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#ファーストラヴ

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  2. #島本理生
  1. 七色息子

    島本理生の「ファーストラヴ」を読んだ。嘘って、どうして ついた人だけが罪悪感を持ってしまうんだろう、って思った。しかし、それは理屈ではない。嘘をつくことは悪いことだと、誰もが子供の頃から言い聞かされている。それでも、誰もが嘘をついてしまうのだ。秘密にしたいことがあるから、本当のことを言ってしまったら誰かが傷つくから、本当のことを言ってしまったら自分が恥ずかしいから、本当のことを言ってしまったら誰かに怒られるから、本当のことを言ってしまったら誰かに傷つけられるから、、、いろんな理由がある。純粋な優しさだったり、憐憫な羞恥心だったり、情けない保身だったり、不条理で理不尽で どうしようもない恐怖だったり、様々な原因がある。でも、自分が圧倒的な被害者だったとしても、嘘は嘘なのだ。嘘をついたら、どんな被害者でも、一転して加害者のように責められてしまうのだ。しかし、その事実が明るみになる瞬間、嘘がバレる瞬間、隠し事が晴れる瞬間、言い様のないカタルシスが当事者を包む。自分の全てを言い切った者に与えられるのは、祝福なのだ。社会が悪い、世間が悪い、政治が悪い、歴史が悪い、制度が悪い、国が悪い、世界が悪い、大人が悪い、男が悪い、女が悪い、親が悪い、親戚が悪い、友達が悪い、周りが悪い、他人が悪い、自分が悪い、、、どれだけ何かのせいにして突き放しても、嘘をついたのは自分なのである。それが、どれほど苦しいことか、誰しも経験したことがあるはずだ。祝福してください。生まれてきてよかったんだと、誰か祝福してください。どうか、真実を言っても、独りにしないでください。決して叶わない、決して叶えてはいけない、そんな哀しい願いが、切実な願いが、喉の奥にずっと詰まっていて、1人の少女から息をする自由さえ奪っていた、その少女は、自分という身体と精神を捨て、人形となり、痛みと苦しさで客観的に自身を罰することでしか息することすらも許されなかったんだと思うと、心の底から遣る瀬無くて、読書中 金縛りにあったかのように身動きがとれなくなってしまった。だからこそ、この作品の終盤から異常なほどのカタルシスを感じてしまい、涙が止まらなかった、悔しさと後悔で頭が どうにかなってしまいそうになったけど、微かに、祝福してもらっている気がして、自分も祝福したい気持ちになった。島本理生の「ファーストラヴ」ストーリーの展開や設定は別としても、とても衝撃的なエンターテイメントでした。読むことができてよかったです。あー、おもしろかったー😭 終盤の法廷シーン、ヤバかったなあ。←もう既に読み返したい(笑)それにしても装丁が怖いな😨 読み終わって改めて装丁を見てドキッとした😅

    #島本理生 #ファーストラヴ