熱狂宣言２を発売と同時に本屋で２冊購入しました。久しぶりに本屋に行ったので、どこに平積みされているかわからず店員さんに教えてもらいました。家に帰って読むのが楽しみだと思っていたはずなのに、１ページ目を読んですぐに閉じてしまいました。その後なかなか開いて読むことができませんでした。 「銀座の空がこんなにも広いなんて、気がつかなかったな・・・・」 この一言で、私は自分が2020年4月に渋谷のスクランブル交差点に立ち尽くした瞬間をフラッシュバックしていました。 あとがきにもありますが、私は以前から松村さんの熱狂宣言２は東京オリンピック前後のDDホールディングスの飛躍と栄光が描かれるものと聞いていました。でも実際は全く違うものでした。病気を告白した１よりも、より一層過酷で苦しい現実との戦いが描かれていました。一行一行読み進めれば進めるほど、苦しくて息ができなくなる思いでこの本を読み終わりました。 私は有難いことに、松村さんに直接お会いしたりお話しさせていただく機会をいただいています。藤井は高校生の時に松村さんをテレビで観て、とてつもない憧れを持ち飲食業界に飛び込みました。 私は19歳の頃には飲食業で働くことを夢見て、自分のお店を持つことに憧れを持っていました。初めて思いついた業態は今でも鮮明に覚えています。大学のルーズリーフに思いつくままに書きまくりました。詳細は書きませんが、私は日本の神話や童話をモチーフにした飲食店を作りたかったのです。神話や童話の数だけ店舗を作りたいと思って何パターンも考えたものでした。大人に話すと、「お前には無理だ。」と一笑されて終わりました。悔しかったです。 でもそんなある日、テレビの情報番組にDDの新店舗が特集されていたのです。銀座にオープンした「竹取百物語」でした。ものすごい衝撃と共に、感動したのを昨日のことのように覚えています。 『こんなすごいお店を作れる人がいるんだ。。。。』と憧れと共に、自分の非力さと情けなさと色々な気持ちが交錯しました。 あの時、どんな人なのか全くイメージの湧かなかった雲の上の人は、とてつもない強さと信念を持っている人でした。 飲食業界そのものコロナでとてつもないダメージを受けました。これからもそのダメージの負債を払い続けなければいけません。 小さな飲食店でも苦しいのに、上場企業でありあれだけの店舗数・スタッフを抱えるDDの苦しみはどれほどだったか。。。この本にはその苦しみが事細かに書いてあります。会社を守るために、生き残るためになんでもする。松村さんの気持ちがひしひしと伝わってきました。 2020年6月、私は見城さんと近藤代表の多大なお力添えがあって赤坂にお店をオープンすることができました。1人一鍋ということもあり、コロナ禍でも開店当初は多くのお客様が来てくれました。有り難かったです。ですが、その裏ではたくさんの嫌がらせを受けていました。本当に酷い嫌がらせが続き、スタッフも疲弊し切っていました。ある日、それを松村さんにお会いした時になんとなくお話しさせていただきました。その時は松村さんは静かに聞いてくださっていました。 ですが、それから数日してすぐにお一人でフラッとランチにお越しくださったのです。あまりにも突然で、私も藤井もいない状況でした。 松村さんは秘書の方とカウンターで食事をとり、その後店長である百瀬に声をかけてくださいました。 「一緒に入口で写真を撮ろう。」 その後、その写真はすぐに松村さんのFaceBookに投稿されました。 「僕は、ひとりしゃぶしゃぶ七代目松五郎を応援しています。」と言葉が添えられていました。 その投稿後、嫌がらせの全てが止まりました。 松村さんの優しさに感動し、心から感謝しました。 本を読むと、普通の人なら当時私たちを気に掛けている場合ではない状況だったのがわかります。自分や自分の会社のことだけを考えるのに必死で、他の飲食店のことなんて放っておいて当たり前の状況だったのに、わざわざ私たちに気持ちを寄せて行動してくださいました。 これは松村さんが本来持っている優しさと強さなのだとは思いますが、それをより強固にしているのは見城さんが松村さんを支えていらっしゃったからだろうと思いました。本の中にもたくさん触れられていますが、見城さんが松村さんに愛を向けていらっしゃるから松村さんはより強くなり私たちにも愛をくださったのだと思います。 この本は、松村さんの戦いの日々を克明に記されています。そして、松村さん自身の愛の深さやエネルギーの強さも書かれていますが、見城さんや近藤代表の愛情深さもたくさん書かれています。松村さんが愛情深く多くの人たちと繋がりを持ってきたからこそ、たくさんの人からの愛情が向けられているのだと思います。あんなにも過酷な状況にも関わらず、人に愛情を持って接し、人を楽しませたい、人を喜ばせたい、その一心でDDという会社を守り続ける松村さんをより一層尊敬し大好きになりました。 この本を読んだら、DDのお店にたくさん行きたくなると思います。ぜひDDのお店に行ってみてください。美味しい食事と、楽しい空間とサービスを約束してくれています。松村さんが描く飲食業界の未来を私も一緒に歩いていきたいです。