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吉田真悟

↑ 4月13日に発売して以降、話題騒然の月村了衛さん最新刊『脱北航路』。
発売前に書店員の方々に読んでもらっていたのですが、
いただく感想の熱いこと熱いこと!
せっかくなので、この熱量をお伝えしたく、いただいた感想の一部を公開させていただきます。 *   *   * 読みながら頭の中で映画になっていました! 歴史の痛み、今も続く痛みが、小説から伝わってくる。赤い炎と青い炎が燃え上がる緊迫圧倒のヒューマンドラマに胸打たれました。
(うさぎや矢板店 山田恵理子) ハラハラしながら読み進めた。全ての登場人物がそれぞれの痛みを抱えていて、その痛みを胸に秘めながらも誤魔化しながら生きてきた、誤魔化さずには生きてこられなかった苦しさを思った。こんな形ではなく、一刻も早く返してほしい。そう切に願うけれど、こんな形でもいいから返してほしいと思わずにはいられなかった。
(東京旭屋書店新越谷店 猪股宏美)   一部の者だけが富を得、軍の上下関係、指令に逆らえば命さえ保証されない境遇が当たり前。祖国に絶望し亡命を決行するのにどれだけの苦しみがあったのかと想像する。彼らも生き方を選べなかった一人の人間に違いない。日本への亡命成功の切り札として使われる拉致被害者である一人の女性(どうしてもあの彼女を重ねてしまう)。追手が迫り、緊迫する海上、海中入り乱れる攻防戦にまさに「息つく間もなく!」って言葉がぴったり。そして、もちろん日本の海上保安部、政府にも情報は流れる。どうするの? どうなのよ!! と手に汗握るシーンの連続に彼らの叫びと私の叫びが重なり合う。くーーー! 胸が詰まるし、涙は溢れる。力入りました。鉛色の海は全てを飲み込んでしまう。その情景が見えるようでした。読み終わり茫然自失。圧巻でした。
(未来屋書店大日店 石坂華月)   北朝鮮にいる人が全て金正恩に洗脳されているのかと思っていたが、この話のようにおかしいと思う人もいるのだろうな。死を覚悟しての亡命にはそれぞれのいろんな思いがあるだろう。とても希みがうすい脱出にへこたれそうになる時ばかりだろう。ただ潜水艦の艦員が精鋭すぎて惚れ惚れする。統制がとれているだけでなく、他の人を信じ、敬い、鼓舞する。そのタイミングの絶妙さに思わず頷いて本を読んでいた。最後の日本人たちの態度は毎日のニュースを見てもやはりと頷けるものであるが、そこをぶち破った民間の漁船のお爺ちゃんに拍手喝采だ。守りたい、助けたいと言う一心だけで動けるような人に私もなりたい。現実でも拉致被害者の問題は依然何も進展することもなく、このような本が出ることでまた目を向ける人たちが増えてくれるといいなと思う。
(水嶋書房くずは駅店 枡田愛)   極限状況で怒涛のごとく繰り広げられる凄まじい攻防戦の迫力にページをめくる手が止まらない! 持病を抱えながら45年もの間異国で一人孤独と戦ってきた拉致被害者、珠代さんの強く凛とした姿勢にも心打たれた。北朝鮮という独裁国家に生まれてしまったこと。ある日いきなり布袋をかぶせられ見知らぬ国に連れ去られたこと。自分ではどうしようもない悲劇の連鎖が現実社会でも断ち切られる事を祈った。
(三洋堂書店新開橋店 山口智子)   潜水艦の戦い方、というものを初めて知った。その攻撃方法、攻撃の回避方法、そして密閉された空間での感情のコントロール。すべてが極限状態となる水の底。それぞれが持つ絶望と矜持と希望。その行き着く先で遭遇する日本国の対応。これがもう、はらわた煮えくりかえりまくり。45年前の轍を踏みまくり。この国は何度過ちを繰り返すのか。何度悲しい少女を裏切り続けるのか。戦いの場面では、この情勢の中不謹慎だと思いつつも手に汗握り胸が熱くなる。けれど、これは「作り物のお話」ではない。きっと私たちが知らないところで今も起こり続けている「リアル」なのだ。「再会」という言葉の、その重みと深みを思う。
(精文館書店中島新町店 久田かおり)  

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