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メロン兄

エピソード.14 ブレイバルは怪人に合図をし、崖の上に行った。 「ふっ、高みの見物とするか。」 すると俺たちの前には大量の怪人。俺たちは勢いよく戦い始めた。 「はっ、ふっ。」 「はあ〜、てりゃっ。」 1人の相手の量が多すぎる。パンチ、キック、次々に放ち、敵を粉砕していった。やがて俺は吹き飛ばされた。 「うっ。この量……」 巧もやられて転がってきた。 「大丈夫か?巧。」 「あ、ああ。」 するとそのとき後ろの方からバイクの音がした。するとバイクは俺たちの近くで止まり、乗ってる者が降りた。直也だった。 「直也!?どうして…」 「彼らは俺を救ってくれた大事な仲間だ。そんな仲間を見捨てるわけにはいかない。だから俺も戦う。ベルトはまだ使えるようだ。もう俺は首領に操られていない。だからベルトを使っても自分の意思で動ける。」 するとベルトを腰に巻き、俺たちの方へ近づいてきた。 「変身!」 そう直也が叫ぶと、直也は仮面ライダーアンビサスに変身した。 「直也、ありがとう。一緒に戦おう。」 俺たちは横に並び、構えた。3人揃うのは初めてだった。 「仮面ライダー5号!」 「仮面ライダー6号!」 「仮面ライダーアンビサス!」 それぞれ名乗り、俺たちは再び戦い始めた。直也が加わったことで1人の相手は減り、戦いやすかった。 仮面ライダー6号。彼は電気を得意としたパンチなどの攻撃を繰り広げていた。次々に怪人が減ってゆく。なんども戦ったことで彼は強さが精神的にも肉体的にも成長した。 仮面ライダーアンビサス。彼は赤い体の戦士。見た目は怪物だが、中身は強い。彼の右手には大きなハサミがあり、剣としても攻撃することができる。左手にはマグナムが付いており、銃のように攻撃できる。 仮面ライダー5号。そう、俺は風を操り、敵を粉砕する。高くジャンプし、竜巻を起こしながら着地する。そして風に乗りながらキックするサイクロンキック。 着々と怪人、戦闘員たちは減っていき、俺はライダーキックを放ち、残りのやつらを倒した。 そして仮面ライダー6号は、右手に電気の力をため、ライダーパンチを放った。 仮面ライダーアンビサスは左手の攻撃で敵を抑え、ジャンプし、ライダーキックを放ち、倒した。 怪人たちは全て倒した。するとブレイバルは言った。 「ふっ、なかなかやるな。だがまだ終わったと思うなよ。はっはっは。」 するとブレイバルはさらに怪人3体を召喚した。しかしこれまでのやつらとは明らかに違う。強そう… 「彼らは、わがショッカーが誇る強き怪人たちだ。」 スーパーアポロガイスト、ユートピアドーパント、アークオルフェノクというらしい。 俺はスーパーアポロガイスト、巧はアークオルフェノク、直也はユートピアドーパントと戦い始めた。やばい、さすがに強い。だが負けるわけにはいかない。するとアポロガイストはバイクに乗り走り出した。だったら俺も。俺はバイクに乗り追いかけた。前に走るやつは攻撃をしてくる。バーン、バーンと俺が避けた攻撃が後ろで爆発する。俺はバイクに備え付けられているボタンを押し、ミサイルを発射した。なかなかやつに命中しない。当たるとやつは運転のバランスを崩した。逃げようとするやつを俺はバイクで突っ込み、落とした。さらにバイクで斜めに走行しながら、武器の銃モードで粉砕した。 巧と直也もなんとか怪人を倒したようだ。よし、あとは博士を倒すだけ。3人はブレイバルの方を向き、構えた。しかしブレイバルはまだ余裕があるような態度だった。 「ふっ、怪人は倒されても、まだ使えるやつはいる。」 するとブレイバルは俺たちの前に何者かを召喚した。その姿は怪人とは呼べなさそうな… どちらかというと仮面ライダー? 顔、体に縦線、青い仮面。右手には拳銃。そしてブレイバルは言った。 「やつは、仮面ライダーディエンド。」 つづく

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「仮面ライダー5号」
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    エピソード.9

    変身を解いた巧の元に佳菜美から電話がかかってきた。
    「もしもし、今どこにいるの?ちょっと来て欲しいんだけど。」
    「佳菜美さん。分かりました。戻ります。」
    巧は再びバイクに乗り、博士の家に向かった。
    家につくと早々佳菜美が言った。
    「ねえ、これを見て。」
    と、指差したのは俺のベルトだった。
    「ん?どうした?」
    「ベルトをよく見ると、まだ動いているのよ。さっき調べてみたんだけど、ベルトがはずれなくて、よく見たら中心部分がまだ回ってて。」
    「ってことは、どゆこと?」
    「つまり、まだ死んでないかもしれないってこと。」
    そして博士が言った。
    「ああ、ワシが調べたところ、人間としては機能は停止している。じゃが、仮面ライダーとして、改造人間としては、まだこのベルトに雅治の意思が残っているということじゃ。」
    「じゃあ、まだ希望はある!」
    そう、まだ俺は完全に死んでいなかったのだ。なんとかなるかもしれない。そう、みんな思ったが、
    「でも、どうすれば……」
    と、佳菜美がつぶやいた。すると巧が、パッとなにか閃いたようにした。
    「そうか、雅治が前に戦ってピンチになっているとき、俺たち人々が掛け声をかけたんだ。そしたらその声援が届き、仮面ライダー5号は進化形態になったんだ。だから、みんなで気持ちを合わせれば!」
    「やってみる価値はありそうじゃ。」
    「うん、やってみよう!」
    今、みんなの気持ちが一つになった気が巧はしていた。すると、玄関のドアが開き、だれかが入ってきた。
    「私も、力を貸します!」
    なんと優希だった。しばらく顔を出さなかった優希は、真斗に呼ばれこの家に来たのだ。
    「じゃあ、5人で!」
    みんなは一斉に俺の腰に巻いてあるベルトの中心に手をかざした。そして目をつぶった。

    俺は再び白くなにもないところにいた。すると後ろから名前が呼ばれた。
    「雅治!」
    「詩央里!」
    詩央里だった。確かに詩央里である。
    「ねえ、今度はここで一緒に暮らそ?」
    「うん!」
    俺は嬉しくなった。すると詩央里の後ろから父と母が来た。俺の方を見て笑った。両親の笑顔を見たのはなん年ぶりだろう。両親は言った。
    「雅治!こっちへおいで!」
    俺は涙を流しながら笑いながら3人の方へ走った。
    「父さん、母さん、詩央里!」
    だが、そのとき俺の後ろから声が聞こえた。
    「だめ、そっちへ行っちゃだめ!」
    優希であった。
    「優希……
    ああ、もう俺はいいんだよ。俺はもう死んだんだ。俺がいたって意味はない。今更戻ったって……」
    「なにを言ってるの、雅治!あなたはなんなのか知ってるでしょ!仮面ライダーでしょ!そんな仮面ライダーは町の人をほったらかしにしといていいの?あなたを待ってる人がいっぱいいるのよ!全力でやるべきことをやり通す、それが仮面ライダーってもんでしょ!」
    「優希……」
    すると詩央里が言った。
    「だめよ、戻らないで、私と一緒に暮らすのよ!」
    俺は考えた。そうか、まだ希望があるなら。もういない人間についていくより、悲しんでる人を助けたほうがましだ。だったら…
    「ごめん、詩央里。俺は、俺は。」
    「行かないで、雅治!」
    すると俺の体は勝手に詩央里の方に引っ張られていった。くっ。思い切り踏ん張った。
    すると俺の腰を優希が抑えた。さらに優希の後ろに4人の人が俺を引っ張っていた。
    「雅治!いっちゃだめよ!」
    うわーーーーーーーーー…………
    俺は光に包まれ、意識は飛んだ。

    目がさめると、そこは博士の家の天井だった。俺を見てみんな涙を流し、笑っていた。
    「雅治…」
    「雅治!」
    「先輩!」
    俺は自然と笑顔になった。俺は、蘇った。
    「生き返ったかいがあったよ、優希たちの笑顔が見られて。」
    俺自身もホッとしていた。俺はベッドからスッと立ち上がり、言った。
    「行ってくる、俺はやるべきことがある。倒さなければいけないことがある。」
    「雅治、気をつけてね。」
    俺はバイクに乗り、走り出した。街に行くと予想通りショッカー戦闘員と直也がいた。
    「きさま、生き返ったのか…
    しつこい奴め。」
    「直也、俺はあんたを倒す。必ず。」
    すると直也は仮面ライダーアンビサスに変身した。そして俺は仮面ライダー5号に変身した。
    「変身!」
    さらに強化形態になった。勢いよく戦い始める俺たち。
    「はっ、はっ、ふっ。」
    「おりゃ、とおっ。」
    激しい戦いの末、また俺はやつの攻撃に引っかかった。太いなにかで俺を巻きつける。
    「うっ。」
    身動きが取れなくなったが、背中から翼を出し、吹き飛ばした。すると、後ろから佳菜美がやってきた。
    「雅治さん、これ使ってください!」
    渡されたのは大きな武器だった。剣モードと銃モードに変形できるらしい。
    「ん、これどうしたんだ?」
    「お父さんが開発していたの。雅治さんのために。」
    「博士が?じゃあ、さっそく使ってみっか。」
    俺は剣モードにし、攻撃した。切れ味がいい。さすが博士だ。次々とやられていくアンビサス。そして銃モードで撃ちまくる。やがてアンビサスをしとめた。あとは倒すだけ。俺は6枚の翼を広げ、空に上がり、太陽から一気にキックを放った。
    「はーーーーーーー」
    するとアンビサスは爆発した。爆発の中から直也が出てきた。彼は蘇ったが、蘇ったのは誘拐される前の本物で優しい方の直也だったのだ。俺に笑顔を見せた。俺も空をすがすがしい顔で見ていた。

    つづく

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    エピソード.10

    「ワシはちょっと出かけてくる。」
    と、博士は家から出た。行き先は分からない。
    俺はお墓に来ていた。詩央里の墓の前で目をつぶり、手を合わせる。そして詩央里が好きだった花を置いた。
    「詩央里……」
    だが、あのショッピングモール襲撃事件の被害者は詩央里だけではない。たくさんの人々の幸せを奪っていった。だから俺はこうやって週に1回以上はお墓参りに来ている。もう二度とあんな悲劇は見たくない。

    そのころショッカー基地では謎の部屋で怪人や戦闘員たちがなにかの準備をしていた。すると奥の方からだれかやってくる。
    「君ら、巨大メカ計画は進んでおるのか?」
    彼こそ、ショッカーを復活させた、大首領とも呼べる強そうな怪人なのである。
    「はい、進んでおります!」
    「そうか、ならよかったの。じゃが、もっと早急に進めたまえ。人間の悲しみの力と死んだ者への感情をもっと集めたまえ。」
    「イー!」
    巨大メカ計画とはなんなのか…
    そして大首領はサキが閉じ込められている部屋にやってきた。するとチーターカタツムリ怪人が言った。
    「アンビサスが仮面ライダーに倒されたようです。」
    「そうか、別にいい。やつはただの実験体の一部にすぎない。一番大事なのはこの少女じゃ。」
    「そうですか。」
    「なぜならこの少女はすでに何年も前に死んでおるのだから。ワシらが実験しておる『死者を蘇らせる』実験の第1号なのじゃから。彼女を蘇らせ、うまくいったかと思っておったが、あのとき脱走するとはな。この少女の力でさらに死者は蘇る。はっはっはっはっは。」

    俺が帰ろうとすると、悲鳴が聞こえた。俺はその先に行くと、悲鳴をあげたのは会社の少し上の先輩の美咲さんだった。
    「美咲さん!?どうしたんです?」
    「葛西くん。あれを見て。」
    美咲さんが指差した方を見て、俺も驚いた。そこにいたのは、何年か前に事故で亡くなったとされる同じ会社の椿さんだった。まさか、死者が蘇ったというのか!?すると椿は言った。
    「やあ、久しぶりだね。僕と一緒に来ようよ。さあ。」
    その明るい声に俺たちは震えた。なぜ……
    すると周りでも同じ現象が起きていた。墓地でこんなことが起きるなんて不気味だなあ。
    「椿くん……あなたはもういないんじゃ…」
    「僕のこと、嫌ってるの?じゃあ、力ずくで!」
    すると椿さんは怪人(フィロキセラワーム)に変身した。他の死者も怪人に変わった。なぜだ。なぜなんだ。やっぱりショッカーの仕業か…
    そうか、直也が蘇ったのと同じだ。
    「美咲さん、下がっていて。必ずなんとかしますから。」
    俺は変身し、次々と怪人と戦った。やがて2体を倒した。残るは椿さん。
    「貴様、ただ者ではないなー。」
    「ああ、仮面ライダーだからな。」
    俺はライダーパンチを放ち、吹き飛ばした。そして一気にライダーキックを放ち、粉砕させた。すると椿さんの魂は元のお墓に戻った。
    「ありがとう、葛西くん。」
    俺は変身を解いた。すると詩央里がいるように見えたが、目を拭くといなかった。気のせいか……

    つづく

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    エピソード.11

    「レッツ、変身!」
    彼は白いライダーに変身した。
    「ん、なんだこのロイミュード、ナンバーに数字がない。」
    彼が戦っていたロイミュードのナンバープレートを見ると、「ーーー」と書かれていた。
    「まあいい。とにかくマッハでぶっ潰す。」
    彼はベルトのボタンを押し、必殺を放った。あっけなく2体のロイミュードは消滅した。
    「なんだったんだ、あのロイミュード。」
    変身を解くと、彼の横に幕が現れ、吸い込まれていった。
    「うわーーーー」


    俺と巧は日々、ショッカー怪人と戦いを繰り広げていた。町中では「死者が蘇る」という事件が相次いで発生し、また死者は怪人になり暴れだすという奇妙なことがおき、俺たちはその怪人たちを始末するのにおわれていた。今日も何体の怪人を倒しただろうか。巧は熱を出してしまった。
    「死者が蘇る…なぜショッカーはこんなことを…」
    そんなある日、俺の勤めている会社がショッカーに襲われた。会社に着き、中に入ると怪人たちはうじゃうじゃいた。
    「なぜこんなことを…」
    俺は素手で怪人たちをなぎ倒しながら、進んだ。やがて階が上がり、同じ仲間がいる部屋が見えてきた。廊下で華麗に動き回った。生身のアクション。怪人たちは減らない。中に入ると、怪人と、逃げそびれた同じ仲間たちがいた。
    「雅治、助けてくれー」
    「ああ、分かってる。ちょっと待ってろ。」
    俺はショッカーたちを切り抜けながら、仲間のところへ向かった。
    「大丈夫ですか?」
    俺は出口に誘導した。そしてショッカーの方を向き、構えた。
    「変身」
    風に包まれ、俺は仮面ライダーになった。すると怪人があちらこちらからきた。しばらくすると窓の方に椿が現れた。
    「俺はもう一度蘇った。前にできなかったことをやり遂げる。」すると怪人に変わり、美咲さんの方へ歩み寄ってきた。美咲は恐怖で震えていた。
    「おい、椿、やめろーー!」
    怪人になった椿は美咲さんを襲う、かに見えたが、椿は近くにいた怪人に攻撃した。
    「椿?どういうことだ?」
    「俺はせっかく蘇ったんだ。だから、美咲さんとこの会社のために戦う。こんな姿だけど。」
    「なんだかよくわからないけど、一緒に戦ってくれるんだな。よっしゃ、いくぜ!」
    俺は椿と一緒に並んだ。そして残りの怪人と戦いを繰り広げた。椿たちの戦いを見ると、普通の人からしたら怪人と怪人が戦っているようである。やがて俺の前に謎の怪人が現れた。他とは違う。まるで首領。するとやつはいった。
    「ふっ、計画は進んでおる。そしていずれこの世界は黄泉の世界と一つになるのじゃ。」
    と、言い、去っていった。
    「なんだったんだ、あいつ。」
    椿は一階のフロアで戦っていた。もうものはめちゃくちゃであったが、怪人を倒すしかない。俺は部屋で戦った。こっちも物が散乱していた。俺は敵に押し込まれ、コピー機にぶつかった。やがて押し倒すとカレンダーが敗れた。俺はデスクの上のライトで怪人を叩き、飛ばした。怪人は椅子を投げる。俺はダンボールで防ぐ。するとダンボールに入っていた書類がバラバラに飛び散った。すると怪人は窓を割り、外に逃げた。
    「待て。」
    そのころ、椿はフロアで怪人たちを倒した。大きな爆発が聞こえた。
    俺は窓から下を見下ろすと、怪人は逃げて行こうとしていた。俺は窓から飛び降りながら、キックを放った。見事命中し、爆発した。
    「やりましたね。」
    変身を解いた椿がそう言った。
    「ああ。」
    すると椿はだんだんと消えていき、やがて消滅した。
    「椿……」
    俺は仲間と一緒に部屋に戻った。
    「すまない、こんなにめちゃくちゃにしてしまって。」
    「いや、大丈夫だ。それより、社員を守ってくれてありがとう。」
    「あのー、なぜショッカーはこの会社を襲ったんでしょう。なにかなくなったものとかありますか?」
    「ん〜、そいえば、ここにあったファイル!」
    1人の社員が指差した棚に一冊だけ、ファイルがなかった。
    「ここは社員の名簿が載っているやつだ。」
    「ああ、この年だけない。やはりショッカーに奪われたのか。確かこの年は椿くんが亡くなった年。」
    「ん、どういうことだ?」
    俺は帰り道に考えた。あたりはもう夕暮れ。社員名簿を奪ったのはさっきの首領っぽいやつなのか。だがあいつの喋り方、どっかで聞いた覚えがあるな。もしやつが奪ったとして、なぜ…
    あ、まさか。そいえば、椿は事故死であったが正確に真相が明らかになっていないと言った。あの社員名簿に殺した犯人が載っていたのか。だとするとあの会社の社員が殺した。そして今はショッカーの首領…
    いったい犯人はだれなんだ。首領はだれなんだ…
    ん、まさか……

    つづく

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    エピソード.12

    俺は博士の家に戻った。ベッドの上では巧が寝ていた。ちょうど起き上がったところだった。
    「巧、大丈夫か?熱はどうだ?」
    「ああ、すまないな。うーん、熱はだいぶ下がったよ。」
    俺は思い出した。そういえば、俺が仮面ライダーになりたての頃、高熱を出して一晩苦しかったことを。巧も無理に戦いすぎて同じ状況になっているのか…
    「なあ、手がかりはなにか分かったのか?」
    と、巧は聞いた。
    「ああ、なんとなくな。それが…」
    俺は前に入った、本がたくさん並んでいる部屋に入った。あの本を俺は探した。やはりなかった。俺はさっきの首領と思われるやつのしゃべり方がだれなのか、当てはまった。やはりやつは自分の罪をなかったことにするため、本を持ち去った。よし、ビンゴだ。あとは潰しにいくだけ。念のため、佳菜美さんに聞いた。すると俺の考えと答えは一致した。
    「俺は行ってくる、巧は寝てろ。」
    「いや、待て!俺も行く。俺だって仮面ライダーなんだ。」
    「そうか、無茶はするなよ。」
    「ああ。」
    俺は確信した。決着はもうすぐだ。

    基地に着くと俺たちは一気に走っていった。だが、気づかれ、戦闘員たちが襲ってくる。
    「雅治、ここは俺に任せろ。お前は行け!」
    「そうか、頼んだ。だが約束してくれ、絶対に死ぬなよ。」
    「そっちもな!」
    俺は奥に進んだ。やがてサキが見えてきた。サキがいるガラスケースをなんども叩いたが、開かない。
    「くっそー。」
    そのとき首領が現れた。
    「貴様、サキに何をする気だ!」
    「ふっ、その子の名は、サキではない。」
    「なに!?じゃあ……」
    「そのやつの名前はシオリだ。」
    「シオリ!?いったいどういうことだ?」
    すると怪人たちが現れ、俺を襲った。するとサキの体が光り、どこかに転送されてしまった。
    「待て、サキ!いや、シオリ……なのか……
    とにかく助けないと。」
    「ふっ、貴様がやつを助ける必要などない。すでに死んでおるのじゃからな。はっはっは。」
    と、言い、去っていった。とにかく怪人たちを潰す。

    そのころ基地の別の場所では、ショッカー基地の力の源とされる「サファイア」というものを狙い、1人の青年が潜り込んできた。
    「ふっ、あれか。あのお宝は僕が頂く。」
    やつは銃を巧みに操り、ガラスを割った。すると奥の方からあの首領が現れた。
    「また別世界からの来訪者か。基地を狙うとは、邪魔じゃな。」
    「この基地には壮大な夢が詰め込んである。だから僕が手に入れ、最高のお宝として永遠に僕の手の中にしまっておくのさ。」
    「これが欲しかったらワシを倒せ。」
    「ふっ、面白い。」
    すると彼はポケットからカードを取り出し、銃を構え、そこにカードをセットした。
    《カメンライド》
    銃を上に向け、
    「変身!」
    《ディエンド》
    すると彼は青いライダーに変身した。そして首領と戦い始めた。さすがに首領は強い。相手が攻撃してもバリアを放ったり、避けたり。そしてそのライダーは吹き飛ばされた。
    「ふっふっ、そんなものか?」
    「ならば、面白いものを見せてやろう。」
    すると再びカードを取り出し、セット。銃を前に向けると、さらに仮面ライダーが召喚された。
    《カメンライド・バロン》
    赤い体に黄色の鎧のライダーである。すると首領を襲う。
    「ほう、他のライダーを召喚できるのか。」
    バナスピアーと呼ばれる剣で攻撃を繰り返す。首領は青いライダーの方に怪人を召喚した。やがて戦いの末、首領と青いライダーは同時にライダーと怪人を倒した。すると首領は言った。
    「邪魔じゃ、消えろ。
    いや、利用できるかもな」
    と言い、青いライダーは彼の力に吸い込まれていった。

    怪人たちと戦っていた俺は倒し終わった。巧も戦闘員を倒し、俺の方に向かってきた。だが、俺たちは謎の幕が現れ、その中に吸い込まれてしまった。
    中に入ると変身が解けながら俺たちは転がっていった。顔を上げ、あたりを見るとそこは砂と石、岩や崖ばかりがある広い場所だった。風が吹き、砂埃が上がる。

    つづく

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    エピソード.13

    すると俺たちの前にショッカー戦闘員、怪人たちを連れ、首領がやってきた。
    「仮面ライダーどもよ、これで終わりかい?」
    「あんたを倒す前に正体を現せ。」
    俺はそう言った。
    「ふっ、正体?これがワシの真の姿じゃよ。」
    「いや、あんたは、あんたは………
    博士、茂義政だ!」
    俺は唇についている血をはらいながら言った。すると首領は変身を解き、博士の姿に戻った。
    「ワシの正体を知っていたのは当然のことじゃな。」
    俺は話し始めた…
    「博士、あんたは何年前かに俺と同じ会社に勤めていた。だができた後輩はなかなかいうことを聞かず、博士はしかるばかりだった。その後輩の名は花寄椿。椿さんは美咲さんと仲良くなり、あなたは椿さんを憎んでいった。 そんなある日、あなたは椿さんを殺すことを決意する。そして事故と見せかけ椿さんの殺害にいたった。そしてあなたはその事件の後、会社をやめ、姿を消した。それからしてあなたは椿さんを殺害した犯人と疑われたこともあったが物的証拠は見つからず、結局事故として処理され捜査は終了した。それからあなたは昔研究していたショッカーについて思い出す。あなたと俺の父しか知らない秘密の場所にあなたは昔2人で書いた本を見つける。そう、それがあの本なのである。ショッカーについて研究していたころに書き留めたやつなのである。あれはこの世に一冊しかない。だから普通の人は持ってるはずないんだ。本を見返してあなたは見つける。『死者を蘇らせる方法』。俺は佳菜美さんに聞いた。佳菜美の母親、つまりあなたの妻は、ショッピングモール襲撃事件で亡くなったんだってな。だから悪であるショッカーを蘇らせてまで奥さんを蘇らせようとした。蘇った死人、その第1号は、シオリ、松村詩央里だったんだ。しかし蘇った彼女は逃走したが、やっと見つけ、家でかくまっていた。そのまま基地に連れてけばいいものを、あなたは可愛がってしまった。なぜなら、あなたの奥さんは亡くなるとき奥さんのお腹の中に赤ちゃんができていた。だから娘として育てようとしてしまった 。しかし彼女は死人。だから長くは生きられない。だが博士の家にある機械で、死なないよう液体を注入し生命を保っていた。その機械があの部屋にある大きな機械だったんだ。
    仮面ライダーである俺に力を貸した理由、それはなるべくシオリと関わらせないため。俺が怪人と戦っている間、シオリを痛い目にあわせやがった。そして今、シオリを利用し、巨大な計画を実行させようとしている。
    ……あなたの罪は重い。」
    俺は話し終わると博士は笑って言った。
    「よくそこまで分かったな。だが計画はもうすぐだ。いまさら止めることなどできん。」
    そして博士は再び怪人の姿に変身した。ブレイバル帝王、というらしい。
    「いや、あなたは必ず俺が止める。いや、俺たちが。
    いけるか?巧。」
    「ああ、いこう。雅治。」
    俺たちは横に並び構えた。すると腰にベルトが現れ、俺の周りでは風が吹き、巧の周りでは雷が鳴る。そして2人同時に手でポーズを取り、叫んだ。
    『変身!!』
    するとものすごい勢いで体はスーツに覆われ、仮面が顔面に現れ、目が光る。風に吹かれたマフラーは止むと同時に下がった。巧も金色の雷の力を受け、黄色い姿に変わっていた。俺たちは、仮面ライダーに変身した。
    「いくぞーーーー!」

    つづく

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    エピソード.14

    ブレイバルは怪人に合図をし、崖の上に行った。
    「ふっ、高みの見物とするか。」
    すると俺たちの前には大量の怪人。俺たちは勢いよく戦い始めた。
    「はっ、ふっ。」
    「はあ〜、てりゃっ。」
    1人の相手の量が多すぎる。パンチ、キック、次々に放ち、敵を粉砕していった。やがて俺は吹き飛ばされた。
    「うっ。この量……」
    巧もやられて転がってきた。
    「大丈夫か?巧。」
    「あ、ああ。」
    するとそのとき後ろの方からバイクの音がした。するとバイクは俺たちの近くで止まり、乗ってる者が降りた。直也だった。
    「直也!?どうして…」
    「彼らは俺を救ってくれた大事な仲間だ。そんな仲間を見捨てるわけにはいかない。だから俺も戦う。ベルトはまだ使えるようだ。もう俺は首領に操られていない。だからベルトを使っても自分の意思で動ける。」
    するとベルトを腰に巻き、俺たちの方へ近づいてきた。
    「変身!」
    そう直也が叫ぶと、直也は仮面ライダーアンビサスに変身した。
    「直也、ありがとう。一緒に戦おう。」
    俺たちは横に並び、構えた。3人揃うのは初めてだった。
    「仮面ライダー5号!」
    「仮面ライダー6号!」
    「仮面ライダーアンビサス!」
    それぞれ名乗り、俺たちは再び戦い始めた。直也が加わったことで1人の相手は減り、戦いやすかった。
    仮面ライダー6号。彼は電気を得意としたパンチなどの攻撃を繰り広げていた。次々に怪人が減ってゆく。なんども戦ったことで彼は強さが精神的にも肉体的にも成長した。
    仮面ライダーアンビサス。彼は赤い体の戦士。見た目は怪物だが、中身は強い。彼の右手には大きなハサミがあり、剣としても攻撃することができる。左手にはマグナムが付いており、銃のように攻撃できる。
    仮面ライダー5号。そう、俺は風を操り、敵を粉砕する。高くジャンプし、竜巻を起こしながら着地する。そして風に乗りながらキックするサイクロンキック。
    着々と怪人、戦闘員たちは減っていき、俺はライダーキックを放ち、残りのやつらを倒した。
    そして仮面ライダー6号は、右手に電気の力をため、ライダーパンチを放った。
    仮面ライダーアンビサスは左手の攻撃で敵を抑え、ジャンプし、ライダーキックを放ち、倒した。
    怪人たちは全て倒した。するとブレイバルは言った。
    「ふっ、なかなかやるな。だがまだ終わったと思うなよ。はっはっは。」
    するとブレイバルはさらに怪人3体を召喚した。しかしこれまでのやつらとは明らかに違う。強そう…
    「彼らは、わがショッカーが誇る強き怪人たちだ。」
    スーパーアポロガイスト、ユートピアドーパント、アークオルフェノクというらしい。
    俺はスーパーアポロガイスト、巧はアークオルフェノク、直也はユートピアドーパントと戦い始めた。やばい、さすがに強い。だが負けるわけにはいかない。するとアポロガイストはバイクに乗り走り出した。だったら俺も。俺はバイクに乗り追いかけた。前に走るやつは攻撃をしてくる。バーン、バーンと俺が避けた攻撃が後ろで爆発する。俺はバイクに備え付けられているボタンを押し、ミサイルを発射した。なかなかやつに命中しない。当たるとやつは運転のバランスを崩した。逃げようとするやつを俺はバイクで突っ込み、落とした。さらにバイクで斜めに走行しながら、武器の銃モードで粉砕した。
    巧と直也もなんとか怪人を倒したようだ。よし、あとは博士を倒すだけ。3人はブレイバルの方を向き、構えた。しかしブレイバルはまだ余裕があるような態度だった。
    「ふっ、怪人は倒されても、まだ使えるやつはいる。」
    するとブレイバルは俺たちの前に何者かを召喚した。その姿は怪人とは呼べなさそうな…
    どちらかというと仮面ライダー?
    顔、体に縦線、青い仮面。右手には拳銃。そしてブレイバルは言った。
    「やつは、仮面ライダーディエンド。」

    つづく

  • メロン兄
    メロン兄

    エピソード.15

    ディエンド…こいつも博士が作ったショッカーライダーなのか?まあ、とにかく倒すしかない。
    ディエンドは俺たちに銃を向け、攻撃を開始した。
    「ふっ、俺たちは倒せないさ。」
    と、直也が言うと、ディエンドの攻撃はふと止まり、カードを取り出した。そのカードを素早く銃にセットすると音声が聞こえた。
    『カメンライド・チェイサー』
    そしてまた仮面ライダーが召喚された。銀色の体に紫のライン。手にはアックス。
    「やれ。」
    するとその仮面ライダーは襲ってくる。そして直也は言った。
    「こいつは俺に任せろ。」
    「分かった。」
    ディエンドは俺と巧が相手になることにした。
    一方のアンビサスは少し苦戦しているようだ。アックスで次々に攻撃される。アンビサスも負けじと右手のハサミで切り裂く。やがてライダーはアックスのボタンを押す。しばらく時間が経つと構え、振りかぶった。
    『イッテイーヨ』
    しかしアンビサスはそんなにバカではない。アックスの攻撃は避けた。ライダーは「なに!?」と、した感じであわてる。そしてアンビサスは回し蹴りをし、ライダーを粉砕。
    ディエンドの銃の攻撃は続いていた。キックやパンチもするが動きが早すぎてガードできない。そして6号は吹き飛ばされる。
    「巧!」
    そしてディエンドは俺に銃を向け、必殺攻撃を放った。俺はやられるのを覚悟した。しかし後ろから6号が叫びながら俺の前に来た。
    「雅治ーーーー」
    すると6号は変身が解け、巧の姿に戻り、倒れる。代わりに攻撃を受けたのである。
    「おい、巧!なぜ俺を守ろうとしたんだよ。おい、巧!」
    「雅治、俺のことはいい。それよりあいつを、ディエンドを倒してくれ。」
    と、巧は俺の裾を掴みながら言ってきた。
    「巧…」
    ディエンド、絶対許さない。
    「あーーーーーーーーー」
    俺は力を振り絞り、ディエンドにライダーキックを放ち、倒した。爆発の中から1人の青年が出てきた。
    「まさか、一般の人をショッカーライダーに利用したのか?
    ……許さない」
    俺とアンビサスはブレイバルの方を向き、構えた。
    「お前は必ず潰す。」
    「そんなことができるのかな?(笑)」
    「バカにするな!」
    すると急に地震が起きた。
    「なんだ?」
    「ま、まさか」
    と、ブレイバル。
    すると奥の方から巨大な建物が現れた。
    「あれは…ショッカーの基地!?」
    と、驚いた顔をしてアンビサスが言った。
    「ほう、ついに、ついに完成したのじゃか!巨大マシンが!」
    するとショッカーの基地は変形し始め、巨大なロボットに変わった。
    「あ、あれは」
    「そうか、ショッカーの基地自体が巨大マシンだったのか。」
    「そうじゃ、これがショッカーが誇る最大の兵器じゃあ。はっはっは。」
    俺は思った。基地自体が…ってことはサキは!いや、シオリは!いったいどうなったんだ?
    「博士、シオリはどうした?」
    「ふっ、あの少女はもうおらぬ。あの子の力はこのマシンが吸収し、力にしたのだ。」
    「そんな…シオリを使われたのか…」
    するとブレイバルはマシンの操縦席に乗り込み、マシンを動かし始めた。そして俺たちに攻撃を放つ。ビームのような攻撃や爆発を起こし、たちまちやられていった。アンビサスが左手のマグナムで攻撃を放つが効かない。俺も博士からもらった武器で攻撃する。効かない。しかも壊れてしまった。
    「なぜこんな簡単に…」
    そうか、博士が無理と弱く作ったのか。どんなに地上から攻撃さはようとも巨大な敵にはかなわなかった。やがて俺たちは吹き飛ばされ、変身が解けた。ついに俺は膝をつき、断念する覚悟がついた。
    「だめだ、もう無理だ…諦めるしかないのか…
    もっとたくさん仲間の仮面ライダーが存在すれば…」

    すると声が聞こえた。
    「仮面ライダーは、お前たちだけではないぜ。」
    振り向くと幕が現れ、中から3人の若者が出てきた。さらに後ろからたくさんの戦士が現れた。ざっと数えて16人。
    「お前たちは?」
    と、問うと、1人が答えた。
    「ここが5号の世界か。俺たちがこの世界でやるべきことはあの巨人やろうを倒すことのようだな。俺たちは、仮面ライダーだ。別世界のな。仮面ライダーは複数存在する。」
    まさか、全員仮面ライダー?
    そして白いマントをつけた神様のような人が言う。
    「諦めるな。諦めなければ道はいくらでもある。だからその扉を自分の力で開けるんだ。」
    「道……」
    すると真ん中の3人は構えた。
    「いくぞ、お前ら!」
    「ああ!」
    「ああ。」
    「よし、スタートアワーエンジン!」
    3人一斉に変身ポーズをとる。
    『カメンライド・ディケイド』
    『ドライブタイプスピード」
    『フルーツバスケット、極アームズ大大大大大将軍』
    そして仮面ライダーに変身した。
    「す、すげー。」
    すると白いライダーが言った。
    「ふっ、マッハで決めちゃおうぜ。」
    『デッドヒート』
    『タイプトライドロン』
    『ファイナルカメンライドディケイド』
    さらに最強フォームになった。
    そして崖の上から声が聞こえた。
    「俺たちも手伝うぞ!」
    ふと見上げるとさらに仮面ライダーがいた。中心には前に一緒に戦ったホッパーがいた。
    「よし!」
    と、30人くらいの仮面ライダーたちは一斉にジャンプし、巨大マシンに思い切り、ライダーキックを放った。さすがに数が多いため、攻撃に重みを感じた。するとライダーたちは降り立った。空中ではマシンが爆発している。
    「す、すげー、なんて強さだ。」
    俺たちはその強さに圧倒された。すると1人が俺に近づいてきてあるものを渡してきた。
    「これは、お前が持っておくべきなのかもしれない。」
    それは5号の顔が描かれた不思議なカードだった。
    「こ、これは」
    すると仮面ライダーたちは再び幕の中に消えていった。
    「仮面ライダー、あんなにいたとは…」

    そのとき爆発の中から博士が出てきた。
    「ワシは、ワシはまだ終わらんぞ。」
    再び博士はブレイバルの姿になった。
    「俺はもう、諦めない。」

    つづく

  • メロン兄
    メロン兄

    エピソード.16

    「俺はもう、諦めない。」
    その俺の言葉に直也と巧は俺を見た。2人とももう限界…という顔をしてるのが分かった。でも俺は諦めてはいけないんだ。俺はさっき受け取ったカードを見た。仮面ライダー5号が描かれている。はっきり言って俺は自分の変身後の顔をしっかりと見たことがなかった。いや、まったく見たことがないのかもしれない。そんな5号の顔を見つめて思った。
    「なぜなら、俺は…仮面ライダーなんだからな。いや、俺たちは。」
    すると巧は体を起こした。そして言う。
    「そうだな、俺はこんなところで終わってはいけないんだ。」
    「巧、無理に起き上がるなよ。」
    「分かってる、でも俺だって仮面ライダーなんだよ。」
    と、言い、ニコッと笑った。すると俺が手に持っていたカードが急に光り始め、光りは巧の体の中に宿った。
    「おい、巧、大丈夫か?」
    巧は自分の体を見て驚いていた。
    「痛みが消えてる…ケガがない…元に戻ってる!」
    そう、ディエンドの攻撃でゲガをし、立ち上がれなかった巧の体は元どおりになっていたのだ。
    「なんなんだ、このカードの力。」
    そして俺は2人を見ながら言った。
    「いけるか?、みんな。」
    「おう。」
    「ああ。」
    俺たち3人は再び並び、仮面ライダーに同時変身した。するとブレイバルは言った。
    「きさまら、なんなんだ!」
    そして俺が答える。
    「不死身のヒーローさ。」
    そして俺たちは再びブレイバルと戦い始めた。さすがにブレイバルは強かった。だが俺はそんなやつの攻撃を避け、手で受け、パンチ、キックを繰り出してゆく。何度か命中する。さらにブレイバルの横からも6号とアンビサスが攻撃する。攻撃され痛むブレイバル。
    「くっ。おのれーー」
    ブレイバルは手から大きな攻撃を放った。俺たちに直撃し、爆発が起きる。ブレイバルは俺たちの姿が消え、爆発で隠れてるのを見ながら笑った。
    「はっはっはっは。これでどうじゃ。」
    だが俺たちは爆発の中から颯爽と出現する。それに驚くブレイバル。
    「な、なに!?」
    「こんな攻撃じゃ、意味ないさ。」
    と、巧が答える。アンビサスが俺の前にバイクを出し、さらにブレイバルにバイクを突っ込む。くっ、と、ブレイバルはよろける。さらに俺はバイクの上に乗り、それを踏み台にし、ブレイバルに空中からパンチを放った。俺が地面に降り立つと、ブレイバルは苦しそうにしていた。それを見て俺は言う。
    「みんな、今だ!」
    俺は構えると、体が強化形態に進化した。さらに6号も進化する。奇跡の力で6号も強くなったのである。そしてアンビサスも、肩がパワーアップ。手の武器もパワーアップし、俺たち3人は進化形態に変わった。すると俺と6号の背中に6枚の翼が現れる。そして俺たちは構えた。
    「決めるぞ!」
    俺たちは高くジャンプし、空中から一気にライダーキックを放った。キックはブレイバルの体で止め、アンビサス、6号、と、次々にブレイバルの体を攻撃し、最後に俺がこれまでにない一番の力を振り絞り、ブレイバルにキックを決めた。降り立った3人。その後ろでよろけながらブレイバルは言った。
    「ふっ、さすがじゃの。じゃがまだ終わっとらん。お前の大事なやつが……うっ、くっ、ぐあっ……」
    そして爆発した。そして爆発の中から博士が転がってくる。目をつむっているがまだ生きている。俺は博士の顔を見つめた。それに変身を解いた直也が言う。
    「雅治、とどめはささないのか?」
    「直也、何言ってんだよ。彼は人間なんだ。俺は普通の人間を簡単に殺すことはできない。悪いことをした人間も、ただ、罪を償ってもらえればいいんだ。
    なあ、博士、もう散々罪を犯したはずだ。もうあんたは悪さはできない。これだけは分かってほしい。どんな手を使っても、死んだ人間を蘇らせることはできないんだ。
    あとは警察に任せよう。」
    と、言い、俺は変身を解きながら向こうに歩き出した。すると直也が言う。
    「雅治、どこへゆく?」
    「さっき博士は言ってただろ?まだ戦いは終わってないって。大切な人が捕まっているのかもしれない。だから俺は行ってくる。」
    「待てよ、一人で行くのか?」
    「ああ、これは俺の戦いなんだ…」
    と、俺は2人に告げ、再び走り出した。守るべき者のために。

    つづく

  • メロン兄
    メロン兄

    エピソード.17

    「おい、君、大丈夫か?」
    直也は倒れていた青年に話しかけた。そう、ディエンドの変身者だ。すると青年は目を覚まし、立ち上がった。
    「バカにしないでくれたまえ、僕は平気さ。だがまさかあんなクズに利用されちまうとはな。まったく。だが、君たちから素晴らしいお宝を盗ませてもらったよ。」
    「お宝?なんのことだ。」
    「仲間に対する熱い友情、そして仮面ライダーとしての精神さ。
    じゃあね。」
    と、言うと、やつは幕の中に去っていった。
    「なんだったんだあいつ…」
    巧はそう言いながら直也の方に振り向くと、直也の体は消えかかっていた。
    「俺もそろそろお別れの時間だ。」
    「そんな…」
    「元々俺はもう死んでるんだ。この世界に長湯してはいけないんだ。」
    「でもありがとな、一緒に戦ってくれて。」
    「ああ、こちらこそ。
    雅治に伝えておいて欲しい、君との友情は忘れない、2人で戦いあい、そして共闘した仲間として、ってな。」
    「分かった…」
    「それじゃあ、な…」
    すると直也は静かに消えた。

    俺はバイクに乗り、走り出していた。推測だと基地の近くにいるはずだ。早く助けださないと。基地に着くと、やはりいた。いたのは真斗だった。手足を鎖に繋がれ、動けない状態になっていた。
    「先輩!助けに来てくれたんですか!」
    「ああ、今から外してやるからな。」
    と、俺が真斗に近づいた途端、真斗の後ろから何者かが出てきた。倒しそこねていた怪人、チーターカタツムリ怪人だった。
    「貴様」
    「ふっ、まさか首領を倒すとはな。だが、まだこのチーターカタツムリ様がいる。はっはっは。」
    「お前なんかこれっぽっちも強くなんかねえ。一気にぶっ潰してやる。」
    「なんだと、黙れ貴様ー!」
    するとチーターカタツムリは俺に攻撃を放った。しかし俺はその攻撃を見事に避けながら、バク宙。そしてバク宙しながら空中で変身した。一回転し、壁を蹴って、地面に着地する。建物のようになっているのであたりは暗い。なので俺の仮面の目が光り、よく目立つ。
    「ふざけやがって。」
    と言いながらチーターカタツムリは突進してきた。だが俺はするっと避け、背中からパンチ。振り返った途端、やつは俺に矢のような攻撃を放つ。それは俺の仮面の目にあたり、目の部分は壊れ、中の、つまり俺の目があらわになった。だがこいつを倒すまでは終わらない。俺は翼をはやし、やつを押し付けながら、空中にあがり建物の屋根を壊し、ぶち破り、空まできた。さらに急降下し、再び屋根に落ち、突撃。やつと共に爆発した。
    「先輩!!」
    だが俺は死なない。ボロボロの屋根から俺は降り立った。チーターカタツムリ、やつだけが死んだ。
    「やりましたね!」
    「ああ、すまなかったな、真斗。」
    俺は真斗を助け出した後、倒れてしまった。
    「ちょっと、先輩!先輩!大丈夫ですか?」
    ただ寝てるだけだったw

    「先輩、目が覚めましたか?」
    気づくとそこは博士の家だった。
    「あ、ああ。」
    俺は庭に出た。
    「やっと、やっと終わったんだな。」
    すると巧が来た。
    「雅治、お疲れ様。」
    「お前こそ。」
    俺たちはお互い笑顔を見せた。
    「なあ、雅治。直也はさっき消えたんだ。元の居場所に戻ったらしい。」
    「そうか…
    もう消えたのか…」
    「で、なんか伝言があるんだけど。」
    「なんだ?」
    それから俺は直也が言った最後の言葉を聞いた。直也、ありがとな。
    「巧、ちょっと一人で風にあってもいいか?」
    「うん、いいよ。じゃあまた。」
    俺は庭に出て風に当たった。いい風だ。するとあの少女の声がした。
    「お兄ちゃん!」
    振り向くとそこにいたのはあのシオリだった。
    「シオリ!?どうして。」
    「ごめんね、お兄ちゃん、私のせいで…」
    「いや、そんなことないよ。俺だって君を助けることができなかった…すまない。」
    「でもお兄ちゃん、ありがとう。」
    するとシオリは消えた。
    すると佳菜美が現れた。
    「佳菜美さん。」
    「お疲れ様。お父さんを止めてくれてありがと。
    あと、実はあの少女の名前、サキって言ってたけど、実はサキってのは私がつけたの。」
    「そうだったのか…
    でもどうしてサキなんだ?なんか理由とかあるんですか?」
    「咲季ってのは、お母さんが死ぬ前にお腹にいた赤ちゃんにつける予定の名前だったの。でも結局私に妹はできなかった…」
    「それは…切ないな…
    だからあの少女にサキという名前を…」
    するとまた佳菜美は俺に抱きついてきた。
    「佳菜美さん…」
    「ごめんなさい…雅治さん…
    でももう少しだけ…」
    佳菜美は俺に優しく口づけをした。


    それから、俺や真斗や巧は博士の家を離れ、元の仕事に戻った。
    そして今はお盆休み。休日だからといって特にやることもなく家でゴロゴロ、ダラダラしていた。それより暑い、暑すぎる。さすが夏だな。扇風機の風と風鈴の音が少しは涼しくしてくれる。
    「あーかったるい。やることねぇなあ。」
    そういえばもうすぐ俺の誕生日だったな。俺が生まれたのはお盆中。おふくろが忙しい時期に生まれちまったんだよな。
    そんなときチャイムが鳴り、なんかお届けものだった。大きなダンボールだ。
    「ん?なんだ?」
    中を開けてみると、スイカだった。いったいだれからだ?
    送り主は、博士からだった。
    「博士!?まさか博士は俺との決戦の前、この日におれんちに届くようにこれを…」
    スイカの下にもなんか入っているようだが、よく見てみるとトランクケース。開けるとそこには前に壊れたはずの博士が開発したあの武器があった。しかもちょっと進化してる。
    「博士はちゃんとしたやつを作っていたのか…
    この日に俺が家にいるってのを知っていたということは…博士は自分が倒されるって分かっていたのか…」
    暴走しすぎた自分を自分でさえ止めることができず、元仲間だった父さんの息子の俺に止めてほしかったっていうことか…
    俺が一回死んだ時も、協力して生き返らせてくれたもんな…
    やっぱり博士は本当はいいやつなのかもな…
    俺は自然と涙が出てきた。