女の闇。
少女は母親を「うざい」と言ったり、ペットや母親に酷い事をしたり、自分を傷つけたりする。
確かに母親が離婚して父親がいない家庭ではあるが、13歳にして死について悟ったのかのような、あるいは人生に絶望しかたのような行動を取る。実際、死を願う祖父と価値観を共有する。
このような少女の闇は、小さな程度であればどの少女にもあるものだと推測する。
ネット世界でのみ本音を言えたり、親に反抗したり、そして親の愛情を欲しがったり。
私は男なので、少女の心を推察する事は難しい。
そして、金は裕福でも人間関係の冷め切った家族。
妻に先立たれ死に向かう男。
自分がそれぞれの立場に直面したら、どうする?
ハネケは今回も様々な事を私に投げつけた。
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