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三上雅博

15歳の頃の話です。 人生で初めて出来た彼女と付き合った当初は彼女の家の前によく男が待ち伏せしていた。僕と付き合う前からずっとその男に言い寄られていた。その相手から電話がかかってきたので、僕は彼女から電話を奪い直接話をした。 相手の男は僕を夜の公園に呼び出した。僕も名前くらい知っている僕と同じ歳の不良だった。 僕は一人で指定された場所へ出向いた。土砂降りの雨が降っていた。 何人かで待ち伏せしているだろうと踏んでいた。だから意外だった。男は雨の中傘も刺さずにひとり雨に打ちひしがれていた。 「ドラマかよ...」僕はそんなひとりごとをボソっと呟いてから男の前に立った。 男は雨に濡れて震えていた。僕を見てタバコに火をつけようとしているが濡れているからか震えているからかうまく火がつかない。虚しくライターの石が擦れる音が響くだけ。僕はポケットからライターを出して火をつけてやった。 一瞬驚いた顔で、咥えたタバコにその火をつけると男は手に持っていた自分のライターを地面に叩きつけた。 「あいつと付き合ってるのか?」その問いに、僕は「あぁ」と答えた。 両手で胸ぐらを掴んできた。僕はそのまま掴まれてやる。その手は怒りか悔しさか切なさか寒さで震えていた。僕が手を出したら遺恨を残す事になるだろうと思った。 「殴らせろ」と言ってきた。なんだか僕には男の気持ちが痛いほどわかる。 「それで気が済むなら殴れ」そう言ったら2発殴られた。男は泣いていた。雨で涙は流される。僕は立ち尽くす男に声をかけずにその場を立ち去った。

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三上雅博のトーク
トーク情報
  • 三上雅博
    三上雅博

    ハードボイルドを読んだ後、だいぶそれに影響される。それは映画でも言える。
    ビーバップハイスクールを観た翌日は、学校では映画の登場人物の様に振舞っていた。
    僕は中学生の頃、告白して10回くらいフラれてる。その内、同じ女の子に3回フラれてる。
    嗚呼、そう言えばスラムダンクが流行ってた。その主役も50回くらい?フラれてた。

  • 三上雅博
    三上雅博
    投稿画像

    明日から本格的に戦いが始まります。
    今日はスタッフの誕生日祝いでみんなで食事に行きました。
    2件目にBARに来ました。

  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    [みをつくし料理帖]が心にまだ染みている朝。苛酷な運命を引き受け、真っ当に、健気に生き抜く小さな人々をこんなにも美しく描き尽くした角川春樹監督の才能に嫉妬。僕は角川春樹社長の真下で17年間仕事をしていた。とにかく大変な人、謂わば「狂人」だった。いつも翻弄されていた。多分、今もそれは変わらない。しかし、「狂人」にしか成し得ない仕事がある。

  • 三上雅博
    三上雅博


    おはようございます。
    2020年7月の親父の投稿のリトークです。

    存じ上げ無かったので角川春樹監督の「みをつくし料理帖」を少し調べました。
    料理屋で奉公する主人公の少女が苛酷な運命を背負い大阪から江戸へ下り、その食文化の違いに戸惑いながらも、暗闇の中で試行錯誤しながら突破して行く物語。それに付随する人間ドラマ。
    あらすじだけで興味津々。これは是非観てみたいと思います。

    狂ってこそ人生。
    本日も皆様宜しくお願い致します。