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吉田真悟
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No.519 『燃える秋』 五木寛之著 (1985/06/15 講談社文庫) 2021/05/04(4/13読了)  私にとってこれは官能小説でした。忘れていたエロティシズムの世界です。 親子ほど歳の離れた娘を初老の男が陰湿な方法で愛するなんてゾットしたけど、そういう変態的な愛もありだと思いました。逆に岸田の様に若さで直球勝負する愛し方もそれなりに理解出来るのだが深みが足りない。 ペルシャ絨毯に惹かれてイランへ旅する主人公、桐生亜希。登場する男はほぼ二人だけてある。その間を何度か行ったり来たりして自立出来るか?がテーマである。予想が外れたがなるほどと思う結末。当時のイランやペルシャ絨毯の価値に興味が湧いてくる。 【登場人物】 桐生亜希:金沢の仏壇屋の娘。3人姉妹の次女。27歳。 夏沢遥子:亜希の友人 影山良造:亜希と親子ほど歳の離れた恋人 岸田守:亜希と京都で会った商社マン 成田律子、祥介夫妻:イラン在住で亜希の滞在先 【引いた言葉】 けん‐かい【狷介】 [名・形動]頑固で自分の信じるところを固く守り、他人に心を開こうとしないこと。また、そのさま。片意地。「狷介な人」 じか-どうちゃく【自家撞着】 同じ人の言動や文章などが前後で矛盾していること。自分で自分の言行に反することをすること。▽「自家」は自分、自分自身のこと。「撞着」は突き当たること。矛盾すること。「撞着」は「とうちゃく」「どうじゃく」とも読む。「着」は「著」とも書く。 心悸亢進(しんきこうしん) 普通には自覚されない心臓の鼓動を前胸部に感じる不快感。普通は心臓の拍動が亢進しているときに起こるが、正常心拍でも動悸を感じる場合もある。脈拍は、普通1分間に50-90回ぐらいで規則正しく打っているが、心拍数が100を超す頻脈、40以下に減少する徐脈、不整脈、心臓の収縮性が亢進したときなどに動悸や心悸亢進が自覚されることが多い。  動悸、心悸亢進の直接的な原因となる心臓の病気には、期外収縮、心房細動、心房粗動などの不整脈、発作性頻拍症、洞不全症候群、高度の徐脈、高血圧などがある。また、心疾患以外でも、貧血、発熱、薬物(気管支拡張薬、甲状腺剤、強心剤、アトロピン、エフェドリンなど)使用時や、心因性疾患も、動悸・心悸亢進を引き起こすことがある。 自律神経失調症 特定の疾患名ではなく、体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経の2つのバランスが崩れた状態を意味する慣用表現である。原因としては不規則な生活や過度のストレスを誘因に一過性に出現する場合、何らかの身体疾患に随伴する場合、うつ病や不安症の症状の一部として出現する場合などがある。 胡椒(こしょう)、胡桃(くるみ)胡麻(ごま)、胡瓜(きゅうり)、胡葱(ねぎ)、胡蒜(にんにく)、胡豆(そらまめ)、胡弓(こきゅう) 古代の中国ではペルシャに続く西方のことを胡という字であらわした アラベスク(arabesque)は、モスクの壁面装飾に通常見られるイスラム美術の一様式で、幾何学的文様(しばしば植物や動物の形をもととする)を反復して作られている。幾何学的文様の選択と整形・配列の方法は、人物を描くことを禁じるスンニ派のイスラム的世界観に基づいている(シーア派ではムハンマドを除いて描くことは認められている)。 メダリオン【medallion】 1 大きな徽章 (きしょう) やメダルの付いた飾り。 2 肖像画などをレリーフした円形のカメオ。 ソフィヤ・セミョーノヴナ・マルメラードワ (ソーニャ、ソーネチカ) マルメラードフの娘。家族を飢餓から救うため、売春婦となった。ラスコーリニコフが犯罪を告白する最初の人物である。『罪と罰』より

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  • 吉田真悟
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    No.733 
    『八日目の蝉』角田光代著
    (2007/3/25 中央公論新社)

    2024/05/14 
    (Amazon Audibleで3/19視聴)

    不倫相手の子供を衝動的に盗み出し、数年も連れ回す主人公に徐々に情が移っていくが、いつ捕まるのかと緊張感がずっと続いた。

    母親ごっごに付き合わされるが、決して不快ではない。子を守る母親として主人公の「希和子」になりきり、行く先々で世話してくれる他人の人情に触れ、逃亡生活をハラハラしながら追っかけて、最後は誘拐が発覚して捕まってしまい一旦ホットするも、今度は「薫」(子供)の目線でその後の第二章が始まる。希和子と同じような不倫をしてしまう薫に、またかといった諦めを感じる。

    希和子と薫の最後のすれ違いについても、やきもきしつつ諦めてしまう。
    そこで出会ったなら、お互いを十分に理解できただろうかな?

  • 吉田真悟
    吉田真悟

    No.734
    『キングスマン ファースト・エージェント』
    『キングスマン』
    『キングスマン ゴールデン・サークル』
    3作品、3/20に観覧終了(Amazon Prime Video)

    本気で作った紳士の国の映画だった。
    何度も観たが、痛快で面白い。金をかけているのがよくわかる。
    そして人が簡単に死ぬため罪悪感がない。そこが良い。

    「ファーストエージェント」
    1914年当時(どこまでが本当か私にはわからないが)
    凶悪な「羊飼い」との死闘を終えたオックスフォード公が、
    英国国王ジョージ5世の協力の下、高級テーラー内に国家権力から独立した諜報機関「Kingsman」を作る話。

    ・イギリス国王のジョージ5世、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世、ロシア皇帝のニコライ2世がいとこ同士だったとは知らなかった。
    ・「羊飼い」を名乗る謎の男が世界を混乱させるべく秘密会議を開いていたが、ロシアの怪僧ラスプーチン、女スパイマタ・ハリ、ロシアの革命家レーニンといったそうそうたる歴史上の人物が登場する。後に世界を震撼させるキーパーソンたち。なのでなかなか、スケールの大きい時代がかったスパイアクション映画となっている。

    「キングスマン」
    キングスマンのメンバーの一人が冒頭で死んでしまい、その後任を危険な試験で選抜する。かつて自分の父がメンバーだったエグジーがもう一人の女性と選ばれるが、スマホを使い世界中を暴力的に洗脳する悪と戦うといった超アクション大作である。杖や傘などの独特の武器や防御アイテムが面白い。エグジーの成長と義理の父親との対決に鳥肌がたった。少年が一人前の大人にいきなりなってしまい、まぶしいのである。

    「ゴールデン・サークル」
    麻薬密売組織ゴールデン・サークルの女ボスとの闘いがメインのストーリィ。
    麻薬に仕込んだ毒物により世界中がパニックになるが、すんでところで解毒剤を手に入れて世界を救うというお話。
    米国諜報組織ステイツマンとキングスマンの関係(バーボンやテキーラって太陽に吠えろか?)が近いのか遠いのかいまいちわからなかった。親しい仲間の死がさらっとしていて心に沁みた。

    新作が出たら必ず観るよ。

  • 吉田真悟
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    No.735
    『変な家』 雨穴著(2021/07/22 飛鳥新社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ホラー・サスペンス。
    緻密にデザインされたディテールは凄いの一言。
    本当に怖くなり鳥肌が何度も立ったが、引き寄せられて先を読みたくなる。
    中毒性がある本である。夜に一人では読まない方が良いな。おしっこ漏らしそうだから、映画は観ない(^^)/

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    No.736
    『変な絵』 雨穴著
    (2022/10/20 双葉社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ばらばらの不気味な話がどう合体していくのか?
    結末を知りたいのだが、恐ろしいし、不気味だし、躊躇しながら先を読んでしまう。一体誰が主人公?犯人?被害者?いびつな絵の意味が分かってくると恐怖が何倍にも膨れ上がる。
    最終章でやっと最初の絵の意味が分かり、主人公が分かって全部つながった。
    どえれー怖かった。
    夏にぴったりの本。

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    No.737
    『吉原手引草』 
    松井今朝子著
    (2007/3/1 幻冬舎)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/23に視聴) 
    身請けが決まった遊女・葛城が、幸福の絶頂に突然失踪する。多くの人のインタビュー(3人称多視点)でその事実が明らかになっていく。
    どうも、仇討ちが隠れているし、人情噺でもある。
    よくある形式だが、書くのは大変であろうと思う。
    いきさつを忘れてこの文章を今、書いている。はぁ。

    第137回直木賞受賞作と聞いて気になって古本屋で買った。大変面白かった。

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    No.738
    『夜と霧』
    ヴィクトール・E・フランクル著(2002/11/06 みすず書房)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/24に視聴) 
    極限の恐怖でも生還することが分かっていたからなんとか読めたがきつい本だ。
    人間の尊厳やプライドが粉々になったとき、人は何をしだすのか?
    人類全体の負の貴重な体験記録である。子孫に語り継がなくてはならないと思った。
    今日石で追われた人達が明日は別の民を蹂躙する。
    今、ガザで起きていることはこの本とは全く関係ないと思おう。人類の進歩はいつまで止まったままだろう。共通の敵が現れない限り、その連鎖は繰り返すのだろうなぁ。愚かなり

  • 吉田真悟
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    No.739
    『読書という荒野』
    見城徹著
    (2020/04/03 幻冬舎文庫) 

    2024/07/02 (Amazon Audibleで3/25に視聴) 
    読んだはずなのに覚えていないことだらけで愕然とする。見城先生のお祖父様は森鴎外の友人で高名な医者だったそうだ。今更知る驚愕の事実。多分忘れただけなのだが。

    いったん読むと、とんでもなく読みたい本が増えてしまう。いや、前回もピックアップしたはずだが、怠慢である。『罪と罰』、『邪宗門』から読んでみるか。

    そうすると『仮面の告白』、『豊穣の海』、『金閣寺』などはいつになったら読めるのだろうかな。細かく読書計画を立てなくてはならないなぁ。早く読めよ自分!

    読書が荒野になる日まで精進しよう