ジョージのトーク
トーク情報- ジョージ
ジョージ あの「フェラーリ」の創設者
エンツォ・フェラーリの物語。
多様性とかLGBTとか言ってられない時代の話。
男は外で獲得して与える、女は産んで守る。
マイケル・マンが描く男と女の物語は今回も健在だった。
フェラーリがいかにして、成功したかという物語ではない。
戦争、息子との死別、悲しみを背負った男の感情は渇いている。
それでも前を向く。
エンツォはフェラーリのフォルムの美しさと速さにこだわり続けた。
その為にドライバーが死んでも構わないという狂気を秘めて。
白人が創る映画が好きな理由は過剰な感動を誘わない。
役者が泣くシーンでも不必要な音楽は流さない。
淡々と時間が進む。
それが人生だと思うからだ。
マイケル・マンは男の戦いに女の存在がどういうモノか挟んでくる事が多い。
死と隣り合わせのドライバー。
フェラーリのドライバーは2人事故死するが、2人に共通する事柄はレース会場に恋人を呼んだ事だった。
男は目の前に恋人がいると、無理をしてしまう。
それが死を招くというメッセージもリアルで良かった。
終盤レースシーンでフェラーリが独走。
民衆が身守る中、フェラーリは大事故を起こしてしまう。
破壊されたフェラーリは民衆を襲い、目を伏せたくなる惨事が描かれる。
悲劇的なシーン。
見たくないモノをリアルとして描く。
それも素晴らしかった。
エンツォを演じたアダムドライバーは見事だったと思う。
エンツォフェラーリの狂気と愛を背中で演じ切った。
(まだ若いのに…)
エンツォの妻ラウラを演じたペネロペクルスも良かった。
若い頃から怒りと癇癪が似合う女優だったけど、年齢を重ね感情を秘める演技も良かった。
もう一回観たい。