小さくて弱っていく鼓動は
私の手では支え切れないほどの重さで、どうしようもなく重くて
ただひたすらに呼びかけた
弱くなる鼓動と体温を必死に繋ぎ止めるけど
それしかできない
そんな自分は鼓動よりもっと弱くて
今度は有り得ないほどに硬くなった
温かさを身に叩き込むけど
出てくるのは綺麗な思い出ばかりで
涙なんて一滴も出てこなかった。
側を離れることもできず
ただ残る温もりに触れて見つめているだけ
眼に映るのはいつもと変わらない寝顔
見ていれば見ているほど動き出しそうで
毛が波打ってるようにさえ見えてくる
今にも鼻息が聞こえて来そうな。
手で水をすくうかのように
どうしようもなく簡単にこぼれていった
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