【和歌山カレー毒物混入事件】
エピソード2
「林夫妻逮捕までの経緯」
報道が過熱していく中、マスコミは一つの家族にスポットを当てた。
近所で聞き込みを続けると、異質な家族の存在を耳にした。
「元々園部の人間じゃない」「働いてもいないのに優雅な生活をしているおかしな家」
「居候までいる」
それが林家だった。
林家はお人好しだった。連日連夜、数十人単位で訪れるマスコミを自宅に招き、各社に飲み物を振る舞った。時にはメロンまで。
事件から3週間後、親しくなったマスコミ相手に林健治(林家主人)はリップサービスがてらこんな事を口にしてしまう。
「保険詐欺でメシくうてんねん」
元白アリ駆除会社を経営していた林健治氏はヒ素を少量舐める事により、高度障害保険金を手にしていた。高度障害保険金とは死亡保証と同額が被保険者に入金される。
同一人物が何回も入退院を繰り返せば保険会社は怪しむ。
そこで金に困っていた麻雀仲間、土井氏、泉氏も仲間に入れ、詐欺を働いた金額は9億円にも及んだ。
この情報を手にした朝日新聞峯村健司記者はスクープとして、朝日新聞に内容を掲載。
(しかし、この内容は大きな間違い、つまりは誤報だった)
なんと共犯者である土井、泉を被害者に仕立て上げ(裁判で二人は被害者ではなく共犯者と判決が出ている)林夫妻にヒ素を盛られた被害者の様に掲載してしまった。
彼らも林健治同様自ら少量のヒ素を舐め、多額の保険金を手にしていた。
にもかかわらず、朝日新聞は2名を被害者と決めつけてしまった。
(ちなみに朝日新聞峯村健司記者は、2022年4月7日に峯村健司記者に1ヶ月の停職処分にされている、内容はまた書く)
ヒ素を利用して保険金詐欺をしたこの夫婦が犯人に違いない。
この報道を皮切りにマスコミは一気に林家が怪しいと露骨に騒ぎ出した。
更なる過熱報道となるきっかけとなった朝日新聞のスクープが、まさかの「誤報」とはこの時誰も知る由がない。
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