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礼二えもん
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海の日だからと海でのことを思い出していたら写真に残ってるスイカ割りのことを思い出した。あれは写真の日づけから小1のことだったらしい。普段、山村に暮らしている僕にとって海は別世界だった。

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ヒーロー伝説
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  • 礼二えもん
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    一生句集なんか作らぬ、過去何するものぞ、前進あるのみ 尾崎放哉(まっすぐな道でさみしい種田山頭火外伝)

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    この網代笠は旅に出てから三度目のそれである。雨も風も雪も、そして或る夜は霜もふせいでくれた。世の人のあざけりからも隠してくれた。自棄の危険をも守ってくれた。

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    あなたこなたと歩きつづけて、熊本に着いたのはもう年の暮だった。街は師走の賑やかさであったが、私の寝床はどこにも見出せなかった。
    霜夜の寝床が見つからない
     これは事実そのままを叙したのであるけれど、気持を述べるならば、
    霜夜の寝床がどこかにあらう
    となる。

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    花いばらここの土とならうよ
     こんな句が口をついて出るほどひきつけられたので、さっそく土地借入に没頭した。人の知らない苦心をして、やっと山裾の畑地一劃を借入れる約束はしたが、それからが難関であった。当村居住の確実な保証人を二人立ててくれというのである。幸にして幸雄兄の知辺があるので、紹介して貰って奔走したけれど、田舎の人は消極的で猜疑心が強くて、出来そうで出来ない。一人出来たと喜べば、二人目が破れて悲しませる。二人目が承諾すると、一人目が拒絶する。――私はこの時ほど旅人のはかなさを感じたことはない。

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    私は殆んど捨鉢な気分にさえ堕在していた。憂鬱な暑苦しい日夜であった。私はどうにかせずにはいられないところまでいっていたのである。
     だが、私はこんなに未練ぶかい男ではなかった筈だ。むろん人間としての執着は捨て得ないけれど、これほど執着するだけの理由がどこにあるか。何事も因縁時節である、因縁が熟さなければ、時節が到来しなければ何事も実現するものではない。なるようになれではいけないが、なるようにしかならない世の中である。行雲流水の身の上だ、私は雲のように物事にこだわらないで、流れに随って行動しなければならない。
     去ろう、去ろう、川棚を去ろう。さらば川棚よ、たいへんお世話になった。私は一生涯川棚を忘れないであろう。川棚よ、さらば。

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    2017年10月初旬、「いつものように金払えの手紙しか来てないんだろうな…」と毎度のごとく沈鬱憂うつな気持ちでポストを開けた
    すると何か小包みが入っている
    「揖保の糸…」
    僕は忘れかけていたが、揖保の糸エッセイコンテストというのに、6月後半に応募していた
    それが一気に思い出された
    開封してみるとハロウィン仕様の特別なそうめんが入っていた
    これはエッセイコンテストの揖保の糸賞の景品だった
    僕はこういう全国的に公募した文芸で賞をもらったのはこれが初めてだと思う
    エッセイの内容は、小6の夏祭りで流しそうめんをしている少年と少女がいて、少女が「わたし、夏休みが終わったら引っ越すんだ…お別れだね…」と言って、少年は流れていくそうめんに恋と夏の終わりを感じる…みたいなものだったと思う