O_samu@ぬこバカ一代 橋本諦舟斎のトーク
トーク情報- 橋本 和馬
橋本 和馬 会員制のお寿司屋さん。
批判したい人は、何をどうしたって批判するわけですね。例えば
VIP、お金持ち、美食家相手にだけ商売するのか!
と批判する。でも、いろいろなお店で食べている人、その上で本当の味のわかる人…ということになると、どうしたって会員制にしなくちゃいけなくなるでしょ。そういう人たちと勝負したいならね。利益なんて度外視だと思う。
それで誰でも入れるお店を作ったら作ったで
会員制の方のお店とは違うものを出している!差別だ!欺瞞だ!
と批判する。店主がネタは同じでも出しているものは違いますと前置きしているのに。
前にも書いたけれど
【善意や好意で提供しても、すぐにそれが“当然”になるのが、悲しいけれど現実世界】
なんですね。はかってもらった便宜を、次回からはあたり前のことのように要求するようになるのが人間です。
難しいところです。 - 橋本 和馬
橋本 和馬 僕が若い頃働いていたお店のオーナーシェフは開店時間にとても厳しい人だった。
開店時間は、お店とお客様との最初の約束事
と言って。
ある日、外に並んでいるお客様がいたので僕が1分早めに開けようとすると、怒られた。
時間通りに開けなさい
と。
お店が終わって賄いを皆で食べている時にオーナーが言った。
外でお待ちのお客様のために1分早めに開店しようとした君の優しさは素敵なことなんだよ。それはダメじゃない。いつまでもその気持を持って接客してほしい。
でも、人間というのは悲しい生き物でね。
善意や好意ではかってもらった便宜は、次の日から”やってもらってあたりまえ”に変わる
んだよ。君が機転を利かせて対応したことが、次の日からは当然になる。君が1分早く入れたお客さんは、次から5分前に来て並ぶようになる。
だから客商売ってのはね、時には心を鬼にしなくちゃいけないこともあるんだってことさ。
今でも僕は開店時間を守らないお店には行かないし、早めに開けて仕舞うお店にも、実は行かないのはこういうことなんです。