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三上雅博

15歳の頃の話です。 人生で初めて出来た彼女と付き合った当初は彼女の家の前によく男が待ち伏せしていた。僕と付き合う前からずっとその男に言い寄られていた。その相手から電話がかかってきたので、僕は彼女から電話を奪い直接話をした。 相手の男は僕を夜の公園に呼び出した。僕も名前くらい知っている僕と同じ歳の不良だった。 僕は一人で指定された場所へ出向いた。土砂降りの雨が降っていた。 何人かで待ち伏せしているだろうと踏んでいた。だから意外だった。男は雨の中傘も刺さずにひとり雨に打ちひしがれていた。 「ドラマかよ...」僕はそんなひとりごとをボソっと呟いてから男の前に立った。 男は雨に濡れて震えていた。僕を見てタバコに火をつけようとしているが濡れているからか震えているからかうまく火がつかない。虚しくライターの石が擦れる音が響くだけ。僕はポケットからライターを出して火をつけてやった。 一瞬驚いた顔で、咥えたタバコにその火をつけると男は手に持っていた自分のライターを地面に叩きつけた。 「あいつと付き合ってるのか?」その問いに、僕は「あぁ」と答えた。 両手で胸ぐらを掴んできた。僕はそのまま掴まれてやる。その手は怒りか悔しさか切なさか寒さで震えていた。僕が手を出したら遺恨を残す事になるだろうと思った。 「殴らせろ」と言ってきた。なんだか僕には男の気持ちが痛いほどわかる。 「それで気が済むなら殴れ」そう言ったら2発殴られた。男は泣いていた。雨で涙は流される。僕は立ち尽くす男に声をかけずにその場を立ち去った。

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三上雅博のトーク
トーク情報
  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    41歳で角川書店(現・カドカワ)の取締役編集部長になり42歳で独立した。本当は辞める気はなかったが、角川コカイン事件があってやむを得なかった。逮捕されて代表取締役社長を辞任した角川春樹さんには仁義を通したかった。幻冬舎を作った。無謀な挑戦が始まった。今、思うとよくやり通せたと信じられない気持ちになる。無知が幸いした。怖いもの知らずだった。圧倒的努力はしたが奇跡の連続だった。あの時、足がすくんでいたら今の幻冬舎はない。26年が経った。幻冬舎は今また分岐点に立ち、僕の人生も大きな決断の時を迎えている。

  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    創業して5年目ぐらいから複数の証券会社、銀行がしきりと上場を勧めて来た。僕は上場という概念すらなかったから不思議な気分だった。自分が自分の会社を上場するなんて考えたことすらなかった。全く縁がないものだと思っていたから、上場したらどうなるのかなど解りようがなかった。結局、創業9年で上場した。風景が変わった。順調だった。しかし、上場していることの窮屈さも感じていた。上場から7年が経ってMBOで上場を廃止した。丁度、60歳になったばかりだった。気が楽になった。上場を廃止して9年が経とうとしている。僕は会社のことで新たな大きな決心をした。それが会社にも社員にも一番いいと判断したからだ。リスクは僕に降りかかるが腹をくくった。
    しかし、こういう時に困難や問題は同時多発する。そう決めた途端、会社のことや大事な友人のことで決断しなくてはならない状況が起こっている。知らんぷりをすれば安全だが、それが正しい道かどうか?何をしていても気分が晴れない。

  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    上場している時に、実は二つの大きな出来事がありました。
    一つはかなりの規模の会社を10億で買収したが、最初の目論見に反して経営状態が悪化、民事再生にせざるを得なかったこと。つまり10億の特損が生じました。
    もう一つは経理局の社員が会社の金10億円を横領していたこと。かなりのニュースになりました。これは情けなかったし、びっくりしたし、反省もしました。
    この二つの10億円事件は上場していただけに辛かったです。
    身から出た錆ですから、誤魔化さず、正面突破で乗り切りました。

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  • 三上雅博
    三上雅博


    おはようございます。
    2019年9月の親父の投稿のリトークです。

    親父の戦いの歴史をこうして755を通じて知ることができ、大変有り難く存じます。
    そしていつもこう思います。
    「755は奇跡のSNSだ」。

    皆様、本日も宜しくお願い致します。

  • 三上雅博
    三上雅博

    昨日の自分を倒すため、正気の沙汰ではいられない。僕のライバルは昨日までの僕だけだから。
    自分みたいな奴と戦うのは怖すぎる。出来るならこんな狂った奴と戦いたくない。今のままでは勝てそうにないからもっと狂うしかない。
    でも実は、勝つ方法は知っている。昨日の僕が執着しているものを手放すだけ。なるべくならしたくない方法。
    だから八方手を尽くす。それでも勝てる見込みがないのならその時は仕方がない。
    勝つために執着ひとつ捨てるだけ。
    執着の全てが空になり、もう自分に勝てなくなったら死ねばいい。

  • 三上雅博
    三上雅博

    日本一の鮪が今大阪にあって、しかも僕の手で鮨に出来るなんて夢の様な話です。
    鮨職人やってて良かったです。感謝。