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三上雅博

中学校の卒業式で、クラスでたった一人だけ号泣していた奴がいた。 それが僕だ。引くくらい泣いた。 第二ボタンは誰ももらいに来てくれなかったからグラウンドに全てのボタンを力一杯投げ捨てた。帰り際、校門の前で待っていた後輩の女子達がボタン下さいと言ってくれた。嬉しすぎた。 すでにボタンは捨ててしまってボタンの類いはもう何もついてないので、手に持っていた通知表と筒に入った卒業証書とポケットに入っていたリップクリームをそれぞれに渡した。そのまま校門を出てすぐに煙草に火をつけた。深く煙を吸い込み、ため息の様に吐き出して学生生活の終わりを実感した。

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