恐ろしいまでの神LIVEだった。なんなんだこの子たちは。これで1年とはどれだけのポテンシャルを秘めているのだろう。21人全員のベクトルがキッチリ同じ方向を向き、1つの作品を作り上げる。膨大な量の練習量に裏打ちされたパフォーマンスは問答無用で観ているものを圧倒する。 今回は1st〜4thまでのシングルとc/wを順番に披露していくセトリ。オープニングで『サイレントマジョリティ』が始まった瞬間涙がこぼれた。一年前のサイマジョから成長した欅坂46がそこにいる。会場のボルテージはいきなり最高潮だ。 欅坂46は笑わないアイドルと言われるが、それは間違いだ。可愛らしい楽曲もあるし、そこで笑顔を浮かべながら歌うメンバーたちの可愛らしさときたらとびっきりである。そう、彼女たちにはアイドルだからとか関係ないのだ。ただ忠実に曲の世界観を表現しているだけなのである。 ひらがな欅を含めた32人にはそれぞれとても個性が強いのだが、特に漢字欅はここに至るまでの1年間、実に様々なことがあった。その想いをファンはみな共有している。そしてライブのパフォーマンスにその想いが溢れている。 それぞれの楽曲に込められた想いは彼女たちの生きてきた軌跡であり、彼女たちそのものだ。だから初めて聴く人の心にも深く刺さる。 ラストの楽曲『不協和音』で平手友梨奈が叫ぶ「僕は嫌だ！」は体の芯から絞り出すような魂の叫びだった。痺れた。理屈じゃない。あれを生で観れただけで今回このライブに参加できた意味がある。歌い終わって片手をつきながら立ち上がった彼女は全てを出し切って放心状態だった。 もちろんメンバー全員やり切った表情だ。クタクタで立っているのも辛いだろうが、爽やかな笑顔で挨拶をするキャプテン菅井友香。これからも謙虚・優しさ・絆を大切に頑張りますと言う彼女たち。大丈夫。彼女たちを観ていると、間違いなくこの子たちはさらに飛躍できると確信できた。