東大の三鷹寮は、家賃1万円で住むことができます。
食事はついていませんでしたが、高校の時に学んだ安い食材で美味しい食事を作る方法がとても役に立ちました。
そして私が頭の中に詰め込んだ知識のおかげで、時給のいい家庭教師の仕事も見つけ、自立することができました。
寮の先輩たちから、要らなくなった教科書を譲ってもを
避難所の小野寺さんから教わった秘伝を駆使して全国様々な場所に貧乏旅行にも行けました。
ヒッチハイクもしましたし、公園で寝泊まりもしました。徳島の祖谷で泊まるところがなく温泉の前で腹をすかせて座り込んでいると、地元のおばちゃんがおにぎりをくれて家に泊めてくれました。朝起きた時に見えたあの美しい棚田の風景は、いまでも忘れられません。
さて、私は大学を卒業するにあたって、進路を考えるようになりました。
それまでの人生を振り返った時、自分の努力よりも、私は常に人に支えられて、社会に支えられて生きてきたのだと思っていました。
だから自分もなにか地元に恩返しをしようと思って宮城に帰ろうとしました。
お世話になった菅原社長に相談に行くと「お前は広い世界で活躍してほしい、まだ帰るな」と言っていただけたので、もう少しここで頑張ってみようと決断しました。
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