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みつお
トーク情報- みつお
みつお 吉本隆明著「マチウ書試論」批判-2
フランス語聖書を使った理由が分からないと先に述べたが、当時(1950年代)においてもマチウはマタイ、ジェジュはイエスと普通に用いられていた。それを何故誰のことか分からないフランス語直訳名を使ったのだろうか?
さて、吉本氏は最初に「ジェジュ(イエス)はマチウ書(マタイ傳福音書)の作者が史観を凝集してつくりあげた象徴的人物に外ならないと言える。」と断言しているが、イエスが実在の人物で有るかもしれないと疑わなかったのだろうか?そもそも研究書を読んだのかどうか疑わしい。イエスと同時代人のヨセフォスという人が書いた「ユダヤ戦記」にイエスについての記述があるが、それも知らなかったのだろうか?知らなかったのだろう。「ユダヤ戦記」にあるイエスについての記述が後の時代になって加筆されたという主張があることは知っているが、現在の研究成果は明らかにヨセフォス自身の記述であるという結論に落ち着いている。
つまり、最初の「マチウ書(マタイ傳福音書)の作者が史観を凝集してつくりあげた象徴的人物」だという大前提が崩されてしまうので、吉本氏のこの後の主張も勝手な考えを、無駄に長く分かりにくく述べて居るということになる。文学なら何を言ってもいいということは無い。マチウ書(マタイ傳福音書)を読んで、私(吉本氏)自身の生活、環境から感じることがあったので、それをこれから述べますというくらいの記述から始めるべきだった。つまり、これは試論などというものではない、単なる随筆だ。 - みつお
みつお 吉本隆明著「マチウ書試論」批判-3
「ユダヤ教に対する原始キリスト教の憎悪のパトスと反逆の倫理を追求した出世作『マチウ書試論』」と帯にある。実際、作者も「…ユダヤ教にたいする敵意と憎悪感…」と書いている。
何言ってるの⁈ ジェジュ(イエス)はユダヤ人だよ!弟子もユダヤ人。ユダヤの都にあるイスラエル教会の伝道の対象はユダヤ人、周りにはユダヤ教徒しかいないから当然そうなるよね。憎んでいる者に伝道など出来ない。
どうも吉本氏は「マチウ書(マタイ傳福音書)は西暦200年以後に書かれたと思っているらしいが、実際は西暦100年以前には現在の形に成立している。ここが決定的に間違っているので「憎悪」云々と書き、しかもそれが本書の中核を成しているので、全くのデタラメ、ナンセンス、勘違いの書と断言せざるを得ない。