三上雅博のトーク
トーク情報- 三上雅博
三上雅博 前のお店で車海老でエビマヨ巻きを作ってた。
それが「裏メニュー」みたいになってしまい追加の定番になった。
好きな人には特別感を感じてもらいたいとは昔から思っている。その相手が「自分だけが知っている」という武器をこちら側が用意する。
その人用の特別を差し出す。
そんな中でしか新作は生まれない。
一本の巻きに特大の車海老を6本、車海老100%で作った海老おぼろとマヨネーズを和えたもの、大葉、ペリーラ、胡麻。これを具材に巻く太巻きだ。
車海老は頭から尻尾にかけてグラデーションの様に火入れする。
頭はしっかり海老味噌が固まるまで、そこから尾に向かうに連れてレアな感じになる様に茹でる。
それを継ぎ足しながら使っている海老出汁醤油で漬け込む。
車海老のおぼろは、一度茹でた車海老をすり身状にしてそこからじっくり弱火で1時間くらいかけて、しっとり口溶けよく仕上がる様に炒っていく。
それとマヨネーズを和える。
海苔にシャリを敷き、胡麻をふり、
そこに開いた車海老を6枚敷き詰め、その上に大葉を並べ、海老おぼろマヨネーズとたっぷりのペリーラを乗せ、包み込む様に巻く。
毎日作る様になった。
今考えると誰もそこまでのエビマヨを望んでいなかった様にも思う。
マヨネーズと普通の海老だけでも美味しいのに。
信じられない値段になるので当時は原価で出していたが、そのうち作るのが辛くなってしまった。
最初はたった1人のためだったのに。
だから自分からは提案しない。
海老マヨが食べたいと言われたら、全力でその人のためにやる。
巻物ひとつ、自問自答の繰り返しだ。