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亡国のイージス 今から25年前の小説だが、こんなにのめり込んで読み切ったのかと思うほどに面白かった。 映画で「亡国のイージス」を観てはいたが原作こそ読んで良かった。 国防とは何か、自衛隊とは、自衛官とは何かを強烈なメッセージで訴えている。 過半数の同意を得なければ何も出来ない民主主義の構造は政治の本質を国民の意思ではなく、議会工作に置く歪みを必然的に生じさせる。 日本においては伝統的に培ってきた談合体質が派閥間の利害調整ばかりを巧妙化させ、政策が票田たる企業体の為だけになった結果、党や派閥の利益だけに頽廃している現在の政治にも警鐘を鳴らす内容。 戦略的な意味、政治的な意味、そんなものは現場にいる人間には関係ない。それが仕事だからやるだけだという気概に満ちたマンパワー。 連帯を求めて孤立を恐れず、力尽くして倒れることを辞さないが、力尽くさずして倒れることを拒否する自衛隊、自衛官。 国民一人一人が自分で考え行動し、その結果については責任を持つこと。 それを潔いとする価値観を社会全体に敷衍させ、集団のカラーとして打ち出していったとき日本人は初めて己の有り様を世界に示し得るのではないだろうか。 国家、主義、民族、飢餓、戦争。いずれも理論では学んでいても自分の身に置き換えて考えねばならない。 様々な角度から2024年の日本にも通ずる言葉がたくさんあり良書だった。

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暁のトーク
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    LISTEN

    私たちはしゃべりすぎだ。

    人な話に耳を傾けることがいかに大切でコミュニケーションに於いて絶大な効果をもたらすか。

    聞くことは知性だ。そして教養だ。

    コミュニケーションの場で自分の話ばかりする人間は、どれだけ自分の話がつまらなく滑っているかわかっていない。

    プライベートでもビジネスの場でも自分の話をするのは1割でいい。残りの9割は相手の話に耳を傾けて傾聴するに限る。

    私も自分でなんらかのプレゼンをしろと言われれば話せるが、それよりも相手の話を引き出したり聞き手に回る方が多い。

    この本は自分のコミュニケーションを再確認し、見直すにあたりとても良い本だった。

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    tsmc

    半導体の業界については全くの無知だったが、この一冊を読むことで現在の世界のトレンドや興隆が理解できた。

    人口2300万人、九州ほどの国土の台湾がなぜ世界一の半導体製造国になったのか、否、なれたのか。

    台湾ならではの働き方や企業という国の作り方、コーポレートガバナンスについて非常に精緻に記されている。

    東アジアに於ける台湾有事や北朝鮮と韓国の緊張状態から見る世界経済の潮流は、今までなあなあにしていた不透明な部分を具体的に提示してくれた。

    日本の半導体とバイオ分野が台湾や中国、アメリカに及ぼす影響についても知ることができた。

    この本は今の世界の流れを知る上で非常に重要な一冊だった。

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    魚ビジネス

    この本に出会ったのは偶然だったが、読了したいま本当に出会えて良かった。

    まるで水産の学問を抽出してまとめたような一冊。

    日本人が昔から慣れ親しんでいる魚🐟

    その魚を食べるにあたり寿司を筆頭に様々あるが、こんなにも食文化の歴史と魚産業の過去・現在・未来を話している話は初めて聞いた。

    日本各地で獲れる魚の特徴や流通、販売、卸、そして我々の口に入るまで詳しく知ることができた。

    魚をいかにして食べたら1番美味しいか、スーパーや居酒屋、小料理屋で提供される魚たちの事情や状況についてもよく理解できた。

    魚ひとつでこれだけ造士が深く多岐にわたる楽しみ方、売り方、食べ方があるのだと分かることができて魚好きの私にとっては貴重な学びにもなった。

    どうか日本の取り扱う、または流通してくる魚たちがこれからも発展していくことを願う。



    #魚ビジネス #魚 #ながさき一生

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    もう明日が待っている

    元放送作家の鈴木おさむさんによるSMAPの始めから終わりまでを感情の揺らぎを交えて描かれた本。

    SMAPが誕生したときの芸能界はアイドルにとって簡単なものではなかった。

    だがそんな芸能界を新しい挑戦で自分たちのフィールドにしていき、国民的スターにどのようになったのか、またメンバー5人それぞれの視点や考え、5人だからこそ紡げる物語がここまで詳しく書いてある内容に感動した。

    最初6人だったSMAP。そこからメンバーの脱退や逮捕、結婚などを経てさまざまな試練を乗り越えながら20年続いたSMAP×SMAPという番組の終わりとSMAPの解散。

    まさにSMAPと共に戦った鈴木おさむさんにしか書けない内容。ここまで決断や発表、様々なことの経緯を時系列で記した他に類を見ない傑作だと思う。

    SMAPは学生時代から好きだったが、より好きになった。

    今はそれぞれの道を歩いている5人のこれからも1人のファンとして見ていきたい。

    #smap #鈴木おさむ

  • YumikoYumiko
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    『SELDOM-ILLEGAL 時には、違法』 坂本龍一 著(角川書店)

    『月刊カドカワ』の1988年10月号〜1989年9月号に連載された、坂本龍一さんの一年間のモノローグ。取材・構成は、見城さん。

    『ラストエンペラー』でアカデミー賞受賞後間もなく始まった連載で、ロスやNYの活動を中心に、世界を駆け巡るエピソードの一つ一つが粋でカッコいい。語りのリズムも心地いい。

    バブル期の良き時代の余裕も随所に感じて、こういうスケールで本を書ける人はもういないだろうな。
    すぐには読み終えたくなくて、毎回少しずつ読んでいる一冊。

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    なれのはて

    この本に出会えたことを心底、良かったと思う。

    最近ビジネス書ばかり読んでたが、久しぶりに読んだ小説がこの作品で幸せだ。

    1枚の絵に端を発するミステリーだったが、時代背景や今の世の中の閉塞感、なんといっても「人」の内情に焦点を当てた描写の緻密な表現が織りなす物語は圧巻だった。

    人の持つ思い、想いとはここまで人間を突き動かす理由であり因縁・執念にもなるのだなと感嘆した。

    正義と悪とは表裏一体であり、紙一重であり、簡単に割り切れるものではないことが深く理解できた。

    清濁併せ呑むとはまさにこの「なれのはて」を指す言葉だと感じた。

    人の持つ情は深く、また人の生き方にセオリーなど無く社会的な身分や役職に問わず、貧富に問わず、身体的にも精神的にも自由であるべきだと学べた気がする。

    本当にこの本に出会えて嬉しい。

    #なれのはて #加藤シゲアキ #秋田 #原油

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    町工場の全社員が残業ゼロで年収600万円以上もらえる理由

    ワイヤーカットを行っている株式会社吉原精工。

    その代表の吉原博さんの経営スタイルが独特で良い。

    経営者としても勿論だが社員目線で抜本的な改革を行い素晴らしい就業環境を構築している。

    だが何より経営に於いて義理や人情の大切さを学んだ。

    #吉原精工 #吉原博 #ワイヤーカット

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    Spotify

    普段何気なく使っているアプリのSpotify。その創業期から現在に至るまでの道のりが詳細に記されている。

    ダニエル・エクによりスウェーデン🇸🇪で生まれた同社は、広告収入により無料で様々な音楽を聴くことができる。

    そのスウェーデンでの草創期から国境を超えてアメリカでライセンスや買収や障壁を乗り越えていく過程は、本当に難しい道を切り拓いていったのだなと感嘆した。

    特にIPOの前後の社内外の様子や、NYSEに上場した後のキーマンたちの動きは注目に値した。

    こんなに素晴らしいアプリを開発したダニエル・エクに感謝したい。

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    SHOE DOG 靴にすべてを。

    1962年から1980年までのナイキを創った男、フィル・ナイトの自伝。

    大学の陸上部を卒業後、日本のオニツカの靴をアメリカで売り歩いて会社(ブルーリボン)の地盤を築き、ビジネスのタイミングから1971年にナイキを生み出した。

    この本はただのビジネス書ではなく、フィル・ナイトという人間が歩いてきた生き字引そのものだ。

    会計士の資格を持ちながら新しくビジネスを展開して、苦境に次ぐ苦境を乗り越えてきた闘争の日々は心に強く深く響いた。

    ランナーだからこそできる「靴」への情熱や最後まで諦めない精神、強靭な意思は見習うことが多かった。

    またフィルは大金のためではなく、己の信条に従って今の成功を掴んだのだと思う場面がたくさんあり、胸を打った。

    忘れられない素晴らしい一冊。