泣くな研修医シリーズは、全部読んでいる。
「やめるな外科医」も当然、読んでいる。
ただ、感想は書けてない。
今回も、感想がお蔵入りになりそうなので、箇条書きしたい。
桜の咲く季節から始まる葵ちゃんたちの物語。
さくら色の表紙に携帯をもち、雑踏の中に佇む隆治が、物語のクライマックスを思い起こさせる。
目と耳だけが異常に冴えわたり、思考が停止した情景を見事に表している。
物語の中に出てくる登場人物、特に、葵ちゃん。「普通の」人生を送りたかった無念の気持ちが、ブルゴーニュレッドのドレスや麦わら帽子に手をかけた写真などから、ヒシヒシと伝わってくる。
誰もがそれぞれの事情をもち、自分が輝ける場所を、人を探している。
命の期限という、切ないタイムリミットを前に、自分と折り合いをつけて旅立っていく。
そんなことを、考えさせられた物語だった。
物語の前半部分は、腹上死?を連想させるような場面もあり、とても現実的な描写もあり藻面白かった。
途中、隆治が「痛みを表現することは難しい」という場面かあったが、是非、
「東日本大震災とオノマトペ」問題も今後の物語に組み入れて欲しい。
ドラマの影響もあってか、凛子の顔が恒松祐里さんとシンクロしてしまっていることは、心にしまっておこう。
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