「栞」はどうかな??
24.雑誌を切り抜いて、大きなセロファンテープで挟んで、手作りのしおりを作ったの。大好きなものをたくさん詰め込んだ、たった一つのしおりよ。
セロファンテープ独特の匂いがして、ガタガタで、空気も入っていたけれど、それでもわたしは、それを使った。何冊もの本を一緒に読んだ。記憶を共にしたのは、私と、その栞だけ。
きっといまなら、もっと上手に、きれいな栞がつくれるけれど、あの頃の栞に勝てるのはもう作れないと思うの。あの時の溢れ出る大好きと、あの時のいろんな気持ちをずっと一緒に見てきたから。
いまでも、ずっと、たいせつにとってある、わたしのともだちのはなし。
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