No.667 映画『ふしぎな岬の物語』 監督：成島 出 脚本：加藤正人、安倍照雄 企画：吉永小百合、成島 出 製作：石原俊爾 石井直 岡田裕介 原作：森沢明夫『虹の岬の喫茶店』（幻冬舎文庫） 原作統括：見城徹 <キャスト> 吉永小百合：柏木悦子 阿部寛：柏木浩司 竹内結子：竜崎みどり 笑福亭鶴瓶：タニさん 笹野高史：竜崎徳三郎 小池栄子：柴本恵利 春風亭昇太：柴本孝夫 井浦新：大沢克彦 吉幾三行：吉先生 杉田二郎、堀内孝雄、ばんばひろふみ、高山巌、因幡晃 ：ブラザーズ5 題字・デザイン　和田 誠 製作年：2014年 配給：東宝 劇場公開日：2014年10月11日 117分 興行収入：12.6億円（2015年1月現在） 2023/03/06（3/5観映、テレビ録画） 吉永小百合さん、岡田裕介プロデューサーのタッグ作品の話を以前、見城先生から伺っていて、いつか観たいと思っていました。 ちなみに南 杏子著『いのちの停車場』の映画化（タイトルも同じ）はリアルタイムで観ていましたし、残るは湊かなえさん原作『往復書簡』から映画化された『北のカナリアたち』のみです。 ほっとする映画なんだが、やはりファンタジーであり俺には刺激が少ないかな？ 個性的、昭和的なキャラクターはよく出てくるが、異次元の悪いやつとかは皆無でした。 ただ、不幸なかわいい女の子が出ただけで、ウルウルくる。 そして、吉永小百合さんと竹内結子さんがきらきら輝いていて素敵でした。 吉永小百合さんが鶴瓶と普通にキャッチボールしたり、小舟を操縦して水を汲みに行くシーンに驚きます。 阿部寛さんは、どの映画に出ても阿部寛さんですが、吉永小百合さんもそれに近い。二人とも怪物的キャラクターです。 迫力のある失火のシーン後に、悦子と浩司の関係が明らかになり、そして微妙になり、そこにみどりが加わり最後は落ち着く。なるほどねと思った。 来る人去る人、病気で亡くなる人、転勤してフェリーで見送られる人、定年退職を迎える学校の先生、泥棒して諭される人、幼い娘の霊感で行き会う人、ずっと好きなのに気がつがない人、岬にある喫茶店の風景は変わって行くのだろうが、人を思いやる気持ちは変わらない。親が子を思い、子が親を疎み、叔母が甥との距離を案じ、坊主や牧師が冠婚葬祭を仕切る。平和だけれど、不幸も孕む。悪い人は居ないのに不幸な人は沢山いる。切なくなってくるね。 トドメは竹内結子さんがこの世にもういないなんてと、悲しくなった。