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三上雅博

僕には数ヶ月先に生まれた従兄弟がいた。 一心同体の様な感覚で生きていた。 腕力もあり運動神経も良く性格もやんちゃで勉強もそれなりにこなし、剣道も初段くらいまで行ったり、誰よりも最初に怖い所に飛び込んでいく。僕はそういう面で言うと、生涯負け続けながら彼とずっと一緒に育った。 僕がそんな片割れに得意な顔をできるのは 鮨しか無かったんだろう。 この世界に入ってから休みの日は朝から市場に行き、仲買さんに練習用の魚を1000円分位欲しいと言うとそんな若い衆は可愛いがってもらえるもので大量に残った魚をくれていた。見習いの僕が、その気になって鮨を握ったり刺身を切ったりして当時高校生だった従兄弟と昼からよく酒盛りしたものだ。 新しい技術を教えてもらったら自慢気に披露してた。 それを本当に驚きながら喜びながら食べてくれてた。

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三上雅博のトーク
トーク情報
  • 三上雅博
    三上雅博

    仕事しながら死にたかったのに今日までおめおめと生きながらえてしまった。
    でも今は色々な出会いのおかげで長く握り続けたいと思っている。

    感謝。

  • 三上雅博
    三上雅博
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    いつも烏賊を切る時は、店内を烏賊切り用ライティングに切り替えて集中します。

    その時の音楽は坂本龍一の「12」を流しています。

  • 三上雅博
    三上雅博

    闇の中、目の前のまな板だけを淡く照らす。暗闇と静寂に包まれたい。
    ただ無音にしたくても冷蔵庫などの機械音がそれを邪魔する。
    でもこの削ぎ落とされた坂本龍一の音楽は邪魔な音だけを綺麗に消してくれる。
    まるでここは自分だけの世界。
    自分と向き合い対話する時間にもなっている。

    その世界に入り込みすぎて正気を失い、戻って来れなくなる時がある。