今日、僕は光を失いました。(小説)
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- 松野チョロ松
松野チョロ松 小林と別れて、数分かたった。そんな時に僕の光は失われた…
「あ、小林に借りてた本、返してない。電話しなくちゃ…」と、僕はまだ新しいケータイを取り出して、小林に電話をかけた。
「もしもし、小林?この前借りた本を返したいんだけど、会えない?」
「おう、お前か。別に今日じゃなくてもいいぞ?」
優しい小林は別日でもいいと言ってくれた。でも、僕は今日返さなくては行けない気がした。
「いや、今日返すよ。」
と、話していた。
「了解、あの喫茶店の前でいいよな、今から向かう。じゃ、また後で。」
「うん、わかった。またあとd…」
"キィーーーー!!!"
なにか急ブレーキが聞こえた。僕は振り向くと、横から大きいトラックが迫ってくるのがわかる。避けようとしても、もう、遅い。トラックはすぐ横まで迫っているのだから…
僕はトラックに跳ねられて意識を失った。
僕は気がつくと、病室で寝ていた。
(僕は…小林に電話をしていた。それでトラックに…)
その時気づいた。
声が出ていない。 気づいたその瞬間、僕は震え始めた。僕はもう一つ気がついてしまった。
"歌が歌えない"
ということ。
震えと同時に目から涙が出てきた。
普通の人なら、生きていて良かった。声なんてまぁ、大丈夫だろ。なんて思うのだろう。でも、僕は歌えないということに不安や失望感、絶望感に包まれた。