#外科医
No.719
『外科医、島へ
泣くな研修医⑥』
中山祐次郎著
(2024/01/15 幻冬舎文庫)
2024/01/14
雨ちゃん(薮さん)、お疲れ様。たったひと夏の泡沫(うたかた)の恋、とても面白かったですぅ。
※この頃、西桜寺凛子が最強だと思える
「な、なんと……」シリーズも6作目。雨野隆治(31歳)も医師になってもうすぐ7年になる。外科医としてのキャリアを順調に積んでいる矢先に半年間だけの離島の医師(代打)に応募してしまうという展開に……。(焦らされるのは苦手では無いが、いい加減佐藤玲医師のエピソードが欲しいな😅)
神仙島(架空の島で、モデルは御蔵島と思われる)の診療所は瀬戸山所長と隆治の医師二人体制、手術設備も無く、外科医の腕の見せ所も無いのに……。無知で無力の研修医時代に逆戻りかと思っていたら、有能な看護師、半田志真に出会い、助けられ、外科医としてのスペシャリストに加えて総合的ジェネラリストとしての資質を自覚した様だ。またパワーアップしたな、おめでとう。
あっという間の半年間だったけれど、盛りだくさんの出来事に恋愛やミステリー要素が加わり、決して飽きなかった。豊かな自然と僻地医療の限界の対比など、またいろいろと考えさせられましたな。
東京でなら救えるはずの若い作業員を死なせてしまった時の隆治と瀬戸山のひりつく対立が切なくて胸が痛かった。どちらも間違いじゃない。その答えはその後の腹膜炎の患者に緊急手術に隆治が押し切って一旦結果を出すことに。
一番心拍数が上がったところがここだった。佐藤医師に電話で相談して「やりなよ、雨野」と予想通りの男前の答えをもらったところ。
一番突っ込んだところは、
「さようなら、志真さん。舌の上で転がした台詞を、言わずにそのまま隆治は飲み込んだ。」←ダメだこりゃ。張り倒したくなった。
😅てか、押し倒せや
半田志真さんと凛子の今後が気になりつつ、東京に戻った隆治の活躍?に期待したい。
あと4作で映画化決定だそうだ、いつまでも待ちますぜ、薮さん
【登場人物】
半田志真:神仙島診療所の看護師。170cmのショートカット。腎臓疾患で透析治療中。父(重造)は村の葬儀担当。
瀬戸山:診療所所長(外科医10年、島医療に32年従事)
繁田秀子:診療所看護師。バツイチ、一人息子(3歳)あり。
山井嵐(ヤマアラシ):何かとイラつかせる警官
市村於菟(おと):島の観光客。恋人は古田かなえ。
【蛇足】
謎の店、アンジェリーナ刈内商店の弁当は食わない方が良さそうだな。
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