#岩沢厚治
母が まだ 若い頃 僕の・・・・・・
もとい。
むかーし、昔、私の母親が、両親の介護兼同居をしている叔母夫婦の住んでいる北九州市へと、毎月のように通っていた頃のお話し。
その頃の、姫路駅の新幹線ホームへは、結構長い階段を登らなければならなかった。そこを、お土産やら着替えやらを詰め込んだ鞄を持って、母は、えっちらおっちら登っていたそうな。
そうしていると、後ろから「荷物、お持ちしますよ」と、長身痩躯の爽やかな青年が、自らもギターケースを担いでいるにもかかわらず、ヒョイと荷物を持って、ホームまで付いて来てくれたそうな。
「ありがとう、助かります」と母が言っていると、後ろからもう一人の、同じくギターケースを担いだ若者が「アイツ、結構力持ちなんで、大丈夫ですよ、任せて」と宣ったそうな。
そこではじめて階下を振り返った母は、結構な人数の女の子たちが、手を振っているのに気がついたそうな。
見送りに来ていたであろう、彼女たちの何人かは、柑橘類の描かれた、タオルやら、ウチワみたいな物を、振っていたそうな。
後日、私にその体験談を語った母親は、私に尋ねた。
「ホワイト、なんという二人組か、グループか、わからんね?柑橘類の名前かなんか・・・・・・知らんと?」
「うむうむ、それは間違いなく『ゆず』やな。荷物を持ってくれたんは北川悠仁や。もう一人は岩沢厚治」
「その人たちは、有名なの?」
「デビュー曲も大ヒット、アルバムも何十万枚も売れてるし、大ホールやスタジアムでコンサートする、所謂国民的スーパースターっちゅうヤツやで」
「あらま!!!!」
ホームで、母親が御礼のついでに少し話したそうな。
「あなたたち、音楽をしているのね。売れるように祈ってます。頑張ってくださいね」
それを聞いた二人は、声を揃えて爽やかに
「はい!!ありがとうございます!!頑張ります!!」と答えてくれたそうな。
そして、何度も振り返り、手を振りながら、反対のホームへと向かうのか、爽やかに去っていったそうな。
母は、無知を恥ずかしがっていたが、私は、いかにも「ゆず」のお二人らしいエピソードで、感謝とともに、今でも時々思い出し笑いしてしまうそうな。
むかーし、昔の、お話し。
( 。・_・。 ) ♪♪
#ゆず
#北川悠仁
#岩沢厚治