三上雅博のトーク
トーク情報- 三上雅博
三上雅博 先日のキューバサンドナイトにて。
薮医師さんに言われた言葉「みんな三上さんに嫉妬してます」。
森さんに言われた言葉「三上さんに料理を出すのが嫌だ」。
どちらの言葉も本当に胸に刺さりました。
そして大変恐縮致します。僕には勿体無い褒め言葉ですから。
僕はいつも、僕の事を知ってくれている飲食店に自分が食べに行ったら嫌だろうなと自覚しています。だからせめて気持ちよく料理してもらえる様に誠実に謙虚に丁寧に人に接する様に心掛けています。料理人さんやスタッフの皆様が嫌な思いをする事なく気持ちよく仕事出来るように僕は店を出るまで神経を張り巡らせるのです。
物を頼む時は申し訳なさそうにします。そのタイミングも空気を読んで黙って待ちます。
良いところだけを見て、声を大にして美味しいと言い、感動したら必ず相手に伝えるのです。
だから疲れます。よっぽど気心の知れた店じゃ無ければ気を使いすぎて仕事以上にしんどくなってしまいます。いつも同じ店にばかり行くのはそのためです。僕は毎日同じ物でも食べられます。
結局何を言いたいかというと、別になんにもありません。笑
久しぶりに語りたくなってしまいました。
755の皆様とまたいつかゆっくり語り合えたら嬉しいなって思う年末の朝。 - 三上雅博
三上雅博 「涙が涸れる」 吉本 隆明
けふから ぼくらは泣かない
きのふまでのように もう世界は
うつくしくもなくなったから そうして
針のやうなことばをあつめて 悲惨な
出来ごとを生活の中からみつけ
つき刺す
ぼくらの生活があるかぎり 一本の針を
引出しからつかみだすように 心の傷から
ひとつの倫理を つまり
役立ちうる武器をつかみだす
しめっぽい貧民街の朽ちかかった軒端を
ひとりであるいは少女と
とほり過ぎるとき ぼくらは
残酷に ぼくらの武器を
かくしてゐる
胸のあひだからは 涙のかはりに
バラ色の私鉄の切符が
くちゃくちゃになってあらはれ
ぼくらはぼくらに または少女に
それを視せて とほくまで
ゆくんだと告げるのである
とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ
嫉みと嫉みとをからみ合はせても
窮迫したぼくらの生活からは 名高い
恋の物語はうまれない
ぼくらはきみによって
きみはぼくらによって ただ
屈辱を組織できるだけだ
それをしなければならぬ