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じょんれのん。

彼はこの作品のパンフレットに「自分が何を表現したいのか」についてこう書いています。  煙草屋で八十円出す。煙草屋のおばさんはハイライト一つだけ出す。そこには何もコミュニケーションは無い訳ですよ。そうぞうしい現代では、お天気の話なんか絶対にない訳です。それが僕は現代人の寂しさだと思う訳です。現代人にとって一番恐ろしいのは無視される事であり、無視された時点で、一万円を持って一日に二、三度ハイライト一ケづつ買いに行くような行動に出る。そして煙草屋のおばさんの如何なる意味でも僕を意識した眼で見る、その顔を見て僕ははじめて、『存在』が体じゅうに満ちてくる訳です。僕の演劇の一つのパターンはその奇妙な行動に出た時の寂しさを裏返しすることです。 「白と黒とだけの階段」パンフレットより(1969年)

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