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10作品の上演に向けて  正確には来年40周年を迎えます。1年フライングの企画です。このコロナ禍で何をするべきか、深く重く悩みました。  予定では、幻冬舎プレゼンツシリーズの新作『二代目はクリスチャン』を満を持して上演するつもりで支度を進めていました。しかし幻冬舎+扉座の、つかこうへいオマージュ公演は心身の濃厚接触、舞台と客席の過剰なる濃密が生み出す劇的高揚を求め、愛して止まぬものです。それが三密を避けねばならぬ状況では、タックルなしのラグビーとか、ウクレレ演奏のローリング・ストーンズみたいになってしまいます。  それでも幻冬舎の見城徹社長は劇団も大変な時だろうから、リスクを冒してやって良いぞと涙の出るお言葉で励ましてくださいましたが、私としてはプレゼンツシリーズの決定打にしようと温めて来た大事な公演に一点の悔いも残したくなかったので、断腸の思いで企画延期を決断しました。  ですから正直に言ってこれは代替公演です。しかし、だからと言って手抜きはしたくありません。むしろ今、この状況だからこそやる意味の公演にしようと考えました。  その結論が劇団員総出演で、創立以来40年間で生み出して来た宝をお客様方にお届けし、尚且つ自分たちもそれを振り返り、味わいつつ更なる活動につなげてゆくための日替わりリーディング公演です。  一作ごとにテーマを定めて、様々な切り口でキャスティングし、ドラマチックに演出してお届けします。(詳細については間もなく)  たとえば扉座初期の代表作『夜曲』の放火魔少年ツトム、謎の少女サヨちゃん、若武者・十五を演じた六角精児、中原三千代、岡森諦は間もなく還暦を迎えようとしていて、もし今扉座で上演するとしてもイメージ的にも体力的にも、新キャストでの上演となるでしょう。今や大御所感溢れる六角精児の放火魔なんて、デンジャラスすぎます。でもリーディングならばオリジナルキャストを復活させることが出来ます。  また作品によっては、オリジナルのイメージを一新して、扉座での上演を見ていない、その時そもそも生まれていない、というような若手中心にリメイクして未来のレパートリーとして確立させるのも面白い。  40年間、ひとつの塊として継続して来たからこその幅広さと底力で、この非常時に良い勝負ができるのではないかと思っています。  何よりも、劇団員全員でとりかかれることが希望です。  当たり前だと思っていたことが、決して当たり前でなく、私たちの命や時間は有限で儚いものだと思い知った2020年でありました。演劇は永遠だと信じますが、劇団の命と時間は、人と同じく限りあるものなのだと覚悟した年でもありました。  私たちが今まで何を求めて、何を愛して、そしてこれから何をやろうとしているのか、私たち自身がもう一度、演劇と向き合う為の大切な公演にします。  ウィルス感染対策もしっかり講じて、皆様を聖地・紀伊國屋ホールにお迎えしたいと思います。  来年以降の劇団存続のためにも、どうかこれまでと変わらぬご贔屓お引き立てを賜りますよう、伏してお願い申し上げます。 扉座  横内謙介 _φ(。・_・。 )

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