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ろこ
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[暗殺] 柴田哲孝著 幻冬舎 この本が届いても、なかなか読み進めることができずにいた。2年前の7月8日、動揺と放心状態の中、755で皆さんとお祈りしたこと、奈良に住む甥っ子が6月末の奈良の応援演説場所に行き、安倍元総理の写真を送ってくれたこと、そのあとすぐにあの事件が起こり、あまりのショックで彼が泣いていたことなど、あの日の記憶が鮮明によみがえったせいだと思う。書けそうになかった感想は、見城さんの755で皆さんの感想を読んでやっと書いてみようと思えた。あのときも今回も、755は私にとっては痛み分けのような存在であると感じながら、昨夜読み終わった。 最後までフィクションとして読むのは難しかった。あの日の夜、緊急手術を行なった教授の記者会見や、奈良県警の会見を思い出しながらページをめくった。銃のことが書いてある箇所は怖くて息切れした。全てがあの事件の記録のように思えてならなかった。 エピローグ、篠山が日本人は物事を忘れやすいと、口元に笑みを浮かべるシーンを読んで、この2年間いろいろなことに違和感を感じながらも、のんきに過ごしてきた無知な自分が恥ずかしくなった。政治や社会問題に対する関心もだんだんと薄れ、なかなか意欲も湧いてこなかった。でもやっぱり生き抜いて自分の目で物事を確かめたい。久しぶりにそう思えた。忘れられない貴重な読書だった。

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  • ろこ
    ろこ

    やっと視聴できた田中一村の日曜美術館。20代の頃の一村の作品、金屏風いっぱいに描かれた椿の絵は躍動感に溢れていてハッとしました。無我夢中でやっても成果が出ない悔しさが滲み出ているような作品を観ていると、自分の思春期も思い出して心打たれました。奄美大島に移住して描かれた晩年の作品「不喰芋(くわずいも)と蘇鐡(そてつ)」には、蕾から花が咲いて実が成り、朽ちていく不喰芋の一年が凝縮されていて、一年前から介護生活になった母の姿がこの絵の描写と重なりました。老いていくのは自然なこと。頭ではわかっていてもいつまでも元気でいて欲しいと願ってばかり。それはやはり私のエゴだとあらためて気づかされました。なかなか手放せませんが。小さい頃から花や自然の中に身を置くことの大切さを教えてくれた祖母や母のことを思い出せた時間でもありました。見城さん、教えていただきありがとうございました。

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    一村の絵に描かれたクマバチや朽ちた蓮池など、ちょうど先週写真で撮っていたのでなんだか嬉しかった。

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    幼なじみと母校近くのお蕎麦屋さんへ行ってきました。