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ヤスナガ

続き 内定者面談の音声(1) A君「ナメてるように見えるってことですか?」 山﨑専務「その受け答えのお前の横着(おうちゃく)い対応、なんだこの野郎って言ってんだ。すみません。改善します。それ以外にお前はないぞ」 A君「はい、わかりました」 山﨑専務「お前次やったらホント殺すぞ、この野郎。誰に対して口聞いてるのか分かってんのか。ねぇ?」 A君「はい」 山﨑専務「ホント、イラッとさせるね」 A君「すいません」 山﨑専務「ハイ、ハイ、ハイって、お前の持っている雰囲気だろうな」  後述のとおり、山﨑専務の社内処分はなく、いまだに山崎専務からA君への謝罪もない。代わりに「殺すと言ったのは教育のため」などと言い訳し、吉田知明社長はそれを認めた。このようなブラックな指導法が、スダンダード社のスタンダードな教育手法ということだろう。コンプラ感覚が常軌を逸している。  この事件が起きたのは、2016年11月1日だった。場所は、福岡市博多区にある株式会社個別指導塾スタンダードの本社(非公式な宴席での発言ではない)。同社は、首都圏ではあまり馴染みがないが、福岡発の急成長企業として、地元経済界では注目される存在。創業は2001年ながら、現在ではすでに北海道から九州に至るまで、日本全国で400以上の校舎を擁し、東京でも表参道や市ヶ谷などに6校舎を構えている。香港にも進出済みだ。  メディアへの露出も活発で、新卒採用ページには、『「働きたい会社」九州5位』と、日経新聞での掲載実績が喧伝されている。また「代表のリーダーシップ」として、代表取締役の吉田知明氏が、『AERA』(2014年12月29日―1月5日合併号)で「日本を突破する100人」に選出されたことをPR。何も知らない人が見たら、まるで“みんなが働きたい急成長企業”にも感じられるだろう。  同社公式サイトによれば、経営理念は「低価格でより良いサービス」。高校1年生がスタンダードに月4回通う場合にかかる費用は、入会金なしで1コマ75、月4回で1,1600円となっており、これは同業他社のトーマスや東京個別指導学院と比べても安い。個別指導だけど低価格、というのが躍進の秘訣と言えそうだ。  ともかくも、既卒生として就職活動をし、そんな急成長中の教育企業への入社をなんとか決めた九大卒のA君は、その日、配属先を検討するための内定者面談に臨んでいた。普段から「能力は高いが、生意気」と評価されることが多いというA君に怒りを覚えたのだろうか、同社の山﨑寿志専務は次第に語気を荒げていく。  「何でお前そんな受け答えが舐めてる感じするわけ? お前にそこに反論する余地はあるのか?」  「お前次やったら殺すぞ。この野郎。誰に対して口聞いてるのか分かってんのか」  などと、入社後の流れや配属先、そして「教育企業で何をしたいのか」という話題などをアレコレと話すうちに、山崎専務の口調は、徐々に度を外したものになっていった。  おまけに、山﨑専務は、母親が病気だったというA君について、「休学して母親の看病をしていたから、お前は性格が歪んだ」などとも発言した。 ◇入社後の冷遇を示唆  その後も、山﨑専務は、自分がダメだという烙印を押したら、A君はずっとコールセンターかもしれない、という趣旨の発言を続けた。さらに、「親心として自分がバカだってことを話してやらんと、と思っている」などと述べている。  「俺が人事権を持っているって知っているわけ?」  「お前は内定を辞退する権利は持っているけども、俺はお前はダメだという権利を持っている」  面接が1時間を超え、職種選択に関しての話し合いが持たれたころ、事態はさらにヒートアップしてしまう。茶色がかっていて長めだったA君の髪型や、履歴書の写真について追及するなかで、山﨑専務はついにこう叫んだ。  「ふざけんな貴様コラァ!」  「いい加減にしろよ貴様。ずっと堪えて、なんとかしたろうと思っていたけど」  そう言うと、山﨑専務は部屋を出ていってしまった。その直前に「取り消しですか?」と聞くA君に対して山﨑専務は「どっちでもいい。要するにお前が教室長になることはない」と答えた。 http://www.mynewsjapan.com/reports/2330

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