置き場
トーク情報- ワカ
ワカ 人混みの中傘をたたんで
商店街を歩いてる。
君の好きな雑誌が置いてないと
いつも怒ってたあの本屋はまだあるよ。
1、2年前なのに懐かしく思うよ。
新しい苗字にはもう慣れました?
僕が名前を呼んだら振り向いてくれますか?
こんな雨の日に考えることじゃないけど
君が急行が止まらないと笑った
この街に僕は今も暮らしてます。
君が大好きだったお惣菜屋さんは
もうなくなって
代わりにできたドラッグストアが
誰かの帰りを待っている。
この街も君の知らない街になってきたよ。
だけどこんな街も悪くないと
ポケットに手を入れながら歩いてる。
2人の生活にはもう慣れましたか?
君が名前を呼んだら振り向けるかな?
こんな雨の日に考えることではないけど
君が準急に乗り換えたとむくれて
会いにきてくれた
この街で君の幸せを願ってます。 - ワカ
ワカ 親知らず
歯医者の帰り道
冬の夜風は親知らずを抜いたばかりの
僕には少し染みて
去年のクリスマスに
君からもらったマフラーを
腫れた顔を隠すように巻いて歩いた。
早く抜きなよって君に言われてたけど
痛いのが嫌で後回しにしてた。
君が正しかった。ありがとう。
吐いた息が染みて
やっぱり歯が痛いけど
早く家に帰ろう。
きっと君の事だから
忙しそうにしながら心配して
僕の事を待っているだろうから。
たまには帰っておいで
母親からの留守電を二人で聞いた。
君の事を話すのが
何だか恥ずかしくて後回しにしてた。
そのうちね。ごまかすようにつぶやく僕に
子供じゃないんだからと
寂しそうに君が笑った。
会わせたい人がいる。
吐いた息が染みて
やっぱり歯は痛いけれど
早く家に帰ろう。
きっと君の事だから
気にしてないフリして本当は
二人のこれからを気にしてるはずだから。